2007年 09月 08日
平山郁夫 祈りの旅路展 |
国立近代美術館で今週の火曜から開催されている平山郁夫の画業60年記念展覧会に行ってきました。彼を好きな人は年配の方が多いので平日の日中は混むだろうと思い、夜8時まで開館している金曜日を狙ってみたのですが、読みはあたり、ひとつの絵の前に1、2人という程度の入り具合。ゆっくり見られました。
尾道に行ったとき、瀬戸田の平山郁夫美術館は訪れたのですが、あそこは場所柄「しまなみ百景」の絵が多くて、彼の真骨頂であるシルクロードや仏教系の絵は少ししか展示してありませんでした。
今回は画家としての人生の集大成的な展覧会ですので、これという作品をすべて出しています。絵葉書や画集では目にしたことがあったものも実物を見ると驚くほど違う。この人の絵は印刷では良さがまったくわかりませんね。日本画の手法でエキゾチックな対象を西洋的なタッチで描く、というのがこの人の特徴ですが、その日本画的な手法というのが写真に撮って印刷した時点で完全につぶれてしまう。まあ絵画というのは誰の作品でも多かれ少なかれそういうものですが。
砂漠の都市楼蘭の廃墟を描いた、ほとんど薄茶色の濃淡だけの絵があったのですが、これがぱっと見ると自分の目がどうかなってしまったのかと思うほどぼーっと焦点が合っていないように見える。が、近づいてよく見ると、ものすごく細かい筆づかいでくっきりと描いてある。それを全体として見ると、砂漠の蜃気楼のようにもや~っとぼやけて見えるんですよね。恐れ入りました。
いちばん気に入ったのはでもシルクロードではなくて、熊野路古道を描いた大きな絵。横長で高さが私の背より大きい。絵の前に立つとその中に吸い込まれて、しんとした杉林の中にいるような気分になります。(これ、どうやらふだんは早稲田大学の図書館にあるらしい)
残念ながら私がいいと思った絵はどれも絵葉書になっていませんでした。でも、逆にそれでよかったのかも。実物とかけ離れた印刷の絵葉書をもっていたって仕方がないですもんね。
ところで、音声ガイド(500円)は平山画伯自身によるものだというので借りたのですが、これはちょっと期待はずれ。美術館側が絵の横につけた説明のほうがよかった。作家本人なんだからもっと突っ込んだ話が聞けるのかと思ったのですが、やはり画家は絵で語る人なのでした。
公式サイトはこちら。
尾道に行ったとき、瀬戸田の平山郁夫美術館は訪れたのですが、あそこは場所柄「しまなみ百景」の絵が多くて、彼の真骨頂であるシルクロードや仏教系の絵は少ししか展示してありませんでした。
今回は画家としての人生の集大成的な展覧会ですので、これという作品をすべて出しています。絵葉書や画集では目にしたことがあったものも実物を見ると驚くほど違う。この人の絵は印刷では良さがまったくわかりませんね。日本画の手法でエキゾチックな対象を西洋的なタッチで描く、というのがこの人の特徴ですが、その日本画的な手法というのが写真に撮って印刷した時点で完全につぶれてしまう。まあ絵画というのは誰の作品でも多かれ少なかれそういうものですが。
砂漠の都市楼蘭の廃墟を描いた、ほとんど薄茶色の濃淡だけの絵があったのですが、これがぱっと見ると自分の目がどうかなってしまったのかと思うほどぼーっと焦点が合っていないように見える。が、近づいてよく見ると、ものすごく細かい筆づかいでくっきりと描いてある。それを全体として見ると、砂漠の蜃気楼のようにもや~っとぼやけて見えるんですよね。恐れ入りました。
いちばん気に入ったのはでもシルクロードではなくて、熊野路古道を描いた大きな絵。横長で高さが私の背より大きい。絵の前に立つとその中に吸い込まれて、しんとした杉林の中にいるような気分になります。(これ、どうやらふだんは早稲田大学の図書館にあるらしい)
残念ながら私がいいと思った絵はどれも絵葉書になっていませんでした。でも、逆にそれでよかったのかも。実物とかけ離れた印刷の絵葉書をもっていたって仕方がないですもんね。
ところで、音声ガイド(500円)は平山画伯自身によるものだというので借りたのですが、これはちょっと期待はずれ。美術館側が絵の横につけた説明のほうがよかった。作家本人なんだからもっと突っ込んだ話が聞けるのかと思ったのですが、やはり画家は絵で語る人なのでした。
公式サイトはこちら。
by timeturner
| 2007-09-08 00:17
| 美術
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