2006年 02月 20日
東京-ベルリン/ベルリン-東京展 |
ひさびさに会う友人夫婦と一緒に森美術館で行われている展覧会を見てきました。六本木ヒルズの中にあるこの美術館、初めて行ったのですが、案の定道に迷いました。あの入口ってわかりにくいと思いません?(私だけかな?)
展覧会の内容は「日本とドイツそれぞれの首都である2つの都市間で、19世紀末から繰り広げられてきた文化・芸術的交流の軌跡をたどる」というもの。絵画、写真、建築、デザイン、演劇など幅広いジャンルでの都市間の影響を見せていきます。企画としてはとてもいいと思うのだけれど、あまりにもジャンルを広げすぎたためにどれもみな物足りない内容になってしまった部分があるのは否めません。場所柄、通りすがりに見ていく人も多いため、あえて深く専門的にすることを避けたのかな、という気もしました。
ベルリンに興味を惹かれて行った私ですが、結果的には岸田劉生の描いた女性像(妻の絵)や、モガやモボが闊歩する1920年代の写真、今和次郎の路上観察画(大正時代のOLが住む6畳間の間取りなどすごく面白い)、大震災時の東京を描いた報道画など、日本のもののほうが時間をかけて見ていました。やはり知っているもののほうが興味がもてるのでしょうか。
けっこう細かいものも多かったので11のセクション全部を回り終える頃には2時間以上たっていて、お腹がぐうぐうしてきたので最後は駆け足になってしまいました。
ベルリンの街を若い男性が歩きながらガイドするのをカメラがずっと追いかけていくというリアルタイムのビデオを最後のほうで流していて、全部見ると8時間あるらしいのですが、これがものすごく面白かった。なにしろリアルタイムなので公園を横切っているときなどはガイドすることもあまりなく、男性はただ黙々と歩き、カメラはその背中をずっと写しているだけです。交通量の激しい道路を渡るときも何台も車をやりすごしてやっと渡り終えるまで3分くらいカメラも一緒に待っている(^_^;)。
ティアガルテンを抜けた先にあるユダヤ人犠牲者の記念モニュメントのところまで行ったのですが、これにまつわる話がすごく面白かった。戦争で亡くなったのはユダヤ人だけではないのに、そういうものを作るのはどうか、と議論になり、デザインの公募も一度では決まらずに2回ったのだそうです。最終的に採用されたデザイン(四角いコンクリートブロックが高さ違いで延々と並んでいる)に関しても、高さがあるので飛び降りて自殺する人が出るんじゃないかとかペンキの落書きがされやすいんじゃないかと懸念されたり、それじゃ落書きされてもすぐに落とせるよう薬品を塗ろうとしたら、その薬品を作っている会社のガスがユダヤ人収容所のガス室で使われていたことがわかってまた大騒ぎになったりとか。
こうした話を聞きながら一緒に8時間歩いたら、かなりのベルリン通になれそう。方向音痴の私でも土地勘がつきそうです。これ、DVDで発売されてないのかなあ。他の都市でもこういうのがあればいいのに。もう『地球の歩き方』なんか持ち歩かず、事前にこの手の映像ガイドを見ておいて、現地についたら地元民のようにさっさと歩けるというのが理想だなあ(^.^)。
5月7日(日)まで。その後6月にはベルリンの新国立美術館に巡回するそうです。
展覧会の内容は「日本とドイツそれぞれの首都である2つの都市間で、19世紀末から繰り広げられてきた文化・芸術的交流の軌跡をたどる」というもの。絵画、写真、建築、デザイン、演劇など幅広いジャンルでの都市間の影響を見せていきます。企画としてはとてもいいと思うのだけれど、あまりにもジャンルを広げすぎたためにどれもみな物足りない内容になってしまった部分があるのは否めません。場所柄、通りすがりに見ていく人も多いため、あえて深く専門的にすることを避けたのかな、という気もしました。
ベルリンに興味を惹かれて行った私ですが、結果的には岸田劉生の描いた女性像(妻の絵)や、モガやモボが闊歩する1920年代の写真、今和次郎の路上観察画(大正時代のOLが住む6畳間の間取りなどすごく面白い)、大震災時の東京を描いた報道画など、日本のもののほうが時間をかけて見ていました。やはり知っているもののほうが興味がもてるのでしょうか。
けっこう細かいものも多かったので11のセクション全部を回り終える頃には2時間以上たっていて、お腹がぐうぐうしてきたので最後は駆け足になってしまいました。
ベルリンの街を若い男性が歩きながらガイドするのをカメラがずっと追いかけていくというリアルタイムのビデオを最後のほうで流していて、全部見ると8時間あるらしいのですが、これがものすごく面白かった。なにしろリアルタイムなので公園を横切っているときなどはガイドすることもあまりなく、男性はただ黙々と歩き、カメラはその背中をずっと写しているだけです。交通量の激しい道路を渡るときも何台も車をやりすごしてやっと渡り終えるまで3分くらいカメラも一緒に待っている(^_^;)。
ティアガルテンを抜けた先にあるユダヤ人犠牲者の記念モニュメントのところまで行ったのですが、これにまつわる話がすごく面白かった。戦争で亡くなったのはユダヤ人だけではないのに、そういうものを作るのはどうか、と議論になり、デザインの公募も一度では決まらずに2回ったのだそうです。最終的に採用されたデザイン(四角いコンクリートブロックが高さ違いで延々と並んでいる)に関しても、高さがあるので飛び降りて自殺する人が出るんじゃないかとかペンキの落書きがされやすいんじゃないかと懸念されたり、それじゃ落書きされてもすぐに落とせるよう薬品を塗ろうとしたら、その薬品を作っている会社のガスがユダヤ人収容所のガス室で使われていたことがわかってまた大騒ぎになったりとか。
こうした話を聞きながら一緒に8時間歩いたら、かなりのベルリン通になれそう。方向音痴の私でも土地勘がつきそうです。これ、DVDで発売されてないのかなあ。他の都市でもこういうのがあればいいのに。もう『地球の歩き方』なんか持ち歩かず、事前にこの手の映像ガイドを見ておいて、現地についたら地元民のようにさっさと歩けるというのが理想だなあ(^.^)。
5月7日(日)まで。その後6月にはベルリンの新国立美術館に巡回するそうです。
by timeturner
| 2006-02-20 22:16
| 美術
|
Comments(2)
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by
たら
at 2006-02-21 14:28
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お疲れ様~。本当、少しよくばり企画だったと思う。ドイツ年の最後の企画とのふれこみで、もっと、ドイツ臭~~~って内容を期待しちゃってました。学生の頃勉強した、ダダとか、表現主義とかって、これだけかい?って感じで、遠い記憶の呼び覚ましにはなりましたが(^_^;)その域を出なかったなぁ。もっと安直だった、ドイツ・デザイン展。相方が言う通り、スポンサー様の展示をしたいが為の企画でしかなかったようで。メルセデスがあったらBMWもなくちゃだめでしょう!ってつっこみどころ満載でしたね(笑)
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by
shoh
at 2006-02-21 18:47
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BMW、貸してくれなかったのかも(^_^;)。
大体がドイツ年って何?って私だったので、あまり期待はなかったのですが、ドイツ人が見たらどう思ったでしょう。そういえば帰りのエレベーターにドイツ人家族が乗り合わせていましたが、それほどプンプンしてるふうではありませんでしたね(ドイツ語わからないけど雰囲気から)。
大体がドイツ年って何?って私だったので、あまり期待はなかったのですが、ドイツ人が見たらどう思ったでしょう。そういえば帰りのエレベーターにドイツ人家族が乗り合わせていましたが、それほどプンプンしてるふうではありませんでしたね(ドイツ語わからないけど雰囲気から)。