2018年 12月 08日
ヴンダーカンマー ここは魅惑の博物館 |
中学2年生の多嶋、橋本、飯田、肥後、瀬川は、一日職場体験で博物館に行かされた。希望したからではなく、受け入れ先が足りなかったからだ。当日5人は、それぞれが魚類、哺乳類、鳥類、古脊椎、無生物という別々の場所に配属された・・・。
職場体験と聞くとデパートの店員や会社の事務などを思い浮かべ、あんまりやりたくないなあと思ってしまうけど、博物館や美術館だったら面白そう。でも、そう感じるのは私が大人だからかも。ベーシックな知識にも欠ける子供たちにとっては博物館に展示されているものって「へえ」と思うことはあっても「それで?」で終わっちゃうものでしかないのよね。いや、私でも、博物館の中で素通りするセクションはたくさんある。
文中に「小中学生の理科離れ」という言葉が出ていたけど、本当にそうなんだろうか? むしろ文化系離れじゃないのかと思っていたんだけど、今の子が興味をもつ理系というのはIT系の工学であって、生物や化学ではないのかな。
とはいえ「理科に興味をもちましょう」と単純に提言している本ではない。知識を得る楽しさやわくわく感、名前のついたひとりひとりの人間にはそれぞれ異なる性格や特徴があり、それは尊重されるべきだということ。説明が多くてお勉強くさいところはあるものの、真面目な意図で書かれていることは確か。
ヴンダーカンマー ここは魅惑の博物館
作者:樫崎 茜
イラスト:上路ナオ子
出版社:理論社
ISBN:4652202849
by timeturner
| 2018-12-08 19:00
| 和書
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