2017年 11月 02日
陰陽師 夜光杯ノ巻 |
博雅のもとを異国風の美女が夜な夜な訪れる。何か言おうとするのだが声はせず、哀しい眼で見つめるだけで消えてしまう。相談を受けた晴明は、帝より博雅が賜ったという琵琶に興味を示した・・・。全9編収録。
『陰陽師』に続く2作目ではなくて、たぶん10作目だと思うのですが、どの巻から読んでも大丈夫と大矢さんが書いていたので、手近にあるものを読んでみました。
毎回同じような展開、同じような話なのに、どうしてこんなに楽しく読めるのか。それこそが妖しかもしれないと思ったりして。
物語の始まりはいつも、濡れ縁に敷いた簀子の上で庭を眺めながら酒を飲む博雅と清明の描写。変わるものと言えば、四季に応じて変化する庭の植物と雨や雪といった天候の変化だけ。それだって、毎巻繰り返されるわけだから、そうそう変化はつけられないはずなのに、どうして飽きずに読めるんだろうなあ。
というか、むしろその繰り返しが心地よいんでしょうね。「ゆこう」「ゆこう」が出てくると思わず口元がゆるんじゃうもんね。「出たーっ!」って感じ。
月琴姫
花占の女
龍神祭
月突法師
無呪
蚓喰法師
食客下郎
魔鬼物小僧
浄蔵恋始末
今回はそれぞれの妖しにも変化があり、ユーモラスなもの(食客下郎)、切ないもの(魔鬼物小僧)、しんみりさせるもの(浄蔵恋始末)などバラエティに富んでいました。博雅と清明をいちゃいちゃさせて、その系統のファンを喜ばせる趣向も織り込まれています。あ、でも、ホラー風味の作品は少なかったかな。「花占の女」だけだった。
陰陽師―夜光杯ノ巻 (文春文庫)
作者:夢枕 獏
出版社:文藝春秋
ISBN:4167528207
『陰陽師』に続く2作目ではなくて、たぶん10作目だと思うのですが、どの巻から読んでも大丈夫と大矢さんが書いていたので、手近にあるものを読んでみました。
毎回同じような展開、同じような話なのに、どうしてこんなに楽しく読めるのか。それこそが妖しかもしれないと思ったりして。
物語の始まりはいつも、濡れ縁に敷いた簀子の上で庭を眺めながら酒を飲む博雅と清明の描写。変わるものと言えば、四季に応じて変化する庭の植物と雨や雪といった天候の変化だけ。それだって、毎巻繰り返されるわけだから、そうそう変化はつけられないはずなのに、どうして飽きずに読めるんだろうなあ。
というか、むしろその繰り返しが心地よいんでしょうね。「ゆこう」「ゆこう」が出てくると思わず口元がゆるんじゃうもんね。「出たーっ!」って感じ。
月琴姫
花占の女
龍神祭
月突法師
無呪
蚓喰法師
食客下郎
魔鬼物小僧
浄蔵恋始末
今回はそれぞれの妖しにも変化があり、ユーモラスなもの(食客下郎)、切ないもの(魔鬼物小僧)、しんみりさせるもの(浄蔵恋始末)などバラエティに富んでいました。博雅と清明をいちゃいちゃさせて、その系統のファンを喜ばせる趣向も織り込まれています。あ、でも、ホラー風味の作品は少なかったかな。「花占の女」だけだった。
陰陽師―夜光杯ノ巻 (文春文庫)
作者:夢枕 獏
出版社:文藝春秋
ISBN:4167528207
by timeturner
| 2017-11-02 19:00
| 和書
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