2006年 07月 29日
七百年の薔薇 |
幼い頃に両親が離婚し母親に育てられてきた16歳のトランスは、ある日父親からの手紙を受け取った。それによるとトランスは十字軍の時代に遡る歴史をもつスプーア男爵家の第27代目にあたり、この男爵家では代々の当主が皆50歳になる前に発狂し自らの命を絶つという呪いがかけられているという。自らの運命が近づいているのを予感した父はトランスに莫大な財産のすべてを譲り、残された数ヶ月を一緒に暮らしてほしいと懇願してきたのだ。しぶしぶながらボストン郊外の岬にある広大な屋敷を訪れたトランスは、そこで想像を絶する体験をすることになる、
ヨーロッパ中世の城にふさわしいゴシック・ホラーがアメリカを舞台に?と、あらすじを読んだときにはちょっと疑わしく思ったんですが、かなりよく書けていました。歴史的な背景はあまり本格的ではないものの、呪いや怪奇現象を超能力という視点から構築しなおしたのが成功していると思う。
トランスの父マルコムとその忠実な従僕ピップ、トランスが転校した高校で作文を教える魅力的だが秘密を抱えた女性教師シーラ、その恋人でケンブリッジの超能力研究所で働くデュエイン。彼らの手記や口述テープ、PCのログなどが交互に出てきて、問題の核心が徐々に見えてくるという構成になっています。
上下2巻に分かれているのですが(原書は1冊完結みたい)、上巻は呪いの内容がどういうものなのかにひかれ、下巻は最終的な結末がどうなるのかにひかれて一気に読んでしまいました。作者はこれがデビュー作だそうで、最終的な説明づけがちょっと納得いかない部分もあるのですが、軽く読めて楽しめることは確かです。主人公のトランスが緑色の瞳をもつ美少年というのもポイント高し(^.^)。映画化権がすでに売れているそうですが、キャストはどうなるのかなあ。
七百年の薔薇〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)
七百年の薔薇〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)
原題:The Living One
作者:ルイス・ガネット
訳者:山田順子
出版社:早川書房
ヨーロッパ中世の城にふさわしいゴシック・ホラーがアメリカを舞台に?と、あらすじを読んだときにはちょっと疑わしく思ったんですが、かなりよく書けていました。歴史的な背景はあまり本格的ではないものの、呪いや怪奇現象を超能力という視点から構築しなおしたのが成功していると思う。
トランスの父マルコムとその忠実な従僕ピップ、トランスが転校した高校で作文を教える魅力的だが秘密を抱えた女性教師シーラ、その恋人でケンブリッジの超能力研究所で働くデュエイン。彼らの手記や口述テープ、PCのログなどが交互に出てきて、問題の核心が徐々に見えてくるという構成になっています。
上下2巻に分かれているのですが(原書は1冊完結みたい)、上巻は呪いの内容がどういうものなのかにひかれ、下巻は最終的な結末がどうなるのかにひかれて一気に読んでしまいました。作者はこれがデビュー作だそうで、最終的な説明づけがちょっと納得いかない部分もあるのですが、軽く読めて楽しめることは確かです。主人公のトランスが緑色の瞳をもつ美少年というのもポイント高し(^.^)。映画化権がすでに売れているそうですが、キャストはどうなるのかなあ。
七百年の薔薇〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)
七百年の薔薇〈下〉 (ハヤカワ文庫NV)
原題:The Living One
作者:ルイス・ガネット
訳者:山田順子
出版社:早川書房
by timeturner
| 2006-07-29 16:06
| 和書
|
Comments(0)