2015年 11月 06日
ハムレット |
前に観た「フランケンシュタイン」と同じ、ナショナル・シアター・ライブです。ロンドンのナショナル・シアターでの舞台を撮影したもの。収録した内容には手を加えず、生の公演の臨場感を伝えるのが売り。劇場の特等席で見ているのと同じ視点で見られます。
「フランケンシュタイン」のときは席が後ろのほうで字幕が見えなかったと愚痴っていますが、今回はなんと字幕がありませんでした! 早く観たいという声が強くて字幕が間に合わなかったのでしょう。3時間半もある、しかもシェイクスピアのお芝居を字幕なしで見るって……途中で寝るんじゃないかと心配だったのですが(そして時々うとうとっとはしたのですが)、熟睡することはなく最後まで観られました。
本番が始まる前にカンバーバッチと父王役の俳優さんの対談というかお喋りと、カンバーバッチが学校を訪れ、アラブ系の中学生たちが自分たちなりの解釈で「ハムレット」を演じるのをカンバーバッチが見て、見終わってから子どもたちと話をする映像が紹介されました。本番の途中には20分の休憩が入り、その間はバービカン劇場の客席が映されています。
で、本編の感想は、うーん、なんとも言い難いなあ。演出家がどういう意図で創ったのか知らない、英語がよく聞き取れないせいもあるのだと思いますが、私にはいまいちでした。衣装が現代風(兵士や夜会服は昔風だけど)なせいか、前に観たイーサン・ホーク主演の映画「ハムレット」を思い出してしまった。あれもつまらなかったなあ。現代に置き換えてしまうとエリザベス朝の物の考え方が通じなくなるのよね。そういえば、これを見ている間ずっとカメラを持ち歩くオフィーリアの人物造形にデジャヴを感じていたのですが、この映画のオフィーリアにそっくりなんだ。
だからといってオリヴィエの「ハムレット」にしろと言ってるわけではありません。カンバーバッチがタイツを履いた姿なんて想像したくないし。でもねえ、ハムレットが自分勝手でわがままで、自分がしたことの責任もとらない甘やかされたバカ坊にしか見えないんですよね。オリヴィエのハムレットに感じられたマザコン感もなし。怒り以外の人間らしい感情が欠如していて、BBCのシャーロックがデンマークの王子に乗り移っただけ、みたいに思えました。
まあ、シェイクスピアが書いたハムレット王子がそもそもどんな人なのかよくわかってないんですけどね。原作をちゃんと読んだことがなく、何が起こるのかはわかっていても、どうしてそうなるのか、観客は何を期待されているかなどわからないままに観たから誤解しているのかもしれない。
主演以外の俳優さんたちも、シェイクスピア劇をやるにしては台詞廻しがいまいちだったり、演技がTV的だったりするような気がしました。全体にみんなキリキリしすぎていて、見てるほうまで胃が痛くなりそうだった。唯一なごめたのは墓掘りのおじさん(父王の幽霊と同じ人)が出てたときくらいかな。
公式サイトはこちら。
原題:Hamlet(2015)
上映時間:210 分(インターバル含む)
製作国:イギリス
舞台演出:リンゼイ・ターナー
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、Sian Brooke、キアラン・ハインズ、カール・ジョンソン、アナスタシア・ヒルほか。
「フランケンシュタイン」のときは席が後ろのほうで字幕が見えなかったと愚痴っていますが、今回はなんと字幕がありませんでした! 早く観たいという声が強くて字幕が間に合わなかったのでしょう。3時間半もある、しかもシェイクスピアのお芝居を字幕なしで見るって……途中で寝るんじゃないかと心配だったのですが(そして時々うとうとっとはしたのですが)、熟睡することはなく最後まで観られました。
本番が始まる前にカンバーバッチと父王役の俳優さんの対談というかお喋りと、カンバーバッチが学校を訪れ、アラブ系の中学生たちが自分たちなりの解釈で「ハムレット」を演じるのをカンバーバッチが見て、見終わってから子どもたちと話をする映像が紹介されました。本番の途中には20分の休憩が入り、その間はバービカン劇場の客席が映されています。
で、本編の感想は、うーん、なんとも言い難いなあ。演出家がどういう意図で創ったのか知らない、英語がよく聞き取れないせいもあるのだと思いますが、私にはいまいちでした。衣装が現代風(兵士や夜会服は昔風だけど)なせいか、前に観たイーサン・ホーク主演の映画「ハムレット」を思い出してしまった。あれもつまらなかったなあ。現代に置き換えてしまうとエリザベス朝の物の考え方が通じなくなるのよね。そういえば、これを見ている間ずっとカメラを持ち歩くオフィーリアの人物造形にデジャヴを感じていたのですが、この映画のオフィーリアにそっくりなんだ。
だからといってオリヴィエの「ハムレット」にしろと言ってるわけではありません。カンバーバッチがタイツを履いた姿なんて想像したくないし。でもねえ、ハムレットが自分勝手でわがままで、自分がしたことの責任もとらない甘やかされたバカ坊にしか見えないんですよね。オリヴィエのハムレットに感じられたマザコン感もなし。怒り以外の人間らしい感情が欠如していて、BBCのシャーロックがデンマークの王子に乗り移っただけ、みたいに思えました。
まあ、シェイクスピアが書いたハムレット王子がそもそもどんな人なのかよくわかってないんですけどね。原作をちゃんと読んだことがなく、何が起こるのかはわかっていても、どうしてそうなるのか、観客は何を期待されているかなどわからないままに観たから誤解しているのかもしれない。
主演以外の俳優さんたちも、シェイクスピア劇をやるにしては台詞廻しがいまいちだったり、演技がTV的だったりするような気がしました。全体にみんなキリキリしすぎていて、見てるほうまで胃が痛くなりそうだった。唯一なごめたのは墓掘りのおじさん(父王の幽霊と同じ人)が出てたときくらいかな。
公式サイトはこちら。
原題:Hamlet(2015)
上映時間:210 分(インターバル含む)
製作国:イギリス
舞台演出:リンゼイ・ターナー
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、Sian Brooke、キアラン・ハインズ、カール・ジョンソン、アナスタシア・ヒルほか。
by timeturner
| 2015-11-06 23:32
| 映画
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