口ひげが世界をすくう?! |
大切な人を亡くした人に寄りそう方法を子供ながらに考えるヨーヨーがけなげです。といってもタイトルからわかるとおりお涙頂戴ではなく、ひげ大会までの努力の日々をユーモラスに描いています。
低学年向きということもあって、イラストが挿絵というより絵本と呼べるほど大きく、たくさん入っていて、これがまたとても味のある楽しい絵。日本の小学一年生には思い描くことのできないドイツの町並みや家庭が細かく描かれているので、脳内海外旅行もできちゃいます。おじいちゃんのひげがどんなふうになるかを絵の中でもずっと隠してあるのでわくわくします。
ふつうだったらひげ大会がクライマックスになって終わると思うのですが、ここではその後の騒ぎにまでふれているのもいいと思った。いかにもありそうでリアル。
見返しには古今東西のユニークなひげの人たち(実在・架空)の絵がのっていて、どれが誰かあてるのも楽しいです(わからない人がいるのがくやしい)。
口ひげが世界をすくう?!
原題:Ein Schnurrbart Erobert die Welt
作者:ザラ・ミヒャエラ・オルロフスキー
イラスト:ミヒャエル・ローハー
訳者:若松宣子
出版社:岩波書店
ISBN:4001160137