2019年 07月 04日
Surfeit of Suspects |
11月の夜、小さな町エヴィンデンにある建具製作会社の事務所が爆破され、火事になって3人が死亡した。3人とも会社の重役で、重役会議中だった。爆発の原因はそこにあるはずもないダイナマイトだとわかった。故意の犯行として捜査されることになり、スコットランドヤードのリトルジョンとクロムウェルが出向く・・・。1964年刊行。
なんて思いながら読んでいたら、半分以上を過ぎたあたりから、あれよあれよという間に怪しい奴が増えていき、クロムウェルが証人から話を聞いてノートをとりながら「容疑者過剰」と匙を投げる場面まで出てきました。笑った。
お得意の銀行業務と、トンネル会社を使った詐欺を複雑に組み合わせてあるので、ビジネス関係に弱い私にはところどころ何がどうなっているのかわからない部分もありましたが、要は人間の欲が招いた犯罪ということだったみたい。
犯人の末路があっけなさすぎて気に入らないけど、ベレアーズは真相さえわかれば犯人への裁きはあまり気にしないタイプだとわかっているので、まあこんなものかなと思います。
今回は地元の警察はあまり関与せず、リトルジョンとクロムウェルのふたりが組んで捜査できたのがよかった。やっぱりこのシリーズは二人が一緒じゃないとなあ。
この作品は1964年の刊行ですが、それを考えると以下の記述に驚きます。
The lighting system deteriorated as the distance from the town hall increased and by the time it reached Green Lane, it was reduced to old gas lamps.1964年になってもまだ田舎のほうではガス灯を使ってたんだ!? 東京では見たことないなあ。東京オリンピックの年でしょう? あり得ない! イギリスって本当に物持ちがいい国ですね。使えるならわざわざ新しくなんてしない。
castor oil(ひまし油)の工場が繁盛しているという描写もあるんですが、これには時代的な特徴が反映されているのかなあ。ちょっと調べたけどわからなかったので、今後の課題。
Surfeit of Suspects
作者:George Bellairs
出版社:British Library Publishing
ISBN:Kindle版
by timeturner
| 2019-07-04 19:00
| 洋書
|
Comments(2)
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ppjunction at 2019-07-05 22:32
「ひまし油」って確か「赤毛のアン」シリーズの何処かにも出てきたと思うのですがー。あちらの方はよく湿布に使ったり、子供の健康の為に飲ませたり、結構万能薬で家庭常備薬的に使われてたみたいです。
昔、英国で下宿のお婆さんに胃腸薬飲むなら、と瓶のラベルが奇妙で古ぼけた「ひまし油」を勧められた事がありました。
恐ろしいし、実は胃炎ではなく便秘だったのでお断りしましたけど、便秘にも効果あり、らしいですよ。
昔、英国で下宿のお婆さんに胃腸薬飲むなら、と瓶のラベルが奇妙で古ぼけた「ひまし油」を勧められた事がありました。
恐ろしいし、実は胃炎ではなく便秘だったのでお断りしましたけど、便秘にも効果あり、らしいですよ。
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timeturner at 2019-07-06 18:01
> ppjunctionさん
そうなんですよね。ひまし油ってはるか昔から家庭の万能薬という位置づけだったので、なぜ、この時代(戦後20年)にいまさら繁栄するんだろうって思ったんです。
しかし、古い「ひまし油」ってめっちゃ怖いですね(^^;)。油ってつくくらいだから酸化したら体に毒なんじゃ? お断わりしてよかったです。
そうなんですよね。ひまし油ってはるか昔から家庭の万能薬という位置づけだったので、なぜ、この時代(戦後20年)にいまさら繁栄するんだろうって思ったんです。
しかし、古い「ひまし油」ってめっちゃ怖いですね(^^;)。油ってつくくらいだから酸化したら体に毒なんじゃ? お断わりしてよかったです。