2018年 11月 04日
こうしてイギリスから熊がいなくなりました |

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民話のようでファンタジーのようで歴史ドキュメンタリーのよう。熊苛めやサーカスの熊たちはもちろんのこと、熊たちの苦しみの原因はいつだって自分勝手な人間たちで、それは実は搾取される人間と搾取する人間の関係でもあって、いつの時代にもあった話。
19世紀のロンドンで下水道の汚物をさらっていたのは下層民と呼ばれる人たちだったし、見世物として喜ばれたのは熊よりもエレファントマンのような畸形の人たちだった。
でもまあ、そんなふうに裏読みはせず、お話の世界にひたってぞっとしたりしんみりしたりして楽しむのが作者の望みかもしれない。
こうしてイギリスから熊がいなくなりました
原題:Bears of England
作者:ミック・ジャクソン
イラスト:デイヴィッド・ロバーツ
訳者:田内志文
出版社:東京創元社
ISBN:4488010822
by timeturner
| 2018-11-04 19:00
| 和書
|
Comments(2)
昨今は、下水道は英国水道大手会社のテムズ・ウォーターが人力で掃除してるって聞きましたけど、凄まじい汚物なんですってね。何でもかんでも流しちゃうから、あの国は。
キッチンのゴミも粉砕して流すのは今でもOKなのかな?
熊を動力に使うって、発想が凄いと言うか、酷と言うか〜。
まあ考えてみれば、犬や猫の歴史も大差ないのかも。
残酷になったり、愛玩になったりーー搾取する側の都合と、される側の歴史なんでしょうね。
知れば知るほど、英国って不思議でーー興味津々。
キッチンのゴミも粉砕して流すのは今でもOKなのかな?
熊を動力に使うって、発想が凄いと言うか、酷と言うか〜。
まあ考えてみれば、犬や猫の歴史も大差ないのかも。
残酷になったり、愛玩になったりーー搾取する側の都合と、される側の歴史なんでしょうね。
知れば知るほど、英国って不思議でーー興味津々。
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> ppjunctionさん
そういえば昔の英国では犬を台所の押し車の中に入れて焼き串を回させていましたね。今では動物愛護の国と言われていますが、過去には多くの動物いじめをしているから、ファンタジーといえどもリアルな感触のものが書けるのでしょう。
自分以外のすべての存在を、(可能ならば)自分の都合のいいように搾取するというのは、人間が本来的にもつ性向なのかな。だとしたら哀しい。
そういえば昔の英国では犬を台所の押し車の中に入れて焼き串を回させていましたね。今では動物愛護の国と言われていますが、過去には多くの動物いじめをしているから、ファンタジーといえどもリアルな感触のものが書けるのでしょう。
自分以外のすべての存在を、(可能ならば)自分の都合のいいように搾取するというのは、人間が本来的にもつ性向なのかな。だとしたら哀しい。