2016年 12月 10日
依頼人は死んだ |
葉村晶は身内がらみの問題から仕事もやめ、ひきこもっていたが、かつての勤め先から声をかけられ、契約探偵として調査の仕事を再開する。次から次へと命を狙われる売れっ子エッセイストを護衛する仕事をする中で葉村は首にあざのある奇妙な男と遭遇した・・・。
え~~~っ?! なにこれ、びっくり。『悪いうさぎ』は女性が主人公とは思えないほど暴力描写の多いハードな内容ではあったけれど、ふつうのハードボイルドの範囲におさまる小説でした。でも、これは一体……オカルト?
なんとなくディクスン・カーの『火刑法廷』を思い出したと言えばどういう雰囲気なのかわかってもらえるでしょうか。内容的には違うんですが、あのミステリーなのかオカルトなのかわからないモヤモヤ感はそっくり同じ。
葉村晶シリーズは『プレゼント』『依頼人は死んだ』『悪いうさぎ』『さよならの手口』『静かな炎天』の順に刊行されているので、遡って読んでいる私が悪いのかもしれませんが、この本の最後から『悪いうさぎ』につながるというのもいまいちよくわからない。
冬の物語 濃紺の悪魔
春の物語 詩人の死
夏の物語 たぶん、暑かったから
秋の物語 鉄格子の女
ふたたび冬の物語 アヴェ・マリア
ふたたび春の物語 依頼人は死んだ
ふたたび夏の物語 女探偵の夏休み
ふたたび秋の物語 わたしの調査に手加減はない
三度目の冬の物語 都合のいい地獄
各章はそれぞれ別々の事件ですが、番外編的な「女探偵の夏休み」を除いてそれぞれの事件がゆるやかにつながった(最後の最後にゆるやかどころじゃないかとがわかりますが)連作短編集になっています。
葉村晶は『悪いうさぎ』同様、タフでクールでかっこいいんだけど、なんかどの事件もいまいちすっきりしない後味を残す。全体に影を落としている濃紺の男の存在のせいかもしれないけれど、各短編がミステリーとしてきっちり書けてないからのような気もする。一気に書いたものではなく、一編ずつ雑誌に連載していたものをまとめたという事情もあるのだろうけど。この作家、長編のほうが向いてるんじゃないかなあ。
とりあえず葉村晶シリーズの一作目『プレゼント』は読んでみなきゃなりませんね。そこから派生しているかのように書かれている部分があるので。(後づけかもしれないという気もするけど)
依頼人は死んだ (文春文庫)
作者:若竹七海
出版社:文藝春秋
ISBN:Kindle版
え~~~っ?! なにこれ、びっくり。『悪いうさぎ』は女性が主人公とは思えないほど暴力描写の多いハードな内容ではあったけれど、ふつうのハードボイルドの範囲におさまる小説でした。でも、これは一体……オカルト?
なんとなくディクスン・カーの『火刑法廷』を思い出したと言えばどういう雰囲気なのかわかってもらえるでしょうか。内容的には違うんですが、あのミステリーなのかオカルトなのかわからないモヤモヤ感はそっくり同じ。
葉村晶シリーズは『プレゼント』『依頼人は死んだ』『悪いうさぎ』『さよならの手口』『静かな炎天』の順に刊行されているので、遡って読んでいる私が悪いのかもしれませんが、この本の最後から『悪いうさぎ』につながるというのもいまいちよくわからない。
冬の物語 濃紺の悪魔
春の物語 詩人の死
夏の物語 たぶん、暑かったから
秋の物語 鉄格子の女
ふたたび冬の物語 アヴェ・マリア
ふたたび春の物語 依頼人は死んだ
ふたたび夏の物語 女探偵の夏休み
ふたたび秋の物語 わたしの調査に手加減はない
三度目の冬の物語 都合のいい地獄
各章はそれぞれ別々の事件ですが、番外編的な「女探偵の夏休み」を除いてそれぞれの事件がゆるやかにつながった(最後の最後にゆるやかどころじゃないかとがわかりますが)連作短編集になっています。
葉村晶は『悪いうさぎ』同様、タフでクールでかっこいいんだけど、なんかどの事件もいまいちすっきりしない後味を残す。全体に影を落としている濃紺の男の存在のせいかもしれないけれど、各短編がミステリーとしてきっちり書けてないからのような気もする。一気に書いたものではなく、一編ずつ雑誌に連載していたものをまとめたという事情もあるのだろうけど。この作家、長編のほうが向いてるんじゃないかなあ。
とりあえず葉村晶シリーズの一作目『プレゼント』は読んでみなきゃなりませんね。そこから派生しているかのように書かれている部分があるので。(後づけかもしれないという気もするけど)
依頼人は死んだ (文春文庫)
作者:若竹七海
出版社:文藝春秋
ISBN:Kindle版
by timeturner
| 2016-12-10 19:00
| 和書
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