2017年 02月 21日
第五インターナショナル |
1893年グルジア生まれの詩人が三年ごし、全八部の構想で書き始めたものの、冒頭二部で終わった長編詩の翻訳です。詩といっても散文詩なので、改行の多い短編を読んでるような気分で読め、翻訳もとても読みやすく、ユーモラスです。
とはいえ、革命を熱狂的に支持した20世紀初頭の詩人が当時の世界を寓意たっぷりに描き、未来を夢見た内容なので、その頃ソ連で、ヨーロッパで、世界で何が起こっていたかを把握していないととっつけない。世界史に弱い私は「これはあのことかなあ」なんてぼんやり思いながら読んでいたので、おそらく理解度は30%くらいだと思う。
どうやら、ソ連の社会主義革命が地球のすべてを掌握していくさまを21世紀の終わりまで書くつもりだったようで、SF的な面白さもあります。今だったらコンピュータであるはずのものがラジオだったりするのが面白い。が、残念ながら途中で終わっています。最後の3行はこんな感じ。
社会主義革命を手放しで礼賛しているあたりは、現代人には同意できない面が多いのですが、長く続いたツァーの時代に虐げられてきた農民・労働者にとっては社会主義革命は虹色の夢だったのですよね。マヤコフスキーの本音は、こんなところに表れているかなと思いました。
第五インターナショナル (マヤコフスキー叢書)
原題:Пятый интернационал
作者:ヴラジーミル・マヤコフスキー
訳者:小笠原豊樹
出版社:土曜社
ISBN:4907511299
とはいえ、革命を熱狂的に支持した20世紀初頭の詩人が当時の世界を寓意たっぷりに描き、未来を夢見た内容なので、その頃ソ連で、ヨーロッパで、世界で何が起こっていたかを把握していないととっつけない。世界史に弱い私は「これはあのことかなあ」なんてぼんやり思いながら読んでいたので、おそらく理解度は30%くらいだと思う。
どうやら、ソ連の社会主義革命が地球のすべてを掌握していくさまを21世紀の終わりまで書くつもりだったようで、SF的な面白さもあります。今だったらコンピュータであるはずのものがラジオだったりするのが面白い。が、残念ながら途中で終わっています。最後の3行はこんな感じ。
いちばん面白い所は、もちろん、このあとだ。二十一世紀の終りに起こった出来事を、正確には恐らくご存じないと思う。ところが私はよく知っている。では、つづく第三部で、そのことを書きましょう。もうっ! これからが面白そうなのに!
社会主義革命を手放しで礼賛しているあたりは、現代人には同意できない面が多いのですが、長く続いたツァーの時代に虐げられてきた農民・労働者にとっては社会主義革命は虹色の夢だったのですよね。マヤコフスキーの本音は、こんなところに表れているかなと思いました。
ぼくは革命を目撃し、
戦争を目撃した。
だから
飢えた人間なんてうんざりだ。
一度でいいから
快活に、安楽に、
静かに生きている人間を
この目で見たい。
第五インターナショナル (マヤコフスキー叢書)
原題:Пятый интернационал
作者:ヴラジーミル・マヤコフスキー
訳者:小笠原豊樹
出版社:土曜社
ISBN:4907511299
by timeturner
| 2017-02-21 19:00
| 和書
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