2018年 03月 24日
英国王室のアフタヌーンティー バッキンガム宮殿の季節のレシピ英国関連 |
バッキンガム宮殿で開催される、春のピクニック、夏のガーデンパーティー、秋のハイティー、冬のクリスマス・ティー、そしてそこで供されるティータイムメニューの数々。バッキンガム宮殿専属シェフのレシピから厳選したとっておきの40品。
宮殿の内部や庭の写真、さらには女王一家の食事風景などについてのコメントも見られるだろうと期待していたのですが、料理写真とレシピが中心のふつうの料理本に限りなく近くてがっかり。でも、謝辞を読むと色々大変だったんだろうなと想像できるので許します。
作り方と材料はふつうの料理本のような表記なので、日本の平民にも作ろうと思えば作れるのですが、材料に「卵(平飼い)」なんて書いてあるとギャフンとなりますね。放し飼いのニワトリの卵なんて、今の日本で手に入れられる人少ないよね。(日本では約98%がケージ飼いで、平飼いは2%だそう)
カナッペみたいな一品のためにブリオーシュから作りはじめるというのもちょっと……。女王様とそのゲストのためにお出しするならそこまでするでしょうけど。
まあでも、アフタヌーンティーという縛りがあるので宮廷晩餐会に出るような手のこんだものはありません。読者のことを考えて、手の届きやすいものを選んであります。
作ってみたいと思ったのは、ダークでスパイシーなキャロットケーキと、カルダモンとオレンジのショートブレッドかな。
ところで、撮影はすべて宮殿内で行われたのでしょうか(本文内にその点に関する記述はない)。重厚な家具や古色蒼然とした絵画が背景にあるので、そうだろうなとは思うのですが、「鏡板張りで暖炉のあるような部屋でこんなひびの入った板目のテーブルを使うか?」と疑問に思う場面もあり、ひょっとしたら現場のテーブルを使うと傷をつける恐れがある場合は撮影用のテーブルを持ち込んだのかも。あるいは、撮り直しがあった場合は宮殿ではなく、どこか似たような場所で間に合わせたかも。屋外で撮った写真にはそれっぽいものがけっこうあります。
Royal Kitchenのスタッフであるマーク・フラナガンとキャサリン・カスバートソンが著者になってはいますが、実際に彼らがここに載っている料理を作ったわけではないと思う。彼らが提供したレシピを見て厨房チームのシェフたち、あるいは外部の料理人が作ったものを撮ったのでしょう。
というのも、「グリル野菜のフォカッチャ」という料理が、どう見ても、レシピに書かれているのとは違う仕上がりになっているから。フォカッチャの概念がレシピを書いた人と実際に作った人とで違っちゃったみたいね。この本を読んで作ろうと思う人はご注意。
シェフの頭にあったのは、たぶん、こういうフォカッチャ。(これは半分に切ってあるものだけど実際はホールを使う)
【誤植メモ】 p.52 キャプション部分 焼いたその日のうちにに、⇒焼いたその日のうちに
英国王室のアフタヌーンティー: バッキンガム宮殿の季節のレシピ
原題:Royal Teas
作者:マーク・フラナガン、キャサリン・カスバートソン
訳者:忠平美幸
出版社:河出書房新社
ISBN:4309286690
宮殿の内部や庭の写真、さらには女王一家の食事風景などについてのコメントも見られるだろうと期待していたのですが、料理写真とレシピが中心のふつうの料理本に限りなく近くてがっかり。でも、謝辞を読むと色々大変だったんだろうなと想像できるので許します。
作り方と材料はふつうの料理本のような表記なので、日本の平民にも作ろうと思えば作れるのですが、材料に「卵(平飼い)」なんて書いてあるとギャフンとなりますね。放し飼いのニワトリの卵なんて、今の日本で手に入れられる人少ないよね。(日本では約98%がケージ飼いで、平飼いは2%だそう)
カナッペみたいな一品のためにブリオーシュから作りはじめるというのもちょっと……。女王様とそのゲストのためにお出しするならそこまでするでしょうけど。
まあでも、アフタヌーンティーという縛りがあるので宮廷晩餐会に出るような手のこんだものはありません。読者のことを考えて、手の届きやすいものを選んであります。
作ってみたいと思ったのは、ダークでスパイシーなキャロットケーキと、カルダモンとオレンジのショートブレッドかな。
ところで、撮影はすべて宮殿内で行われたのでしょうか(本文内にその点に関する記述はない)。重厚な家具や古色蒼然とした絵画が背景にあるので、そうだろうなとは思うのですが、「鏡板張りで暖炉のあるような部屋でこんなひびの入った板目のテーブルを使うか?」と疑問に思う場面もあり、ひょっとしたら現場のテーブルを使うと傷をつける恐れがある場合は撮影用のテーブルを持ち込んだのかも。あるいは、撮り直しがあった場合は宮殿ではなく、どこか似たような場所で間に合わせたかも。屋外で撮った写真にはそれっぽいものがけっこうあります。
Royal Kitchenのスタッフであるマーク・フラナガンとキャサリン・カスバートソンが著者になってはいますが、実際に彼らがここに載っている料理を作ったわけではないと思う。彼らが提供したレシピを見て厨房チームのシェフたち、あるいは外部の料理人が作ったものを撮ったのでしょう。
というのも、「グリル野菜のフォカッチャ」という料理が、どう見ても、レシピに書かれているのとは違う仕上がりになっているから。フォカッチャの概念がレシピを書いた人と実際に作った人とで違っちゃったみたいね。この本を読んで作ろうと思う人はご注意。
シェフの頭にあったのは、たぶん、こういうフォカッチャ。(これは半分に切ってあるものだけど実際はホールを使う)
英国王室のアフタヌーンティー: バッキンガム宮殿の季節のレシピ
原題:Royal Teas
作者:マーク・フラナガン、キャサリン・カスバートソン
訳者:忠平美幸
出版社:河出書房新社
ISBN:4309286690
by timeturner
| 2018-03-24 19:00
| 和書
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