2014年 08月 24日
バルト三国の旅(8/24)ヴィリニュス⇒トゥラカイ⇒ヴィリニュス |
今日のリトアニアの気温は10~16度Cという予報。肌寒い。自転車レースのせいで道路封鎖になるんじゃないかとの心配は杞憂に終わり、ピーリモ通りにはちゃんとトロリーバスが走っていました。
トロリーバスは乗るときに運転手さんに3.5リタス=約140円払います。紙の切符をくれたのでそれで安心していたら、お婆さんが近づいてきて私の切符をとりあげ、車内の機械でパチンとスタンプを押しました。そうしなきゃいけないみたい。「もうお金を払ってあるんだから、スタンプなんか必要ないのにね。ひょっとして運転手が現金を着服しないように?」なんて友人と話していたのですが、帰国してからヴィリニュスに住んでいる人のブログを読んだら、抜き打ち検札がけっこう頻繁に行われるのだそうです。その際にスタンプを押していない切符を持っていると、同じ切符を使いまわしているって疑われるのでしょう。
地元の人たちは割安なプリペイドカードを使っていました。旅行者でもキオスクなどで買えるのですが、それほど何度も乗る予定はないので買わなかった。
無事にバス・ステーションに到着したのはいいが、バスの時刻表がきのうインフォメーションでもらったものと違う。まあ、同じような時間帯に出るバスがあったからいいようなものの、いい加減だなあ。
6.1リタス(約250円)払ってバスに乗り込みました。特急バスらしく、はじめのうち2、3か所停まったあとはノンストップです。おかげで30分でトゥラカイのバス・ターミナルに着きました。
トゥラカイ城へはこのターミナルから約1.5kmあります。かなりの観光地なのですが、ほとんどの人は自家用車か観光バスで行くようで、私たちが乗ってきたバスから降りてトゥラカイ城のほうへ徒歩で向かったのは中国人の若者とその両親の3人だけ。
歩き出す前にトイレに行っておこうとしたのですが、バス・ターミナルのトイレには鍵がかかっていて、チケット売り場で1リタス(約40円)払うようにと書いてあります。チケット売り場のお姉さんは電話中でしたが、1リタス出すと話しながらトイレットペーパー50㎝分くらいを畳んだものを二つと鍵を手渡してくれました。トイレに入って内側から鍵をかけ、二つある個室の片方に入って用をすませて出てきてから気づきました。ひょっとして1リタスで二人使ってもいいってこと? あわてて鍵を開けて外に出ると、友人がトイレットペーパーを手にして待ってました。
安心して歩き出します。左側に湖を見ながら歩いていけばいいので、方向音痴の私たちでもさすがに迷わずに行けました。このあたりは別荘地でもあるらしく、こじんまりとした可愛い民家がならんでいます。船をつないだ桟橋もあり、のんびり釣りをしている人の姿も。もっと早い時季には夏休みを過ごす人たちでいっぱいになるのでしょう。
やがて湖上に浮かぶ夢のようなトゥラカイ城の姿が見えてきます。この写真スポットでみんな立ち止まってカメラを構えます。でも、今日は曇っているのであまりきれいな写真は撮れないだろうな。あとで絵葉書を買おう(この記事のトップ左にあるのがその絵葉書)。
城のある島へ渡る橋に向かう道の左側は湖、右側は土産物屋の連なり。前に妹がモンサンミッシェルに行ったとき、夏の江の島みたいだったと言っていましたが、ここもその小規模版みたいです。でも、なにしろリトアニアに着いたばかりですから、まだ何を見ても珍しい。ついつい店に入って長居してしまいそうなのを自戒してお城へ。
橋を渡って湖上の城へいこうとしたところで思わぬハプニングが。老眼鏡の片方の弦がとれてしまったのです。首からチェーンで吊るしていたので、何度もねじれているうちにネジがゆるんで落ちたらしい。小さなネジなのでみつかるはずもなく、がっくり。
気を取り直して橋を渡り、入場料(20リタス=約800円)を払って中に入りました。ここは14世紀後半にチュートン騎士団の侵略を防ぐためにヴィタウタス大公によって建てられた城で、大公亡きあと廃墟になっていたのを1961年から復元を初めて1987年には15世紀当時の姿を取り戻したのだそうです。城の中庭ではThe Days of Ancient Craftsというイベントの準備にかかっています。きのうのヴィリニュスと同様、中世の暮らしを再現した店が出るのです。ひょっとしたら、きのうの人たちがこっちに移動してきてるのかもしれない。
復元が完成してからまだ20年ちょっとなので、いかにも新築という感じ。あと100年もすれば古城らしくなって雰囲気が出るのでしょうが、今はまだ良くできたテーマパークという感じです。それはそれで楽しいけどね。
石造りの城の中の小部屋は博物館のようになっていて、復元前・復元中の写真を展示した部屋もありました。また、ヴィタウタス大公に関する資料や絵画、直接この城とは関係ないヨーロッパの陶器やガラス器、武器などを展示している部屋も。雑多なものを寄せ集めた感じ。器が出来上がったものの、中に入れるものがみつからなかったというところかな。でも、ヴィタウタス大公によってクリミアから傭兵として連れてこられたトルコ語系の人たちが、自分たちのルーツを守りながらこのあたりで根をはっていった流れを示した展示物などはとても興味深かった。ここに来る途中でみかけた家のいくつかはそういう人たち特有の伝統的住居だったらしい。城の裏のほうには長弓を試せるフィールドもありましたが、かなり腕力がないと無理そう。
ひととおり中を見て中庭に出ると、The Days of Ancient Craftsが始まってました。ハンドメイドの品々を売る露店が出ているし、ものすごく大きな魚を干したものが山と積まれた屋台もあるし、焚火にかけた鍋でなにやらぐつぐつ煮えている。あっちでもこっちでも焚火をしているので、中庭はすごい煙。私たち、燻製みたいな匂いになりそう。
場所が場所だけに、きのうよりずっと臨場感があります。中世にタイムワープしたような気分、とまでは言わないけど、映画のセットに足を踏み入れたような感じ。子どもたちは大喜びで走り回り、ゲームをしたり、首切り台の穴に首を突っ込んで首切り役人と一緒に記念撮影をしたりしています。
そのうちに広場で音楽が始まりました。きのうみたいな中世風の音楽かと思いきや、アイルランド民謡をロックにアレンジしたバンド。なんと、Whisky in The Jarを演奏していたよ。合間には道化師役の人が出てきて、パントマイムで笑わせます。見物人から選んで一緒に踊らせるのもきのうと同じ。みんなノリがよくて、誘われるといやがらずにさっさと出ていくのが潔くていいです。私も他の見物人と一緒に干し草の束に腰をおろし、笑って見ていました。
このへんでお腹が空いてきたのでランチを食べることに。といっても選択肢はそれほどない。中世の服装をした人たちと一緒のテーブルについて中世風のコース料理を食べることもできるようだけど、何が出てくるかわからないし、量も多すぎる気がするので不安。なので、その横で売っているグーラシュのようなスープとパン、それに何かで作った飲み物(はちみつ酒みたいだけどアルコール分はない)でランチ(ひとり12リタス=約480円)にしました。飲み物は、まずくはないけど、すごくおいしいというものでもない。スープとパンはおいしかった。
(書くのを忘れていましたが、バルト三国は小麦とじゃがいもがよくとれるのだそうで、味もいい。だからじゃがいも料理が多い詩、パンがおいしい。レストランでついてくるパンもいちいち感激するくらいおいしいし、駅で売ってるサンドイッチのパンだって、日本のコンビニとは段違いのおいしさ。スーパーで売ってる安売りのパンもしかり。友人の話ではシドニーのスーパーの中には、エストニアから空輸したパン生地を店内で焼いて出すことを売りにしているところもあるそうです)
音楽が終わると、兵士のコスプレをした男たちが出てきて、中世の戦いの様子を長剣や槍を使って再現し始めました。趣味のサークルか何かなんでしょうが、かなりの迫力と本気。殺陣は決まっていても、ところどころで思いがけず剣を落としたり、相手の体にあててしまったりするので、見ているほうもドキドキします。7、8歳の美少年が王子様役で登場して人気をさらっていました。こっちの子どもって本当に可愛い。
食事の途中からぱらぱらと雨が降り始め、いつもみたいにすぐやむかと思っていたらどんどん激しくなってきた。こりゃもう観光どころじゃないわとあきらめ、来た道を戻ります。が、途中の土産物屋でひっかかるのが私たちクオリティ。さっき我慢したからね。何軒か見ていくと、単なる土産物屋と、店主がそれなりのこだわりをもった店の二種類あることがわかります。扱っているジャンルは同じなんだけど、センスが違う。売ってる人が違う。自分が気に入ったものだけを置きたいと考えている店では、売ってる人もぎすぎすしていない。そんな店で買った手編みのソックス(たぶん20リタス=約800円くらい)が、今回の旅行で買ったものの中でいちばんのお気に入りとなりました。このあと同様のものはまったくみつからなかった。もっと買ってくればよかったなあ。でも、旅は後戻りできないのだ。
トゥラカイ城の近くにはキビナイという名物料理で有名な店があるというのを読んで行きたいと思っていましたが、雨がどんどんひどくなってきたので探す気にもなれず、まっすぐバス・ターミナルへ。いや、ほんとに冗談でなくひどい雨だったのよ。車道も歩道も水びたしの洪水状態。車が通るたびに水を跳ね上げられて、傘をさしていても服はぐっしょり、靴はびちゃびちゃ。
そんなこんなでなんとかバス・ターミナルにたどり着いたら、朝一緒のバスだった中国人親子がいました。若者はコペンハーゲンで仕事をしていて、国の両親を呼んで観光させているらしい。こまごまと面倒をみる孝行息子でした。
帰りのバスは運賃が5リタスだったので「あれ?」と思っていたら、鈍行だったようで、ぐるぐると遠回りをしてあちこちに停まったので、ヴィリニュスまで1時間くらいかかりました。いったんアパートメントに戻り、熱いシャワーを浴びて私は少し昼寝(夕寝?)。友人は両替をしたいからと出かけていきました。
戻ってきた友人と旧市街に向かい、『地球』に出ていたCili Kaimasという店を探したのですが、該当する番地には別の店がある。どうやら、若者受けするように店名を英語に変えたらしい。Forestという店名だったけど、メニューを見るとCili Kaimas時代と同じリトアニア料理も扱っているので入りました。
森の中をイメージしてナチュラルな木をたくさん使った内装で、なかなかいい雰囲気。地元民も観光客もいっぱい入ってました。なぜこの店にこだわったかというと、リトアニアでいちばんポピュラーな家庭料理ツェペリナイ(Cepelinai)を食べたかったからです。じゃがいもで作ったお団子で、中にひき肉が入っている。私はそれ、友人はこれまたリトアニアの名物料理である冷たい赤カブのスープ(Saltibarsciai)とニシンのサラダ。スープの付け合わせにディルポテトがついてきます。それにもちろんリトアニアのビール。きのうの昼に飲んだSvyturysとは違う銘柄でKalnapilis。二人分にチップ込みで54リタス(約2140円)でした。
ツェペリナイは予想通りの味。もっちりねっとりしていて、好みは分かれると思うけど私は好きな味でした。かかっているベーコンのソースも伝統的なものらしい。帰国してからリトアニアの家庭でツェペリナイの作り方を紹介している動画を見つけました。作る量が半端じゃないのに驚きますが、作り方は意外に簡単で、これなら日本でも作れそう。
眠る前に朝のバスの時刻表のことを思い出し、心配になって鉄道のサイトで明日のカウナス行きの電車を確認したら、やはりインフォメーションでもらった時間とは違ってる。土曜に訊いたので土曜の時刻表だったのかも。いずれにしても不安なので、明日は早めに駅に行くことにしました。
トロリーバスは乗るときに運転手さんに3.5リタス=約140円払います。紙の切符をくれたのでそれで安心していたら、お婆さんが近づいてきて私の切符をとりあげ、車内の機械でパチンとスタンプを押しました。そうしなきゃいけないみたい。「もうお金を払ってあるんだから、スタンプなんか必要ないのにね。ひょっとして運転手が現金を着服しないように?」なんて友人と話していたのですが、帰国してからヴィリニュスに住んでいる人のブログを読んだら、抜き打ち検札がけっこう頻繁に行われるのだそうです。その際にスタンプを押していない切符を持っていると、同じ切符を使いまわしているって疑われるのでしょう。
地元の人たちは割安なプリペイドカードを使っていました。旅行者でもキオスクなどで買えるのですが、それほど何度も乗る予定はないので買わなかった。
無事にバス・ステーションに到着したのはいいが、バスの時刻表がきのうインフォメーションでもらったものと違う。まあ、同じような時間帯に出るバスがあったからいいようなものの、いい加減だなあ。
6.1リタス(約250円)払ってバスに乗り込みました。特急バスらしく、はじめのうち2、3か所停まったあとはノンストップです。おかげで30分でトゥラカイのバス・ターミナルに着きました。
トゥラカイ城へはこのターミナルから約1.5kmあります。かなりの観光地なのですが、ほとんどの人は自家用車か観光バスで行くようで、私たちが乗ってきたバスから降りてトゥラカイ城のほうへ徒歩で向かったのは中国人の若者とその両親の3人だけ。
安心して歩き出します。左側に湖を見ながら歩いていけばいいので、方向音痴の私たちでもさすがに迷わずに行けました。このあたりは別荘地でもあるらしく、こじんまりとした可愛い民家がならんでいます。船をつないだ桟橋もあり、のんびり釣りをしている人の姿も。もっと早い時季には夏休みを過ごす人たちでいっぱいになるのでしょう。
橋を渡って湖上の城へいこうとしたところで思わぬハプニングが。老眼鏡の片方の弦がとれてしまったのです。首からチェーンで吊るしていたので、何度もねじれているうちにネジがゆるんで落ちたらしい。小さなネジなのでみつかるはずもなく、がっくり。
気を取り直して橋を渡り、入場料(20リタス=約800円)を払って中に入りました。ここは14世紀後半にチュートン騎士団の侵略を防ぐためにヴィタウタス大公によって建てられた城で、大公亡きあと廃墟になっていたのを1961年から復元を初めて1987年には15世紀当時の姿を取り戻したのだそうです。城の中庭ではThe Days of Ancient Craftsというイベントの準備にかかっています。きのうのヴィリニュスと同様、中世の暮らしを再現した店が出るのです。ひょっとしたら、きのうの人たちがこっちに移動してきてるのかもしれない。
(書くのを忘れていましたが、バルト三国は小麦とじゃがいもがよくとれるのだそうで、味もいい。だからじゃがいも料理が多い詩、パンがおいしい。レストランでついてくるパンもいちいち感激するくらいおいしいし、駅で売ってるサンドイッチのパンだって、日本のコンビニとは段違いのおいしさ。スーパーで売ってる安売りのパンもしかり。友人の話ではシドニーのスーパーの中には、エストニアから空輸したパン生地を店内で焼いて出すことを売りにしているところもあるそうです)
食事の途中からぱらぱらと雨が降り始め、いつもみたいにすぐやむかと思っていたらどんどん激しくなってきた。こりゃもう観光どころじゃないわとあきらめ、来た道を戻ります。が、途中の土産物屋でひっかかるのが私たちクオリティ。さっき我慢したからね。何軒か見ていくと、単なる土産物屋と、店主がそれなりのこだわりをもった店の二種類あることがわかります。扱っているジャンルは同じなんだけど、センスが違う。売ってる人が違う。自分が気に入ったものだけを置きたいと考えている店では、売ってる人もぎすぎすしていない。そんな店で買った手編みのソックス(たぶん20リタス=約800円くらい)が、今回の旅行で買ったものの中でいちばんのお気に入りとなりました。このあと同様のものはまったくみつからなかった。もっと買ってくればよかったなあ。でも、旅は後戻りできないのだ。
そんなこんなでなんとかバス・ターミナルにたどり着いたら、朝一緒のバスだった中国人親子がいました。若者はコペンハーゲンで仕事をしていて、国の両親を呼んで観光させているらしい。こまごまと面倒をみる孝行息子でした。
帰りのバスは運賃が5リタスだったので「あれ?」と思っていたら、鈍行だったようで、ぐるぐると遠回りをしてあちこちに停まったので、ヴィリニュスまで1時間くらいかかりました。いったんアパートメントに戻り、熱いシャワーを浴びて私は少し昼寝(夕寝?)。友人は両替をしたいからと出かけていきました。
戻ってきた友人と旧市街に向かい、『地球』に出ていたCili Kaimasという店を探したのですが、該当する番地には別の店がある。どうやら、若者受けするように店名を英語に変えたらしい。Forestという店名だったけど、メニューを見るとCili Kaimas時代と同じリトアニア料理も扱っているので入りました。
森の中をイメージしてナチュラルな木をたくさん使った内装で、なかなかいい雰囲気。地元民も観光客もいっぱい入ってました。なぜこの店にこだわったかというと、リトアニアでいちばんポピュラーな家庭料理ツェペリナイ(Cepelinai)を食べたかったからです。じゃがいもで作ったお団子で、中にひき肉が入っている。私はそれ、友人はこれまたリトアニアの名物料理である冷たい赤カブのスープ(Saltibarsciai)とニシンのサラダ。スープの付け合わせにディルポテトがついてきます。それにもちろんリトアニアのビール。きのうの昼に飲んだSvyturysとは違う銘柄でKalnapilis。二人分にチップ込みで54リタス(約2140円)でした。
眠る前に朝のバスの時刻表のことを思い出し、心配になって鉄道のサイトで明日のカウナス行きの電車を確認したら、やはりインフォメーションでもらった時間とは違ってる。土曜に訊いたので土曜の時刻表だったのかも。いずれにしても不安なので、明日は早めに駅に行くことにしました。
by timeturner
| 2014-08-24 16:55
| 旅行
|
Comments(2)
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by
nobara
at 2014-09-25 22:49
x
バルト三国のパンは美味しいんですね。
赤カブのスープはビーツにヨーグルトを混ぜてあるので、あんな
ショッキングピンクになっているのでしょうか?
赤カブのスープはビーツにヨーグルトを混ぜてあるので、あんな
ショッキングピンクになっているのでしょうか?
0
Commented
by
timeturner at 2014-09-26 01:30
あのスープ、凄いですよね。日本人の感覚からするとおよそ食欲をそそられないんですが(^^;)。でも、味はよかったそうです。