2017年 06月 13日
四十九日のレシピ |

へえ、初めて読む作家でしたが、ほんのりユーモラスで、ほんのりオセンチで、とてもバランスよくまとまっています。ファンタジー風にまとめたところも好きだな。そうしないとあまりにも嘘くさく見えちゃう。
あらすじを読んだときには『妻が椎茸だったころ』みたいな感じかなあと思ったのですが、似てるけどちょっと違う。あっちは短編でこっちは長編ということもあるけど、材料が多めで盛り上げる要素もたっぷりです。
広い世界の片隅のほんとに小さな出来事で一喜一憂する人々を虫眼鏡で見ながら書いたような内容ではあるけれど、そんなちっぽけな存在でも愛する人をいたわり、励まし、前に進もうとする姿にじーんときます。
それにしても、乙美さんのレシピ集、いいなあ。私もこんなのがあればもう少し家事をする気になるかもしれない(と相変わらず人頼み)。
四十九日のレシピ (ポプラ文庫)
作者:伊吹有喜
出版社:ポプラ社
ISBN:459112665X
by timeturner
| 2017-06-13 19:00
| 和書
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