2016年 02月 13日
『罪と罰』を読まない |
いっやあ、笑いました。作家の三浦しをん、翻訳家の岸本佐知子、作家でありクラフト・エヴィング商會の主催者でもある吉田篤弘と吉田浩美の四人が、読んだことのないドストエフスキーの『罪と罰』を読まないままに読書会をするというトンデモ企画です。
『罪と罰』って、超有名だけど意外に読んだ人は少なくて、読んだことのある人もたいてい内容は忘れていることが多い。かく言う私も暇がありあまっていた高校生のときに読みましたが、ラスコーリニコフ、ソーニャ、金貸しの老婆、殺人といったキーワードくらいしか覚えていませんでした。かといってもう一度読み返す気にはとうていなれません。『罪と罰』の読書会に参加しないかと誘われたら絶対お断りです。でも、こんな読書会だったらぜひ参加したい。
大部の小説の最初のページと最後のページだけをまず読み、そこから内容を類推していくのですが、皆さんふだんから本はたくさん読んでいるから、あきれるほどバラエティに富んだ作り話が次から次へと出てくる。どう考えても原作よりこっちのほうが面白いよという話もある。
特にすごいなあと思ったのは三浦しをん。やはり売れっ子作家になる人って想像力の泉をもっているんですね。あとからあとからいくらでも湧いてくる。そして、そんなふうに暴走していく三浦を時には引き止め、時には押しまくる他の三人の合いの手がこれまた素晴らしい。タイミングが絶妙。岸本さんの「やがて**が愛に変わっていく」にはしばらく笑いが止まらなくなりました。
その合いの手にも三人三様の個性があって「ああ、いかにもこの人が言いそう!」と納得しちゃうんですよ。この四人はふだんからとても親しくしている仲間のようで、それがうまく働いてるんでしょうね。この手の読書会を知らない同士が集まってやっても、まず盛り上がらないと思う。そういう意味で実にレアで、なおかつ結構なものを読ませていただきました、と感謝の念でいっぱいです。
あ、そういえば、思いがけないところでヴィゴ・モーテンセンの名前が出てきたのにはびっくりしてから爆笑してしまいました。一気に読み直したい気持ちが高まった。
『罪と罰』を読まない
作者:岸本佐知子、三浦しをん、吉田篤弘、吉田浩美
出版社:文藝春秋
ISBN:4163903666
『罪と罰』って、超有名だけど意外に読んだ人は少なくて、読んだことのある人もたいてい内容は忘れていることが多い。かく言う私も暇がありあまっていた高校生のときに読みましたが、ラスコーリニコフ、ソーニャ、金貸しの老婆、殺人といったキーワードくらいしか覚えていませんでした。かといってもう一度読み返す気にはとうていなれません。『罪と罰』の読書会に参加しないかと誘われたら絶対お断りです。でも、こんな読書会だったらぜひ参加したい。
大部の小説の最初のページと最後のページだけをまず読み、そこから内容を類推していくのですが、皆さんふだんから本はたくさん読んでいるから、あきれるほどバラエティに富んだ作り話が次から次へと出てくる。どう考えても原作よりこっちのほうが面白いよという話もある。
特にすごいなあと思ったのは三浦しをん。やはり売れっ子作家になる人って想像力の泉をもっているんですね。あとからあとからいくらでも湧いてくる。そして、そんなふうに暴走していく三浦を時には引き止め、時には押しまくる他の三人の合いの手がこれまた素晴らしい。タイミングが絶妙。岸本さんの「やがて**が愛に変わっていく」にはしばらく笑いが止まらなくなりました。
その合いの手にも三人三様の個性があって「ああ、いかにもこの人が言いそう!」と納得しちゃうんですよ。この四人はふだんからとても親しくしている仲間のようで、それがうまく働いてるんでしょうね。この手の読書会を知らない同士が集まってやっても、まず盛り上がらないと思う。そういう意味で実にレアで、なおかつ結構なものを読ませていただきました、と感謝の念でいっぱいです。
あ、そういえば、思いがけないところでヴィゴ・モーテンセンの名前が出てきたのにはびっくりしてから爆笑してしまいました。一気に読み直したい気持ちが高まった。
『罪と罰』を読まない
作者:岸本佐知子、三浦しをん、吉田篤弘、吉田浩美
出版社:文藝春秋
ISBN:4163903666
by timeturner
| 2016-02-13 18:54
| 和書
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