猫だましい |
河合先生が言う「たましい」がどんなものなのか、説明を読んでもわかるようでわからないのですが、実際、「たましい」というのはそういう存在なのかもしれない。
この本を読んでいるうちに、人間は「たましい」なしで生きることもできるけれど、幸せにはなれないということもわかってきます。
なぜ猫なのか
牡猫ムル
長靴をはいた猫
空飛び猫
日本昔話のなかの猫
宮沢賢治の猫
怪猫――鍋島猫騒動
100万回生きたねこ
神猫の再臨
とろかし猫
少女マンガの猫
牝猫
『長靴をはいた猫』の分析はいかにも河合隼雄っぽくて面白かった。猫に長靴までならいいけど、服を着せたり手袋をはめたりまでしてはいけないというのもなるほどなあという感じ。
絵本のように話自体が短いものは仕方がないんだけど、先生、ちょっとあらすじを語り過ぎでは?というのもあります。基本的にはこれを読んで原作を読んでほしいという趣旨で書かれているはずなのに、すっかり読んだ気になっちゃう人もいるのでは? 「神猫の再臨」で紹介される『トマシーナ』なんて特にね。それとも、読んだことがあるから書かれていないことまで思い出してるだけで、未読の人はそうじゃないのかな。
ワグナーの『まっくろけの まよなかネコよ おはいり』は読まなくては。
猫だましい (新潮文庫)
作者:河合隼雄
出版社:新潮社
ISBN:4101252262