2018年 12月 14日
古書店アゼリアの死体 |
勤め先は倒産、泊まったホテルは火事、怪しげな新興宗教に追いかけられ、と次から次へと不幸に見舞われた相沢真琴は、海に向かって「バカヤロー!」と叫ぶためにゴールデンウィーク後の人気のない海辺にやってきたが、不幸はまだ終わりではなく、海岸に打ち上げられた溺死体をみつけてしまった・・・。
それにしても、駒持警部補って『猫島ハウスの騒動』ではひどい猫アレルギーだったよね? なんで、平気な顔して猫のいる珈琲専門店「ブラジル」にいるわけ?と思ったら、こっちのほうが先に書かれてるのね。《葉崎市シリーズ》の書かれた順番は以下の通り。で猫アレルギーを発症するきっかけが『クール・キャンディ』に書かれているのだろうか? それとも『猫島ハウスの騒動』に書いてあったっけ?
ヴィラ・マグノリアの殺人(1999年6月)
古書店アゼリアの死体(2000年7月)
クール・キャンデー(2000年10月)
猫島ハウスの騒動(2006年7月)
プラスマイナスゼロ(2008年12月)
みんなのふこう(2010年11月
ポリス猫DCの事件簿(2011年1月)
幾重にも重なった謎を解いてゆく駒持警部補の推理はミステリーとして読み応えがありますが、私としてはそれよりも、アゼリアのやり手でマニアックな店主・前田紅子、やんちゃなジモティーたち、若い五木原巡査部長、不運を招く女・相沢真琴といったユニークなキャラクターたちが繰り広げるどたばた騒動に大笑いしました。最後にちょっとだけぞっとさせる加減も巧いね。
長谷川探偵事務所がちらっとだけ出てきたのもうれしかった。
古書店アゼリアの死体 (光文社文庫)
作者:若竹七海
出版社:光文社
ISBN:4334735460
by timeturner
| 2018-12-14 19:00
| 和書
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