2014年 08月 04日
ウサギが丘のきびしい冬 |
「今年はきびしい冬になる」というアナルダスおじさんの予言で不安になった丘の動物たちはそれぞれに冬支度を始めた。だが、「大きな家」の人たちが避寒に出かけてしまうと、これまで大事に保護されていた野生の動物たちに次々と思いがけない苦難が襲い掛かってくる・・・。
『ウサギの丘』の続編。すぐに続けて読むつもりでいたのに忘れていたのですが、『絵本図書館』のロバート・ローソンの項を読んだら、ローソン自身が1936年から亡くなるまで住んでいたコネチカット州ウェストポートのはずれにある丘に建てた「うさぎが丘」山荘での経験から生まれたと書いてあったので、思い出してさっそく読みました。彼自身が身近で見ていたからこそ書けた(描けた)話だったんですね。
『ウサギの丘』は人間と動物が理想的に共存できる可能性を見せたハッピーエンドで終わりましたが、現実の世の中でそれがいつまでも続くわけではありません。この続編ではそのあたりのシビアな現実をきちんと提示しています。
親切な人間はいつまでもいるとは限らない、気候は予測が不能、天災・人災は突然やってくるなどなど、これでもかこれでもかと動物たちが大変な目に遭うのですが、野ウサギの子ジョージーと野ネズミの子ウィリーの頑張りや、アマルダスおじさんとジョージーの父さんとの滑稽なやりとり、キツネやシカやウッドチャックなど個性豊かな脇役たちの存在のおかげで陰鬱な雰囲気にはなっていません。庭師のティムがいい味を出してきたのもうれしい。
ローソン自身の手になる挿絵もすてきです。カバーにも使われているクリスマスイヴの丘の絵は本文にもモノクロで1ページ大に掲載されているのですが、なんともいえない雰囲気があって、しばらく見入ってしまいました。
この本は1954年刊行でローソンは1957年に亡くなっています。もう少し生きていたら、きっと続きを書いていましたよね。読みたかったなあ。
ウサギが丘のきびしい冬
原題:The Tough Winter
作・絵:ロバート・ローソン
訳者:三原 泉
出版社:あすなろ書房
ISBN:4751519050
『ウサギの丘』の続編。すぐに続けて読むつもりでいたのに忘れていたのですが、『絵本図書館』のロバート・ローソンの項を読んだら、ローソン自身が1936年から亡くなるまで住んでいたコネチカット州ウェストポートのはずれにある丘に建てた「うさぎが丘」山荘での経験から生まれたと書いてあったので、思い出してさっそく読みました。彼自身が身近で見ていたからこそ書けた(描けた)話だったんですね。
『ウサギの丘』は人間と動物が理想的に共存できる可能性を見せたハッピーエンドで終わりましたが、現実の世の中でそれがいつまでも続くわけではありません。この続編ではそのあたりのシビアな現実をきちんと提示しています。
親切な人間はいつまでもいるとは限らない、気候は予測が不能、天災・人災は突然やってくるなどなど、これでもかこれでもかと動物たちが大変な目に遭うのですが、野ウサギの子ジョージーと野ネズミの子ウィリーの頑張りや、アマルダスおじさんとジョージーの父さんとの滑稽なやりとり、キツネやシカやウッドチャックなど個性豊かな脇役たちの存在のおかげで陰鬱な雰囲気にはなっていません。庭師のティムがいい味を出してきたのもうれしい。
ローソン自身の手になる挿絵もすてきです。カバーにも使われているクリスマスイヴの丘の絵は本文にもモノクロで1ページ大に掲載されているのですが、なんともいえない雰囲気があって、しばらく見入ってしまいました。
この本は1954年刊行でローソンは1957年に亡くなっています。もう少し生きていたら、きっと続きを書いていましたよね。読みたかったなあ。
ウサギが丘のきびしい冬
原題:The Tough Winter
作・絵:ロバート・ローソン
訳者:三原 泉
出版社:あすなろ書房
ISBN:4751519050
by timeturner
| 2014-08-04 19:05
| 和書
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