2007年 10月 28日
ロンドン4日目(10月28日) |
8時起床、9時に朝食。
前日と同じくらいになってしまったので食堂がまた混んでいるだろうと覚悟していったら意外にも空いていました。日曜だからみんな寝坊してるのかなと思いつつ食事を済ませ、出るときに入口の扉のところの貼り紙を見たら「Don't forget to make your clocks go back 1 hour from October 28」と書いてありました。そっかあ、夏時間が終わったんだ、私はほんとは7時起床、8時朝食だったんだ、だから食堂が空いてたんだ、と気づきました。でも睡眠時間はちゃんと1時間余分にとれてるわけで、なんだか得した気分(^^)。
まだ出かけるには早いことがわかったのでTVの子供用番組でやっていたアドベンチャードラマを見てました。思い切り「ダ・ヴィンチ・コード」と「ナショナル・トレジャー」を混ぜこぜにした内容でなかなか笑えました。でもこれ、子供たちがふたつの映画を見てるという前提で作られているわけで、なんだかすごいなあと思ってしまった。
この日は日曜で映画祭の上映もめぼしいものがないからコッツウォルズあたりへのツアーに参加しようと思っていましたが結局予約はしないままこっちに来てしまい、まあ現地でも申し込めるからと思っていたのですが、そろそろ疲れが出てきて早朝から夕方までびっちりのツアーなんかに行ったら月曜からヘロヘロになりそう。おまけにけっこうな雨が降っています。今回の旅行ではお天気に恵まれ、TVの天気予報でも毎日のように「この時期には珍しく暖かくて晴れた日」と言ってる日がほとんどだったのですが(おかげで暑くてまいった)、映画の予定がない日曜だけが雨降り。ついてないなあ。仕方がないのでまったり市内観光をすることにしました。
ロンドンには何度も来ていますが、昔は歴史にあまり興味がなかったせいもあり、美術館以外の普通のツーリストスポットってほとんど行っていないんですよね。でも最近読み出した歴史ミステリーのおかげで古い建物にとても興味をもてるようになりました。なので今日はロンドン塔をメインイベントに、地下鉄セントラル線とディストリクト線が走っているあたりのテンプル教会やウェストミンスター寺院、グローブ座なんかを見て、最後にスター・ウォーズ展でも見ようかと計画を立てました。
まずはロンドン塔だと地下鉄でバンクまで行き、長い乗り換え通路を延々と歩いてやっとセントラル線とディストリクト線のホームまで来たと思ったらそこで通行止めになっていて貼り紙が。「本日はセントラル線は1日運休、ディストリクト線もアールズコートとホワイトチャペル間は運休します。他の電車かバスをご利用ください」と書いてある。げげげっ! そんなの車内放送でも言ってなかったし改札にも書いてなかったじゃないか。ここまで歩かせておいてそれはないだろう!
私のほかにも後から後から観光客が来ては貼り紙を見てショックを受け、来た道を戻っていきます。地元の人はこういうことがしょっちゅうあるからチェックする場所を知っていて失敗はしないんでしょうが、コヴェントガーデンの降車専用にしても不慣れな観光客にとってはすごく不親切だと思う。
文句を言っていても始まらないので私も来た道を戻りましたが、今日の予定はすべてこのふたつの線の沿線だったのでどうしようもない。バスはルートがよくわからないし、鉄道も思う方向には行きそうもない。どうせだったら地上に出て、ロンドン塔を遠くからでも眺めることにしようと決めました。
バンク駅で地上に出て少し歩いたらすぐに川岸に出たので遊歩道をタワーブリッジに向かって歩きます。途中で反対側からのほうがロンドン塔がよく見えることに気づいてサウスワーク橋を渡り、そちら側の遊歩道を。途中、道が川から離れてくねくねした路地に入っていったんですが、気づいたらそこがグローブ座と有名なパブAnchorのあるところでした。結果的には目的地のひとつに着けたわけだ。このあたり、古い建物が残っていてなかなかいい雰囲気です。おいしいエールがありそうなパブもいくつかあったんですが、ここのところアルコールを少しでもとると体調が崩れるので自重しました。情けないなあ。
この近くの川岸には16世紀のフランシス・ドレーク卿が乗っていたというガレオン船The Golden Hinde号の完全複製もつないでありました。「A Living History Museum」と書かれている説明の立て札を読むと、この船を使ってガイド付きツアーをしたり、当時のままの船内に泊まったり、パーティを開いたりといろいろな用途に使われているようです。それ、けっこう楽しいかも。
少し行くとHays Galleriaという倉庫のような建物があります。1850年に建てられたもので船から荷揚げした品物を置いていた場所らしい。それを改造してギャラリー、レストラン、ショップなどが入った複合娯楽施設になっています。まあ日本でも郊外によくあるようなものですが、歴史の重みがアクセントになっているのがちょっと自慢、って感じ? とりあえず屋根があって雨宿りができるので、ここのベンチで持参していたドーナツと干しあんずで昼食にしました。
少し休んでまた歩き出しましたが川べりだからなのか風が強い! 雨もけっこう降っているので傘をさしたいのだけれどすぐにオチョコになってしまいます。こっちの人はそれもあるからか傘をさしてない人のほうが多いのですが、私はやっぱり濡れたくないので意地になってさしていました。おかげで傘の骨のひとつから糸がはずれてしまった。まあ、100円ショップで買った傘だから元々ヤワな作りなんですけど。
傘に気をとられながら歩いていたらタワーブリッジが思いがけなく近い位置にありました。その向こう岸にロンドン塔も見えます。これならなんとかなる!とずんずん歩いていきました。タワーブリッジは渡ってみるとけっこうな距離があったし、そこからロンドン塔の入口まではさらに遠かったけどなんとか歩ききりました。結局ロンドン塔のチケット売り場は地下鉄タワーヒルズのすぐそばなんですよね。地下鉄が動いてさえいれば本当に簡単に行けたのに・・・。
チケットを買い門から入場すると入口付近に人がたくさんたまっています。Yeoman Warder guided tourの出発時間が近いらしいので私も一緒に待ってみました。10分ほどでかっこいい制服姿のビーフィーター(守衛)が来てツアーが始まったのですが、参加者が50人くらいいるのにマイクを使わないので人の輪の外側にいる私にはほとんど何を言っているのかわからない。Thunderのダニーみたいなお笑い系パフォーマンス(聴衆の参加をうながす)でかなり受けていたんですが、建物について説明してくれても人が多くて見えません。これじゃあ意味がないので離脱しました。
まずは城壁の上をぐるっと半周くらいしてから足の向くまま気の向くままに内部を見て回っていると中世のコスチュームを着た人たちが歩いていたりします。この人たちは決まった時間に寸劇を見せてくれるみたい。イギリスの王が戴冠式のときにかぶる王冠各種を展示した建物もあり、有名なアフリカの星が嵌った王冠もありましたが、宝石に興味のない私にはやたらけばけばしくて趣味が悪いとしか見えませんでした(^^;)。でも、この王冠の部屋の通路では現在のエリザベス女王が戴冠したときの映像が壁に映されていて、これは面白かったです。あんな若いときに女王になったんですね。先日見た映画「クイーン」にも長い間自分自身のことよりも国のことを考えて生きてきた、というようなセリフがありましたが、この映像を見ると納得します。
そういえば私がロンドンにいる間の新聞の人気トピックは英国王室の誰かがゲイセックスやドラッグに関係した映像をたてに恐喝された、というものでした。犯人ふたりは捕まって、写真入りで連日記事が載っているのですが、恐喝された王族については写真はもちろん名前も出ていません。どうやらイギリスでは犯罪のからんだニュースで王族の名前をメディアに出すのは禁じられているらしい。でも最後のほうではアメリカのTVで名前が出て、それが一気にインターネットで広まったとかいう記事も出ていました。どう考えたって秘密になんてしておけないですよね。王族とは言ってもかなり遠いラインの人みたいでしたが。
しかしロンドン塔は広いです。元々はお城として建てられたものだから当たり前なんですが、どうしても今風の監獄が頭に浮かんでしまうので。最近読んだThe White Rose Murdersという小説の舞台がこのロンドン塔だったんですが、その中にも豪奢な調度で飾られたヘンリー八世の妹が住む居室と、身分の高い罪人が幽閉されているこれまた立派な部屋の描写が出てきて、うまくイメージできませんでした。今回実物を見てやっと書かれていた内容が理解できました。あの暗さも。電気がついている今でもあれだけ薄暗いんですから、蝋燭の灯りしかなかった頃にはどれほど暗く薄気味悪いことだったことでしょう。あの小説の著者は実際にこのロンドン塔にも来て、見ながら想像をふくらませたんだろうなあ。もっとイギリスの歴史を知っていればさらに楽しめたと思うので、次にロンドンに来るまでにもう少し勉強しておこうっと。
ショップでロンドン塔のDVDと『Tortue and Punishment』という拷問と拷問具についての本(^^;)、それにスコットランド女王メアリーの生涯をイラストや漫画で面白おかしく描いた本『Mary Queen of Scots and Her Hopeless Husbands』を買いました。この本はDead Famousシリーズの1冊で、ほかにもシェークスピアやジャンヌ・ダルクなど色々出ていて面白そうでした。
建物の中を改装したカフェでポテトチップスとりんごジュース、水を買い、しばし休憩。ポテトチップスはSea Salt & Crushed Black Pepperというのだったんですが、すごくおいしかった。粗引き黒胡椒が効いてて。そういえばここのレジにも例の赤い芥子の花バッジが置いてありました。
塔の外に出て川沿いにサウス・バンクのほうに戻ります。テムズ川の川沿いにはずっとWalkと呼ばれる遊歩道があるのですが、ところどころかなり低い位置にある道があって、そこに入るための門には「洪水のときは閉鎖します」と書いてありました。テムズ川が氾濫することってあるんだ!?
ロンドン橋で反対側に渡り、地下鉄駅に。この駅は人が少なかったので初めてオイスターカードをチャージしてみました。券売機でチャージできるんですが、中心地の駅はいつでも券売機に人の列ができているので、慣れないチャージで時間をとるのが悪くてできなかったんですよね。クレジットカード専用のチャージ機は空いているんですが、まずは現金でやってみたかった(^^)。画面で5ポンドを選び、10ポンド札を入れたんですが戻ってきてしまったので1ポンド硬貨を5枚入れました。10ポンドや20ポンドでもチャージできるんだから紙幣がダメというわけではないんでしょうが。2度目と3度目はクレジットカードを使いましたが、こっちのほうがずっと簡単でした。
ここでちょっと話がそれますが、ロンドンの地下鉄も変わりましたね。昔は車内アナウンスも「Mind the Gap」と男性の陰鬱な声で1駅1言だったと思うのですが(初めて行ったとき「マインダギャ」ってなんだろうと思ってました)、今では「次は****。**線、**線はお乗換えです。電車とホームの間の隙間にご注意ください」とまるで日本並みの懇切丁寧さ。さすがに「お年寄りや体の不自由な方に・・・」というアナウンスはありませんでしたが。滞在している間にこのアナウンスについて書かれた記事を新聞で見かけました。「Mind the Noise」というタイトルでロンドンの街がアナウンス公害でうるさくなっているという批判記事でした。でもね、東京から行った私からすればあの程度はうるさいとは思わない。それよりも「車内での携帯電話のご使用はご遠慮ください」とやってほしい。
もうとにかく車内で携帯で話をする人がやたらと多い。前に行ったときもそうで、携帯の普及が日本より遅れているからでそのうち日本並みにメール主流になるだろうと思っていたのですが予想は外れました。プライベートなことは外に出さないイギリス人なのに、どうして携帯ではあんなに無恥な会話ができるんだろう。一度なんて私の隣の女性が乗ってる間ずーっと恋人と喧嘩をしていて、そのふたりがどういう環境でどういう暮らしをしているか全部わかってしまいました。最後のほうでは女性が涙声になっちゃってすご~く居心地が悪かった。なんとかしてほしいです。
前日と同じくらいになってしまったので食堂がまた混んでいるだろうと覚悟していったら意外にも空いていました。日曜だからみんな寝坊してるのかなと思いつつ食事を済ませ、出るときに入口の扉のところの貼り紙を見たら「Don't forget to make your clocks go back 1 hour from October 28」と書いてありました。そっかあ、夏時間が終わったんだ、私はほんとは7時起床、8時朝食だったんだ、だから食堂が空いてたんだ、と気づきました。でも睡眠時間はちゃんと1時間余分にとれてるわけで、なんだか得した気分(^^)。
まだ出かけるには早いことがわかったのでTVの子供用番組でやっていたアドベンチャードラマを見てました。思い切り「ダ・ヴィンチ・コード」と「ナショナル・トレジャー」を混ぜこぜにした内容でなかなか笑えました。でもこれ、子供たちがふたつの映画を見てるという前提で作られているわけで、なんだかすごいなあと思ってしまった。
この日は日曜で映画祭の上映もめぼしいものがないからコッツウォルズあたりへのツアーに参加しようと思っていましたが結局予約はしないままこっちに来てしまい、まあ現地でも申し込めるからと思っていたのですが、そろそろ疲れが出てきて早朝から夕方までびっちりのツアーなんかに行ったら月曜からヘロヘロになりそう。おまけにけっこうな雨が降っています。今回の旅行ではお天気に恵まれ、TVの天気予報でも毎日のように「この時期には珍しく暖かくて晴れた日」と言ってる日がほとんどだったのですが(おかげで暑くてまいった)、映画の予定がない日曜だけが雨降り。ついてないなあ。仕方がないのでまったり市内観光をすることにしました。
ロンドンには何度も来ていますが、昔は歴史にあまり興味がなかったせいもあり、美術館以外の普通のツーリストスポットってほとんど行っていないんですよね。でも最近読み出した歴史ミステリーのおかげで古い建物にとても興味をもてるようになりました。なので今日はロンドン塔をメインイベントに、地下鉄セントラル線とディストリクト線が走っているあたりのテンプル教会やウェストミンスター寺院、グローブ座なんかを見て、最後にスター・ウォーズ展でも見ようかと計画を立てました。
まずはロンドン塔だと地下鉄でバンクまで行き、長い乗り換え通路を延々と歩いてやっとセントラル線とディストリクト線のホームまで来たと思ったらそこで通行止めになっていて貼り紙が。「本日はセントラル線は1日運休、ディストリクト線もアールズコートとホワイトチャペル間は運休します。他の電車かバスをご利用ください」と書いてある。げげげっ! そんなの車内放送でも言ってなかったし改札にも書いてなかったじゃないか。ここまで歩かせておいてそれはないだろう!
私のほかにも後から後から観光客が来ては貼り紙を見てショックを受け、来た道を戻っていきます。地元の人はこういうことがしょっちゅうあるからチェックする場所を知っていて失敗はしないんでしょうが、コヴェントガーデンの降車専用にしても不慣れな観光客にとってはすごく不親切だと思う。
文句を言っていても始まらないので私も来た道を戻りましたが、今日の予定はすべてこのふたつの線の沿線だったのでどうしようもない。バスはルートがよくわからないし、鉄道も思う方向には行きそうもない。どうせだったら地上に出て、ロンドン塔を遠くからでも眺めることにしようと決めました。
バンク駅で地上に出て少し歩いたらすぐに川岸に出たので遊歩道をタワーブリッジに向かって歩きます。途中で反対側からのほうがロンドン塔がよく見えることに気づいてサウスワーク橋を渡り、そちら側の遊歩道を。途中、道が川から離れてくねくねした路地に入っていったんですが、気づいたらそこがグローブ座と有名なパブAnchorのあるところでした。結果的には目的地のひとつに着けたわけだ。このあたり、古い建物が残っていてなかなかいい雰囲気です。おいしいエールがありそうなパブもいくつかあったんですが、ここのところアルコールを少しでもとると体調が崩れるので自重しました。情けないなあ。
この近くの川岸には16世紀のフランシス・ドレーク卿が乗っていたというガレオン船The Golden Hinde号の完全複製もつないでありました。「A Living History Museum」と書かれている説明の立て札を読むと、この船を使ってガイド付きツアーをしたり、当時のままの船内に泊まったり、パーティを開いたりといろいろな用途に使われているようです。それ、けっこう楽しいかも。
少し行くとHays Galleriaという倉庫のような建物があります。1850年に建てられたもので船から荷揚げした品物を置いていた場所らしい。それを改造してギャラリー、レストラン、ショップなどが入った複合娯楽施設になっています。まあ日本でも郊外によくあるようなものですが、歴史の重みがアクセントになっているのがちょっと自慢、って感じ? とりあえず屋根があって雨宿りができるので、ここのベンチで持参していたドーナツと干しあんずで昼食にしました。
少し休んでまた歩き出しましたが川べりだからなのか風が強い! 雨もけっこう降っているので傘をさしたいのだけれどすぐにオチョコになってしまいます。こっちの人はそれもあるからか傘をさしてない人のほうが多いのですが、私はやっぱり濡れたくないので意地になってさしていました。おかげで傘の骨のひとつから糸がはずれてしまった。まあ、100円ショップで買った傘だから元々ヤワな作りなんですけど。
傘に気をとられながら歩いていたらタワーブリッジが思いがけなく近い位置にありました。その向こう岸にロンドン塔も見えます。これならなんとかなる!とずんずん歩いていきました。タワーブリッジは渡ってみるとけっこうな距離があったし、そこからロンドン塔の入口まではさらに遠かったけどなんとか歩ききりました。結局ロンドン塔のチケット売り場は地下鉄タワーヒルズのすぐそばなんですよね。地下鉄が動いてさえいれば本当に簡単に行けたのに・・・。
チケットを買い門から入場すると入口付近に人がたくさんたまっています。Yeoman Warder guided tourの出発時間が近いらしいので私も一緒に待ってみました。10分ほどでかっこいい制服姿のビーフィーター(守衛)が来てツアーが始まったのですが、参加者が50人くらいいるのにマイクを使わないので人の輪の外側にいる私にはほとんど何を言っているのかわからない。Thunderのダニーみたいなお笑い系パフォーマンス(聴衆の参加をうながす)でかなり受けていたんですが、建物について説明してくれても人が多くて見えません。これじゃあ意味がないので離脱しました。
まずは城壁の上をぐるっと半周くらいしてから足の向くまま気の向くままに内部を見て回っていると中世のコスチュームを着た人たちが歩いていたりします。この人たちは決まった時間に寸劇を見せてくれるみたい。イギリスの王が戴冠式のときにかぶる王冠各種を展示した建物もあり、有名なアフリカの星が嵌った王冠もありましたが、宝石に興味のない私にはやたらけばけばしくて趣味が悪いとしか見えませんでした(^^;)。でも、この王冠の部屋の通路では現在のエリザベス女王が戴冠したときの映像が壁に映されていて、これは面白かったです。あんな若いときに女王になったんですね。先日見た映画「クイーン」にも長い間自分自身のことよりも国のことを考えて生きてきた、というようなセリフがありましたが、この映像を見ると納得します。
そういえば私がロンドンにいる間の新聞の人気トピックは英国王室の誰かがゲイセックスやドラッグに関係した映像をたてに恐喝された、というものでした。犯人ふたりは捕まって、写真入りで連日記事が載っているのですが、恐喝された王族については写真はもちろん名前も出ていません。どうやらイギリスでは犯罪のからんだニュースで王族の名前をメディアに出すのは禁じられているらしい。でも最後のほうではアメリカのTVで名前が出て、それが一気にインターネットで広まったとかいう記事も出ていました。どう考えたって秘密になんてしておけないですよね。王族とは言ってもかなり遠いラインの人みたいでしたが。
しかしロンドン塔は広いです。元々はお城として建てられたものだから当たり前なんですが、どうしても今風の監獄が頭に浮かんでしまうので。最近読んだThe White Rose Murdersという小説の舞台がこのロンドン塔だったんですが、その中にも豪奢な調度で飾られたヘンリー八世の妹が住む居室と、身分の高い罪人が幽閉されているこれまた立派な部屋の描写が出てきて、うまくイメージできませんでした。今回実物を見てやっと書かれていた内容が理解できました。あの暗さも。電気がついている今でもあれだけ薄暗いんですから、蝋燭の灯りしかなかった頃にはどれほど暗く薄気味悪いことだったことでしょう。あの小説の著者は実際にこのロンドン塔にも来て、見ながら想像をふくらませたんだろうなあ。もっとイギリスの歴史を知っていればさらに楽しめたと思うので、次にロンドンに来るまでにもう少し勉強しておこうっと。
ショップでロンドン塔のDVDと『Tortue and Punishment』という拷問と拷問具についての本(^^;)、それにスコットランド女王メアリーの生涯をイラストや漫画で面白おかしく描いた本『Mary Queen of Scots and Her Hopeless Husbands』を買いました。この本はDead Famousシリーズの1冊で、ほかにもシェークスピアやジャンヌ・ダルクなど色々出ていて面白そうでした。
建物の中を改装したカフェでポテトチップスとりんごジュース、水を買い、しばし休憩。ポテトチップスはSea Salt & Crushed Black Pepperというのだったんですが、すごくおいしかった。粗引き黒胡椒が効いてて。そういえばここのレジにも例の赤い芥子の花バッジが置いてありました。
塔の外に出て川沿いにサウス・バンクのほうに戻ります。テムズ川の川沿いにはずっとWalkと呼ばれる遊歩道があるのですが、ところどころかなり低い位置にある道があって、そこに入るための門には「洪水のときは閉鎖します」と書いてありました。テムズ川が氾濫することってあるんだ!?
ロンドン橋で反対側に渡り、地下鉄駅に。この駅は人が少なかったので初めてオイスターカードをチャージしてみました。券売機でチャージできるんですが、中心地の駅はいつでも券売機に人の列ができているので、慣れないチャージで時間をとるのが悪くてできなかったんですよね。クレジットカード専用のチャージ機は空いているんですが、まずは現金でやってみたかった(^^)。画面で5ポンドを選び、10ポンド札を入れたんですが戻ってきてしまったので1ポンド硬貨を5枚入れました。10ポンドや20ポンドでもチャージできるんだから紙幣がダメというわけではないんでしょうが。2度目と3度目はクレジットカードを使いましたが、こっちのほうがずっと簡単でした。
ここでちょっと話がそれますが、ロンドンの地下鉄も変わりましたね。昔は車内アナウンスも「Mind the Gap」と男性の陰鬱な声で1駅1言だったと思うのですが(初めて行ったとき「マインダギャ」ってなんだろうと思ってました)、今では「次は****。**線、**線はお乗換えです。電車とホームの間の隙間にご注意ください」とまるで日本並みの懇切丁寧さ。さすがに「お年寄りや体の不自由な方に・・・」というアナウンスはありませんでしたが。滞在している間にこのアナウンスについて書かれた記事を新聞で見かけました。「Mind the Noise」というタイトルでロンドンの街がアナウンス公害でうるさくなっているという批判記事でした。でもね、東京から行った私からすればあの程度はうるさいとは思わない。それよりも「車内での携帯電話のご使用はご遠慮ください」とやってほしい。
もうとにかく車内で携帯で話をする人がやたらと多い。前に行ったときもそうで、携帯の普及が日本より遅れているからでそのうち日本並みにメール主流になるだろうと思っていたのですが予想は外れました。プライベートなことは外に出さないイギリス人なのに、どうして携帯ではあんなに無恥な会話ができるんだろう。一度なんて私の隣の女性が乗ってる間ずーっと恋人と喧嘩をしていて、そのふたりがどういう環境でどういう暮らしをしているか全部わかってしまいました。最後のほうでは女性が涙声になっちゃってすご~く居心地が悪かった。なんとかしてほしいです。
by timeturner
| 2007-10-28 21:02
| 旅行
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