2006年 09月 09日
浮気な国王フェリペ四世の宮廷生活 |
17世紀のスペイン。黄金世紀末期をさらに末期的にした国王フェリペ四世の一生を素人にもわかりやすく解説した歴史書です。
当時宮廷のお抱え画家だったベラスケスが彼の肖像画を何枚も描いているので、下ぶくれで下顎が突き出たこの顔にはたいていの人が見覚えあるのでは? この下顎とぷっくりした唇はハプスブルク家の特徴なんだそうで、そう言われてみれば同じような顎と唇をした人たちの絵をあちこちで見かけますね。
オランダやポルトガルとの戦争、虎視眈々と隙を狙うフランスとの攻防など、考えなくてはならない問題が山積みの時代に政治はすべて寵臣に任せて狩猟と演劇、それに女遊びにうつつを抜かし、民衆を苦しめ、大国だったスペインを没落させたダメ国王。その一方で彼が芸術を愛したおかげで数多くのすぐれた芸術家が輩出された時代でもあります。
著者は歴史学者ではなくてスペイン古典文学が専攻だそうで、同じことの繰り返しが何度かあって垢抜けない面もありますが、とても読みやすく、歴史を楽しく学べます。
なぜこんなものを読んだかというとトロントで見る予定の「Alatriste」がこの時代のスペインを背景にした物語だから。歴史物の映画って時代背景を知らないと半分くらいしか理解できなかったりするからね。ましてやスペイン語の映画に英語字幕で見るわけですから。予習、予習(^^)。
でもねえ、3,400円(税抜き)というのは高すぎるぞ、岩波書店。私は図書館だからいいけどさ。
出版社:岩波書店
当時宮廷のお抱え画家だったベラスケスが彼の肖像画を何枚も描いているので、下ぶくれで下顎が突き出たこの顔にはたいていの人が見覚えあるのでは? この下顎とぷっくりした唇はハプスブルク家の特徴なんだそうで、そう言われてみれば同じような顎と唇をした人たちの絵をあちこちで見かけますね。
オランダやポルトガルとの戦争、虎視眈々と隙を狙うフランスとの攻防など、考えなくてはならない問題が山積みの時代に政治はすべて寵臣に任せて狩猟と演劇、それに女遊びにうつつを抜かし、民衆を苦しめ、大国だったスペインを没落させたダメ国王。その一方で彼が芸術を愛したおかげで数多くのすぐれた芸術家が輩出された時代でもあります。
著者は歴史学者ではなくてスペイン古典文学が専攻だそうで、同じことの繰り返しが何度かあって垢抜けない面もありますが、とても読みやすく、歴史を楽しく学べます。
なぜこんなものを読んだかというとトロントで見る予定の「Alatriste」がこの時代のスペインを背景にした物語だから。歴史物の映画って時代背景を知らないと半分くらいしか理解できなかったりするからね。ましてやスペイン語の映画に英語字幕で見るわけですから。予習、予習(^^)。
でもねえ、3,400円(税抜き)というのは高すぎるぞ、岩波書店。私は図書館だからいいけどさ。
浮気な国王フェリペ四世の宮廷生活
作者:佐竹 謙一出版社:岩波書店
by timeturner
| 2006-09-09 19:22
| 和書
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