2014年 04月 11日
高慢と偏見(上・下) |
いやあ、ずいぶん思い切りましたねえ。めっちゃ勝気ではねっかえりなエリザベスです。今の若い人にはこのくらいしたほうがわかりやすく、受け入れられるのかもしれませんね。その結果、オースティンって面白いじゃないか、と思ってもらえるのなら、それでいいのかもしれない。エリザベスが使う《すいません》には違和感がありましたが・・・。
なんにせよ、この小説は何度読んでも面白い。特にエリザベスがコリンズ牧師と結婚したシャーロットを訪ねていくあたりから一気に話にダイナミズムが出て、まさに息もつかせぬ展開となります。登場人物たちの造形についても、この作品がいちばん素晴らしいと思う。ベネット家の人々だけでなく。コリンズ、キャサリン夫人、ウィッカム、ミス・ビングリーといった強烈な個性の人たちから、ペンバリーのハウスキーパーやシャーロットといった端役に近い人たちまでが目に浮かぶように描かれている。
ところでこの文庫のカバー、上巻と下巻で絵の雰囲気がまったく違い(描かれている内容だけでなくタッチも)、統一感がないし、せっかくの新訳なのに新しさが感じられないなあと思っていました。この訳を好んで読みそうな読者対象の心をつかむカバーではないと思う。だからといって新潮社の旧訳も新訳も私の好みではないのですが、新訳のほうはまだ若い人向けかな。
で、中野先生のクラスに出たら、「ちくま文庫では訳者にカバーの絵を選ばせてくれるんですよ」とうれしそうに、使われた絵の説明をしてくださいました。えーっ、訳者がカバーデザインを決めるなんて聞いたことない。希望や参考意見は聞くでしょうが、ふつうは編集が専門家に依頼し、営業の意見も聞きながら決めるんじゃないのかなあ。餅は餅屋で、訳者にカバーまで決めさせるというのは編集部の怠慢でしかないと思うのだけれど。
高慢と偏見 上 (ちくま文庫 お 42-1)
高慢と偏見 下 (ちくま文庫 お 42-2)
原題:Pride and Prejudice
作者:ジェイン・オースティン
訳者:中野康司
出版社:筑摩書房
ISBN:4480038639、4480038647
なんにせよ、この小説は何度読んでも面白い。特にエリザベスがコリンズ牧師と結婚したシャーロットを訪ねていくあたりから一気に話にダイナミズムが出て、まさに息もつかせぬ展開となります。登場人物たちの造形についても、この作品がいちばん素晴らしいと思う。ベネット家の人々だけでなく。コリンズ、キャサリン夫人、ウィッカム、ミス・ビングリーといった強烈な個性の人たちから、ペンバリーのハウスキーパーやシャーロットといった端役に近い人たちまでが目に浮かぶように描かれている。
ところでこの文庫のカバー、上巻と下巻で絵の雰囲気がまったく違い(描かれている内容だけでなくタッチも)、統一感がないし、せっかくの新訳なのに新しさが感じられないなあと思っていました。この訳を好んで読みそうな読者対象の心をつかむカバーではないと思う。だからといって新潮社の旧訳も新訳も私の好みではないのですが、新訳のほうはまだ若い人向けかな。
で、中野先生のクラスに出たら、「ちくま文庫では訳者にカバーの絵を選ばせてくれるんですよ」とうれしそうに、使われた絵の説明をしてくださいました。えーっ、訳者がカバーデザインを決めるなんて聞いたことない。希望や参考意見は聞くでしょうが、ふつうは編集が専門家に依頼し、営業の意見も聞きながら決めるんじゃないのかなあ。餅は餅屋で、訳者にカバーまで決めさせるというのは編集部の怠慢でしかないと思うのだけれど。
高慢と偏見 上 (ちくま文庫 お 42-1)
高慢と偏見 下 (ちくま文庫 お 42-2)
原題:Pride and Prejudice
作者:ジェイン・オースティン
訳者:中野康司
出版社:筑摩書房
ISBN:4480038639、4480038647
by timeturner
| 2014-04-11 18:32
| 和書
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