2017年 07月 19日
モアナと伝説の海 |
伝説が息づく南海の楽園、モトゥヌイ島。好奇心の強い少女モアナは、幼いころから海と特別な絆で結ばれ、サンゴ礁を越えて外洋に出てみたいとずっと願っていた。だが、村長である父は、安全で平和な島から出てはいけないと言う。そんなある日、島で不穏な出来事が起こり始める。かつて半神半人のマウイが命の女神テ・フィティの「心」を盗んだために暗黒の闇が生まれ、それがモトゥヌイ島にも迫ってきたのだ。モアナは祖母タラに励まされ、マウイを見つけ、テ・フィティに「心」を返させるために大海原へと向かう・・・。
ディズニーは「アナと雪の女王」の大ヒットからずっと、勇敢で独立心のある女の子を主人公にした映画を作り続けていますね。時代がそれを求めているのでしょうが、そのわりには世の中が変わらないのは不思議です。
登場するモトゥヌイの島人たちやマウイは、ポリネシア人(ニュージーランド、トンガ、サモア、ツバル、ハワイなどポリネシア地域に住む人々)を想定しているんだろうなと思います。男女ともに刺青を入れているところを見ると、サモア人がいちばん近いのかも。「サモア人」で画像検索すると、タラおばあちゃんやマウイみたいな人たちがたくさん出てきます。
見始めの頃は、どうしてわざわざマウイを探して、彼に「心」を返させなくてはならないのか、よくわかりませんでした。モアナが持ってるんだから、モアナが返しにいけばいいじゃないかと思った。
モアナひとりの力では目的地まで行きつけないからマウイと組ませる必要があるのだけれど、自立した女の子であるモアナに「強い男の助け」を求めさせたくなかったんでしょうね。マウイを、ハンサムでかっこいいヒーローではなく、欠点の多いコミカルなタイプにしたのもそのためかな。それにしても、もうちょっとうまく説明する方法はあったと思うのだけれど。
この映画の楽しいところは脇キャラがこちらの予想を大いに裏切るところ。それなりに賢い子豚のプアがお供になるのだろうと思っていると、お馬鹿でなんの役にも立ちそうにないニワトリのヘイヘイがくっついていきます。こいつがことあるごとに失敗をして笑わせてくれます。
また、世にも恐ろしい海賊が出てきて息をのむはずのところで、現れるのはやたら可愛いココナッツ人形たち。笑ってしまったけど、あの吹き矢は怖いよね。
そういうちょっとこちらを脱力させるようなギャグが巧いと思いました。「世界を救う」とか「人類のために」とかご大層なお題目を出してくるとめんどくさく感じちゃうから、こういう力の抜き方は必要だと思います。
大海原で船を操る場面には大人でも本気で見入ってしまう躍動感と魅力がありました。これがこの映画のいちばんの魅力かな。暑い夏に見るには最適。
ただ、最後に新しい島をみつけようと島人たちが船団を組んで海に出るシーンには、大航海時代のヨーロッパ人を思い出してしまい、そこから植民地主義へと心が飛んで、あまりいい気持ちはしなかった。だから、登場人物たちを白人ではなくポリネシア系にしたのかも。まあ、そんなよけいなことは考えずに素直に楽しめばいいんですけどね。
モアナ役の女優さんは新人だそうですが、何千人ものオーディションで選ばれただけあって歌はすごく巧い。ドウェイン・ジョンソンの歌はまあまあですが、声があの刺青男マウイにぴったり。吹替えはちょっとだけ聞いてみましたが、あのマウイの声は若者すぎて、絵とまるであってなかった。
公式サイトはこちら。
原題:Moana(2016)
上映時間:107 分
製作国:アメリカ
監督:ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ
声の出演:アウリイ・クラヴァーリョ、ドウェイン・ジョンソン、レイチェル・ハウス、ジェマイン・クレメント、テムエラ・モリソン、ニコール・シャージンガー、アラン・テュディックほか。
ディズニーは「アナと雪の女王」の大ヒットからずっと、勇敢で独立心のある女の子を主人公にした映画を作り続けていますね。時代がそれを求めているのでしょうが、そのわりには世の中が変わらないのは不思議です。
登場するモトゥヌイの島人たちやマウイは、ポリネシア人(ニュージーランド、トンガ、サモア、ツバル、ハワイなどポリネシア地域に住む人々)を想定しているんだろうなと思います。男女ともに刺青を入れているところを見ると、サモア人がいちばん近いのかも。「サモア人」で画像検索すると、タラおばあちゃんやマウイみたいな人たちがたくさん出てきます。
見始めの頃は、どうしてわざわざマウイを探して、彼に「心」を返させなくてはならないのか、よくわかりませんでした。モアナが持ってるんだから、モアナが返しにいけばいいじゃないかと思った。
モアナひとりの力では目的地まで行きつけないからマウイと組ませる必要があるのだけれど、自立した女の子であるモアナに「強い男の助け」を求めさせたくなかったんでしょうね。マウイを、ハンサムでかっこいいヒーローではなく、欠点の多いコミカルなタイプにしたのもそのためかな。それにしても、もうちょっとうまく説明する方法はあったと思うのだけれど。
この映画の楽しいところは脇キャラがこちらの予想を大いに裏切るところ。それなりに賢い子豚のプアがお供になるのだろうと思っていると、お馬鹿でなんの役にも立ちそうにないニワトリのヘイヘイがくっついていきます。こいつがことあるごとに失敗をして笑わせてくれます。
また、世にも恐ろしい海賊が出てきて息をのむはずのところで、現れるのはやたら可愛いココナッツ人形たち。笑ってしまったけど、あの吹き矢は怖いよね。
そういうちょっとこちらを脱力させるようなギャグが巧いと思いました。「世界を救う」とか「人類のために」とかご大層なお題目を出してくるとめんどくさく感じちゃうから、こういう力の抜き方は必要だと思います。
大海原で船を操る場面には大人でも本気で見入ってしまう躍動感と魅力がありました。これがこの映画のいちばんの魅力かな。暑い夏に見るには最適。
ただ、最後に新しい島をみつけようと島人たちが船団を組んで海に出るシーンには、大航海時代のヨーロッパ人を思い出してしまい、そこから植民地主義へと心が飛んで、あまりいい気持ちはしなかった。だから、登場人物たちを白人ではなくポリネシア系にしたのかも。まあ、そんなよけいなことは考えずに素直に楽しめばいいんですけどね。
モアナ役の女優さんは新人だそうですが、何千人ものオーディションで選ばれただけあって歌はすごく巧い。ドウェイン・ジョンソンの歌はまあまあですが、声があの刺青男マウイにぴったり。吹替えはちょっとだけ聞いてみましたが、あのマウイの声は若者すぎて、絵とまるであってなかった。
公式サイトはこちら。
原題:Moana(2016)
上映時間:107 分
製作国:アメリカ
監督:ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ
声の出演:アウリイ・クラヴァーリョ、ドウェイン・ジョンソン、レイチェル・ハウス、ジェマイン・クレメント、テムエラ・モリソン、ニコール・シャージンガー、アラン・テュディックほか。
by timeturner
| 2017-07-19 19:00
| 映画
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