2015年 10月 01日
本所深川ふしぎ草紙 |
近江屋藤兵衛が殺された。下手人は藤兵衛と折り合いの悪かった娘のお美津だという噂が流れたが……(片葉の芦)。庶民の間に伝えられた怪談・奇談《本所七不思議》を題材に、江戸下町の人情を描く7編。
『ぼんくら』『日暮らし』ときて、次は『おまえさん』とも思ったのですが、同時に読んでいる本が多くなりすぎたのでページ数の少ないこっちを先にしました。どちらかというと『幻色江戸ごよみ』と似た傾向の短編集です。
どれをとっても、登場人物はすぐそばに本当に存在しているかのように生き生きしているし、話の展開はしゃきしゃきとしていて、先へ先へと読まされるし、読み終えたときには何ともいえないじんとした余韻が残ります。
人情噺ではあるんだけど、ただ心が温まる物語というのではなく、時には驚くような苦い真実を突きつけられたりもするのですが、それがとてもリアルで信じられる。宮部みゆきという人は決して嘘は書かない人だなあと思います。だからこそ怖さも面白さも温かさも深くしみてくるんでしょうね。
片葉の芦
送り提灯
置いてけ堀
落葉なしの椎
馬鹿囃子
足洗い屋敷
消えずの行灯
「消えずの行灯」のおゆうは、あと20年もすれば『ぼんくら』のお徳さんみたいになるんだろうなあと思いました。全体に登場するけれど決して主人公というわけでもない回向院の茂七親分の立ち位置もいい感じです。
本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)
作者:宮部みゆき
出版社:新潮社
ISBN:4101369151
『ぼんくら』『日暮らし』ときて、次は『おまえさん』とも思ったのですが、同時に読んでいる本が多くなりすぎたのでページ数の少ないこっちを先にしました。どちらかというと『幻色江戸ごよみ』と似た傾向の短編集です。
どれをとっても、登場人物はすぐそばに本当に存在しているかのように生き生きしているし、話の展開はしゃきしゃきとしていて、先へ先へと読まされるし、読み終えたときには何ともいえないじんとした余韻が残ります。
人情噺ではあるんだけど、ただ心が温まる物語というのではなく、時には驚くような苦い真実を突きつけられたりもするのですが、それがとてもリアルで信じられる。宮部みゆきという人は決して嘘は書かない人だなあと思います。だからこそ怖さも面白さも温かさも深くしみてくるんでしょうね。
片葉の芦
送り提灯
置いてけ堀
落葉なしの椎
馬鹿囃子
足洗い屋敷
消えずの行灯
「消えずの行灯」のおゆうは、あと20年もすれば『ぼんくら』のお徳さんみたいになるんだろうなあと思いました。全体に登場するけれど決して主人公というわけでもない回向院の茂七親分の立ち位置もいい感じです。
本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)
作者:宮部みゆき
出版社:新潮社
ISBN:4101369151
by timeturner
| 2015-10-01 18:18
| 和書
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