2017年 12月 18日
クリスマスの短編 |
孫娘のために1日かけてワシントンまで歩こうとする祖父と、厄介者の伯母をクリスマスに招くため幼い息子と赤ん坊を連れてワシントンから車でやってきた母親の邂逅、ひとりきりのクリスマスを過ごすよりもと行き場のない姉弟を施設から招いた老人の困惑、長い間行方不明の息子を探してクリスマス・イブのワシントンをさまよう父親・・・。クリスマスを描いた6つの短編集。
ああ、これはもう、まさにクリスマス向きの短編集。
愛と平和に満ちて過ごすべきクリスマスも、神ならぬ人の世界ではなかなか心静かに過ごせるものではない。ここに収められた6編では、誰もが心の中に「あれでよかったのか」「このままではいけない」という後悔や不安を抱いている。
でも、ほんのちょっとしたきっかけで物の見方がコインの表と裏のようにひっくり返ると、そこには本物のクリスマス・スピリットが輝く、そんな喜びを最後に味わわせてくれる。
作者は若い頃にキリスト教教育のために日本に滞在したこともある牧師夫人だそうで、なるほど確かにキリスト教精神いっぱいの話ばかりだった。でも、いやな感じの宗教臭はないのでご安心を。
こわがってはいけない
お誕生日、おめでとう
喜びのおとずれ
マギーの贈り物
天よりくだりて
星をしるべに
こういう作風の作家いたっけなあと考えてみて、そうだ、ロザムンド・ピルチャーだと思い出した。そういえば訳者も同じですね。というか、中村妙子さん好みの作家ということなのか。メイヴ・ビンチーの『クリスマスの食卓』にも近い雰囲気があるけれど、あっちはもう少し辛辣だった。
調べてみたら、キャサリン・パターソンって「テラビシアにかける橋」や『ガラスの家族』の作者じゃないか。ぜんぜん名前を覚えてなかったわ。
【誤植メモ】 p.117 最終行 そこえとつぜん⇒そこへとつぜん
クリスマスの短編
原題:Angels & Other Strangersの抄訳
作者:キャサリン・パターソン
訳者:中村妙子
出版社:すぐ書房
ISBN:4880682675
ああ、これはもう、まさにクリスマス向きの短編集。
愛と平和に満ちて過ごすべきクリスマスも、神ならぬ人の世界ではなかなか心静かに過ごせるものではない。ここに収められた6編では、誰もが心の中に「あれでよかったのか」「このままではいけない」という後悔や不安を抱いている。
でも、ほんのちょっとしたきっかけで物の見方がコインの表と裏のようにひっくり返ると、そこには本物のクリスマス・スピリットが輝く、そんな喜びを最後に味わわせてくれる。
作者は若い頃にキリスト教教育のために日本に滞在したこともある牧師夫人だそうで、なるほど確かにキリスト教精神いっぱいの話ばかりだった。でも、いやな感じの宗教臭はないのでご安心を。
こわがってはいけない
お誕生日、おめでとう
喜びのおとずれ
マギーの贈り物
天よりくだりて
星をしるべに
こういう作風の作家いたっけなあと考えてみて、そうだ、ロザムンド・ピルチャーだと思い出した。そういえば訳者も同じですね。というか、中村妙子さん好みの作家ということなのか。メイヴ・ビンチーの『クリスマスの食卓』にも近い雰囲気があるけれど、あっちはもう少し辛辣だった。
調べてみたら、キャサリン・パターソンって「テラビシアにかける橋」や『ガラスの家族』の作者じゃないか。ぜんぜん名前を覚えてなかったわ。
【誤植メモ】 p.117 最終行 そこえとつぜん⇒そこへとつぜん
クリスマスの短編
原題:Angels & Other Strangersの抄訳
作者:キャサリン・パターソン
訳者:中村妙子
出版社:すぐ書房
ISBN:4880682675
by timeturner
| 2017-12-18 19:00
| 和書
|
Comments(0)