2020年 02月 25日
天才たちの日課 女性編 |
草間彌生、フリーダ・カーロ、ヴァージニア・ウルフ、ミランダ・ジュライ……。クリエイティブな女性143人の、日々の日課や毎日のスケジュール、創作に向けてのコンディションづくり、スランプからどうやって抜け出すかなどを紹介する。
目次を見て驚いたのが、知っている人が少ないこと。3分の2くらいは初めて見る名前でした。知っているのも作家がほとんど。私は音楽関係に疎いなあと再認識しました。
しっかし、みんな凄い。なんでそこまで?と思うような破滅人生を送る人が多いのは、才能がそうさせるのかなあ。恵まれた才能を生かして成功し、幸せな一生を全うした人なんてひとりもいないみたいよ。草間彌生さんなんて凄絶の一語。わたし、凡人でよかった。
「私はこれまでに多くの偉大なアーティストや知識人に会ってきたし、いわゆる成功した人々にも会ってきた。けれど幸せな人だといえる人にはひとりも会ったことがない。もちろん、自分は幸せだと見栄を張る人はいたけれど、少しでも洞察力があれば、その仮面の後ろに、同じような不安と苦しみが存在することがわかる」(イザドラ・ダンカン)男性も同じだと思うけど、曲者はアルコールとドラッグよね。それさえなければもう少しましな生活がおくれたんじゃないかと一瞬思ったけど、いやいや、なかったら気が狂うか体を壊して廃人になってただろうね。人間って生きるのが難しい生き物なんだ。
「私がほしいもの。それはエネルギー、エネルギー、エネルギー。心の気高さや平穏や知恵なんかどうでもいいのよ、ばかたれ!」(スーザン・ソンタグ)
ひとりに割かれているのが1~4ページなのと、「女性ならではの問題」に注目したことによって、似たようなことが書いてある印象を受けてしまいます。それぞれ個性も業績も違うんだけど、家庭をもった20世紀の女性が置かれた環境はほぼ同じだからね。
前編は読んでいないのですが、男性が多かったという作者の反省を見る限り、そうした男性たちが「いかに仕事と家庭を両立させたか」については触れられず、個々人の個性が前面に出た内容になってたんじゃないかな。
それにしても天才の食生活って理解不能なことがありますね。アンナ・パヴロワは舞台の合間には水にパン粉を混ぜたものを飲んで元気を回復させていたそうなんだけど、一体、パン粉にどんな栄養素が?! アメリカの彫刻家・写真家のピーター・コイン(Petah Coyne)は平日はいつもオートミールとフルーツの朝食、サラダの昼食、みそ汁の夕食だっていうんだけど、どうしてそれで生きていられるの?!
【誤植メモ】 p.78 1行目 そのおかげようやく⇒そのおかげでようやく p.340 5行目 ピンレッカ⇒レンピッカ
天才たちの日課 女性編 自由な彼女たちの必ずしも自由でない日常
原題:Daily Rituals:Women at Work
作者:メイソン・カリー
訳者:金原瑞人、石田文子
出版社:フィルムアート社
ISBN:4845916371
by timeturner
| 2020-02-25 19:00
| 和書
|
Comments(2)
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ppjunction at 2020-02-26 23:14
皆んな強烈な「冷え性」じゃないか?なあ〜。
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timeturner at 2020-02-27 09:55