2015年 06月 28日
図説 ヨーロッパ服飾史 |
これまで小説などで読んだりして断片的に知るだけだった服飾についての知識を、ある程度系統だてて概観することができました。
人間が服を着るようになったときからの形や色、模様、素材の変化、異文化との交流による影響、時代や政治による影響、ジェンダーの違いの変化などなど、たかがファッションとは片づけられないテーマだなあと再認識しました。
作者がフランス服飾史専門なので、ヨーロッパとはいってもフランス視点から眺めている部分が多く、また、絵画資料が残っているものという制限があるために王侯貴族や上流階級の服装がメインになってはいます。まあ、カラー図版をたっぷり掲載している《ふくろうの本》シリーズですから、そのほうが見て楽しいことは間違いありません。
第一章 身体の誇張
第二章 色彩感情と文様の意想
第三章 異国趣味とレトロ趣味
第四章 ジェンダー、下着、子ども服
ヨーロッパの衣服が体に沿うように、さらには誇張するように発達していったのに対して、日本ではほとんどずっと体の形は無視した平面的な衣服が着られていたのはどういうわけだったのでしょう? キリスト教が大きな支配力をもっていたヨーロッパのほうが肉体の罪には敏感だったはずなのに、どうしてそれを刺激するような服が許されたのか?
また、ヨーロッパでは何度も何度も古代ギリシャ・ローマ時代へと戻る懐古趣味が起こったのに対して、日本で邪馬台国ファッションが何度も流行したという話を聞かないのはなぜなのか?(それとも私が知らないだけであったのかな?)
ジェンダーの章では女性がズボンを履くことを長い間禁じられてきたことについて書かれていますが、このあたりは何度読んでも腹が立ちますね。
まあ、なにはともあれ、赤ん坊の頃にスワドリングされたり、大人になってコルセットをつけたりしなくてすむ時代に生まれて本当によかったと思います。
図説 ヨーロッパ服飾史 (ふくろうの本/世界の歴史)
作者:徳井淑子
出版社:河出書房新社
ISBN:4309761402
人間が服を着るようになったときからの形や色、模様、素材の変化、異文化との交流による影響、時代や政治による影響、ジェンダーの違いの変化などなど、たかがファッションとは片づけられないテーマだなあと再認識しました。
作者がフランス服飾史専門なので、ヨーロッパとはいってもフランス視点から眺めている部分が多く、また、絵画資料が残っているものという制限があるために王侯貴族や上流階級の服装がメインになってはいます。まあ、カラー図版をたっぷり掲載している《ふくろうの本》シリーズですから、そのほうが見て楽しいことは間違いありません。
第一章 身体の誇張
第二章 色彩感情と文様の意想
第三章 異国趣味とレトロ趣味
第四章 ジェンダー、下着、子ども服
ヨーロッパの衣服が体に沿うように、さらには誇張するように発達していったのに対して、日本ではほとんどずっと体の形は無視した平面的な衣服が着られていたのはどういうわけだったのでしょう? キリスト教が大きな支配力をもっていたヨーロッパのほうが肉体の罪には敏感だったはずなのに、どうしてそれを刺激するような服が許されたのか?
また、ヨーロッパでは何度も何度も古代ギリシャ・ローマ時代へと戻る懐古趣味が起こったのに対して、日本で邪馬台国ファッションが何度も流行したという話を聞かないのはなぜなのか?(それとも私が知らないだけであったのかな?)
ジェンダーの章では女性がズボンを履くことを長い間禁じられてきたことについて書かれていますが、このあたりは何度読んでも腹が立ちますね。
まあ、なにはともあれ、赤ん坊の頃にスワドリングされたり、大人になってコルセットをつけたりしなくてすむ時代に生まれて本当によかったと思います。
図説 ヨーロッパ服飾史 (ふくろうの本/世界の歴史)
作者:徳井淑子
出版社:河出書房新社
ISBN:4309761402
by timeturner
| 2015-06-28 21:46
| 和書
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