2007年 03月 01日
グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ |
「夏の区界」は「数値海岸」の一区画で南欧の港町を模した仮想リゾート。人間の「ゲスト」がなぜか訪れなくなって1000年たつ。住人であるAIたちは永遠に続く夏を過ごしていたが、ある日“蜘蛛”の大群が街と住人たちを無化しはじめた。生き残ったAIたちは鉱泉ホテルに集結し、必死の攻防戦に備える・・・。
ヴァーチャルリアリティをテーマにしたSFで、途中まではぐんぐん読み進んでいったんですが、この「夏の区界」がどういう目的で作られていたかが次第に明確になるにつれて、「うわあ、読まなきゃよかったかも」と思い始めてしまった。
『わたしを離さないで』と似たところがあるんだけど、あんなふうな静かな悲しみがひたひたと寄せてくるような雰囲気ではなくて、ここにあるのはタブー視されているものをあえて目の前につきつけて「ほら、えぐいだろう、おぞましいだろう」って言われてるような不快感。それが刺激的で話をピリッとさせてると考える読者が多いのでしょうが。
文体には雰囲気があるし、ストーリー展開も上手だから、好きな人にはたまらない魅力がある話なんだろうなと思います。でも私はもう続きは読まない。
グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ
作者:飛 浩隆
出版社:早川書房
ISBN:978-4150308612
ヴァーチャルリアリティをテーマにしたSFで、途中まではぐんぐん読み進んでいったんですが、この「夏の区界」がどういう目的で作られていたかが次第に明確になるにつれて、「うわあ、読まなきゃよかったかも」と思い始めてしまった。
『わたしを離さないで』と似たところがあるんだけど、あんなふうな静かな悲しみがひたひたと寄せてくるような雰囲気ではなくて、ここにあるのはタブー視されているものをあえて目の前につきつけて「ほら、えぐいだろう、おぞましいだろう」って言われてるような不快感。それが刺激的で話をピリッとさせてると考える読者が多いのでしょうが。
文体には雰囲気があるし、ストーリー展開も上手だから、好きな人にはたまらない魅力がある話なんだろうなと思います。でも私はもう続きは読まない。
グラン・ヴァカンス 廃園の天使Ⅰ
作者:飛 浩隆
出版社:早川書房
ISBN:978-4150308612
by timeturner
| 2007-03-01 21:24
| 和書
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