2014年 07月 02日
わが旧牧師館への小径 |
『緋文字』で知られるアメリカ・ロマン派の文豪ホーソーンが、エマソン、ソロー、チャニングといったアメリカのロマン派文人仲間と共に憩ったボストン郊外コンコードの自然、四季、生活を綴った随想。
短編集『旧牧師館の苔』の序文だそうで、そのままでは本一冊にする分量ではないため、後半は訳者による詳細な解説、ホーソーン紹介になっている。
ホーソーンにとっては「生涯で最も幸福な時期」(新婚の3年間)を過ごした土地の話なので、至福に満ちた田園生活が詩情豊かに描かれ、ソローの『森の生活』やギッシングの『ヘンリ・ライクロフトの私記』みたいなんだろうなと勝手に想像してしまった。
が、あてがはずれた。原文で読めばそうなのかもしれないけど、読みにくい文章からは、とてもそういう牧歌的な雰囲気は感じられなかった。なにしろ、以下のような文章がほとんどなのだから。
ところで、カバーの絵があまりにもイケメンなので「やだなあ、最近の美青年イラストのカバーは」と思っていたのですが、中に出てくる肖像画も同じように美男子で驚いた。まあ、写真ではなく肖像画だからかなり美化してあるのかもしれないけれど、同時代人たちの肖像画にはこれほどの美男子は見当たらないところからして、実際にもかなりイケてたんじゃないかと思う。いや、だからどうしたってことはないんだけど・・・。
わが旧牧師館への小径 (平凡社ライブラリー)
原題:The Old Manse
作者:ナサニエル・ホーソーン
訳者:齊藤 昇
出版社:平凡社
ISBN:4582765610
短編集『旧牧師館の苔』の序文だそうで、そのままでは本一冊にする分量ではないため、後半は訳者による詳細な解説、ホーソーン紹介になっている。
ホーソーンにとっては「生涯で最も幸福な時期」(新婚の3年間)を過ごした土地の話なので、至福に満ちた田園生活が詩情豊かに描かれ、ソローの『森の生活』やギッシングの『ヘンリ・ライクロフトの私記』みたいなんだろうなと勝手に想像してしまった。
が、あてがはずれた。原文で読めばそうなのかもしれないけど、読みにくい文章からは、とてもそういう牧歌的な雰囲気は感じられなかった。なにしろ、以下のような文章がほとんどなのだから。
そうした遺物が誘う最大の魅力は、その粗雑な形と、すべてを画一的に形成する文明化された機械の産物とは、あまりにも異なったそれぞれが持つ個性的な特徴にある。(Their great charm consists in this rudeness and in the individuality of each article, so different from the productions of civilized machinery, which shapes everything on one pattern.)英文和訳としては間違っていないのでしょうし、学者さんに翻訳をお願いするとこうなるのだろうとは推察できますが、一般読者向けのシリーズでこんな文章をそのまま通してしまう編集者の怠慢にあきれる。
ところで、カバーの絵があまりにもイケメンなので「やだなあ、最近の美青年イラストのカバーは」と思っていたのですが、中に出てくる肖像画も同じように美男子で驚いた。まあ、写真ではなく肖像画だからかなり美化してあるのかもしれないけれど、同時代人たちの肖像画にはこれほどの美男子は見当たらないところからして、実際にもかなりイケてたんじゃないかと思う。いや、だからどうしたってことはないんだけど・・・。
わが旧牧師館への小径 (平凡社ライブラリー)
原題:The Old Manse
作者:ナサニエル・ホーソーン
訳者:齊藤 昇
出版社:平凡社
ISBN:4582765610
by timeturner
| 2014-07-02 19:17
| 和書
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