2016年 09月 29日
シカゴより好きな町 |
1937年の9月。不況で父親が失業し、一間きりのアパートに暮らすしかなくなった一家の娘メアリ・アリスは、田舎のおばあちゃんの家に預けられることになった。大都会シカゴから小さな田舎町へ。しかも危険なまでに豪胆なことで悪名高い祖母との暮らしは、予想通り波乱万丈だった・・・。ニューベリー賞受賞作。
『シカゴよりこわい町』では兄のジョーイが9歳、妹のメアリ・アリスが7歳で、話はジョーイ視点で描かれていました。続編にあたるこの本はあれから8年たっていて、ジョーイはもう家を出て仕事をしており、メアリ・アリスも15歳の高校生になっている。幼い頃に祖母に感じた恐怖は相変わらずだけど、表面には出さない祖母の気持ちにもちゃんと気づけるようになっていて、年齢の離れた女同士の友情物語のようにも読めます。
とはいっても、相変わらず何をしでかすかわからないとんでも婆さんではあるんですけどね。次から次へとよくもまあこれだけ悪知恵が働くようなあと溜息が出るような悪婆ぶり。悪童たちでさえお婆ちゃんには手が出ません。いいなあ、私もこんなふうに生きたいなあと思うけど、そのためには体力も気力も必要だから無理ですね。
それにしても、大恐慌から8年たっているのにまだ不況?と思ってしまいましたが、これはニューディール政策の途中経過に現れたルーズベルト不況と呼ばれる時期だったようです。
おばあちゃんが暮らす田舎町なら畑で野菜を作れるし、森で鳥撃ちもできるだろうから食べ物には不自由しないんじゃないかと思いますが、これを読む限りどこでも事情は変わらないらしい。食べる物が出ると聞いただけで町中の人たちが集まってきて列を作るなんてシーンが出てきて、「あの豊かなアメリカが?」と驚いてしまいました。
シカゴより好きな町
原題:A Year Down Yonder
作者:リチャード・ペック
訳者:斎藤倫子
出版社:東京創元社
ISBN:4488013198
『シカゴよりこわい町』では兄のジョーイが9歳、妹のメアリ・アリスが7歳で、話はジョーイ視点で描かれていました。続編にあたるこの本はあれから8年たっていて、ジョーイはもう家を出て仕事をしており、メアリ・アリスも15歳の高校生になっている。幼い頃に祖母に感じた恐怖は相変わらずだけど、表面には出さない祖母の気持ちにもちゃんと気づけるようになっていて、年齢の離れた女同士の友情物語のようにも読めます。
とはいっても、相変わらず何をしでかすかわからないとんでも婆さんではあるんですけどね。次から次へとよくもまあこれだけ悪知恵が働くようなあと溜息が出るような悪婆ぶり。悪童たちでさえお婆ちゃんには手が出ません。いいなあ、私もこんなふうに生きたいなあと思うけど、そのためには体力も気力も必要だから無理ですね。
それにしても、大恐慌から8年たっているのにまだ不況?と思ってしまいましたが、これはニューディール政策の途中経過に現れたルーズベルト不況と呼ばれる時期だったようです。
おばあちゃんが暮らす田舎町なら畑で野菜を作れるし、森で鳥撃ちもできるだろうから食べ物には不自由しないんじゃないかと思いますが、これを読む限りどこでも事情は変わらないらしい。食べる物が出ると聞いただけで町中の人たちが集まってきて列を作るなんてシーンが出てきて、「あの豊かなアメリカが?」と驚いてしまいました。
シカゴより好きな町
原題:A Year Down Yonder
作者:リチャード・ペック
訳者:斎藤倫子
出版社:東京創元社
ISBN:4488013198
by timeturner
| 2016-09-29 19:15
| 和書
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