2016年 03月 03日
浅草妖刀殺人事件 |
武具屋・刀屋ばかりを狙う盗人「おたすけ兄弟」が、近所の神社に金を隠すのを見た町奉行所の中間・与之吉は、娘の薬代にとこれを盗んだ。だが、やがて兄弟に嗅ぎつけられ、危険が迫る・・・。
『八丁堀同心殺人事件 』に続く《耳袋秘帖》シリーズ第三弾。例によっていくつものエピソードが複雑にからみあわせて、最後には主筋に収束していくあたりが巧い。
でも、わたし的には独立したエピソードとして語られる引きこもり娘の話が面白かった。この娘おもんは、確かあとの巻にも出てきたような記憶が。ひょっとして坂巻のお嫁さん候補かな。
そういえば4作目の『深川芸者殺人事件』では栗田がもう雪乃と結婚していて、ふたりのロマンスを読み逃したと思いましたが、その部分をカバーするかと思ったこの巻でも描かれ方はあっさりしていて、ちょっと拍子抜け。まあ、恋愛小説ではないのだから当然と言えば当然ですが、女性作家だったらもう少し詳しく書いていたでしょうね。
坂巻が江戸に出てきたばかりのおのぼりさんとして浅草見物をした一日を描いた書き下ろし短編「ずぼんぼ」も文春文庫版のおまけとして収録されています。ちょっと無理がある話ですが、クールなイメージだった坂巻のかわいい部分が見えて得した気分。
浅草妖刀殺人事件―耳袋秘帖 (文春文庫)
作者:風野真知雄
出版社:文藝春秋
ISBN:4167779099
『八丁堀同心殺人事件 』に続く《耳袋秘帖》シリーズ第三弾。例によっていくつものエピソードが複雑にからみあわせて、最後には主筋に収束していくあたりが巧い。
でも、わたし的には独立したエピソードとして語られる引きこもり娘の話が面白かった。この娘おもんは、確かあとの巻にも出てきたような記憶が。ひょっとして坂巻のお嫁さん候補かな。
そういえば4作目の『深川芸者殺人事件』では栗田がもう雪乃と結婚していて、ふたりのロマンスを読み逃したと思いましたが、その部分をカバーするかと思ったこの巻でも描かれ方はあっさりしていて、ちょっと拍子抜け。まあ、恋愛小説ではないのだから当然と言えば当然ですが、女性作家だったらもう少し詳しく書いていたでしょうね。
坂巻が江戸に出てきたばかりのおのぼりさんとして浅草見物をした一日を描いた書き下ろし短編「ずぼんぼ」も文春文庫版のおまけとして収録されています。ちょっと無理がある話ですが、クールなイメージだった坂巻のかわいい部分が見えて得した気分。
浅草妖刀殺人事件―耳袋秘帖 (文春文庫)
作者:風野真知雄
出版社:文藝春秋
ISBN:4167779099
by timeturner
| 2016-03-03 21:36
| 和書
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