2015年 12月 22日
クリスマスツリー |
ロックフェラー・センターの造園管理部長をしている「私」にとって一年でいちばん大きな仕事はクリスマスツリーを調達することだ。大きさも形も文句なしの木を探して、まだ春も浅い頃からアメリカ中を飛び回る。ある年、ヘリコプターでニュージャージー上空を飛んでいてみつけた理想のドイツトウヒは修道院の敷地にあり、ひとりの修道女が子どもの頃から世話をしてきた木だった・・・。
初めのうち、時間に追われ、日々の仕事を消化することに追われているニューヨーカーの「私」が語るストレスフルな毎日があまりにもリアルなので、ノンフィクションかと思いました。
でも、シスター・アンソニーの話が始まって、ああ、これはお話なんだとわかった。だって、ニューヨークでみなしごとなり、修道院にひきとられた少女が一本のドイツトウヒの若木と友情をはぐくみ、鳥や植物などの自然と溶け合って生きていくようすは、まるでファンタジーを読んでいるみたいなんだもの。おまけに修道院が素敵過ぎる。なにしろ建物はかつて大金持ちが金に糸目をつけずに建てた豪邸で、広い敷地には美しい自然がいっぱいなんです。こんなところがほんとにあるなら私も修道女になりたいくらいです。
形態と規模は違っても庭師同士の心のふれあいがあり、シスターと「私」の間に不思議な友情が生まれていくあたりは、あまりにも都合がよすぎる展開のようにも思えますが、なんてったってクリスマス物ですからね。やさしい気持ちになれるのがいちばんです。キュートなカラー口絵も雰囲気を盛り上げてくれます。
クリスマスツリー (新潮文庫)
原題:The Christmas Tree
作者:ジュリー・サラモン
イラスト:ジル・ウェーバー
訳者:中野恵津子
出版社:新潮社
ISBN:4102123113
初めのうち、時間に追われ、日々の仕事を消化することに追われているニューヨーカーの「私」が語るストレスフルな毎日があまりにもリアルなので、ノンフィクションかと思いました。
でも、シスター・アンソニーの話が始まって、ああ、これはお話なんだとわかった。だって、ニューヨークでみなしごとなり、修道院にひきとられた少女が一本のドイツトウヒの若木と友情をはぐくみ、鳥や植物などの自然と溶け合って生きていくようすは、まるでファンタジーを読んでいるみたいなんだもの。おまけに修道院が素敵過ぎる。なにしろ建物はかつて大金持ちが金に糸目をつけずに建てた豪邸で、広い敷地には美しい自然がいっぱいなんです。こんなところがほんとにあるなら私も修道女になりたいくらいです。
形態と規模は違っても庭師同士の心のふれあいがあり、シスターと「私」の間に不思議な友情が生まれていくあたりは、あまりにも都合がよすぎる展開のようにも思えますが、なんてったってクリスマス物ですからね。やさしい気持ちになれるのがいちばんです。キュートなカラー口絵も雰囲気を盛り上げてくれます。
クリスマスツリー (新潮文庫)
原題:The Christmas Tree
作者:ジュリー・サラモン
イラスト:ジル・ウェーバー
訳者:中野恵津子
出版社:新潮社
ISBN:4102123113
by timeturner
| 2015-12-22 20:27
| 和書
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