2014年 04月 05日
目をさませトラゴロウ |
山の竹やぶに、とらが すんでいた。なまえは トラノ・トラゴロウと いった。
上記の同じ書き出しで始まるお話が8編収録されています。対象年齢はかなり低いと思う。大人が読んであげる読み聞かせの年齢から小学校低学年くらいかな。でも、不思議に面白い。
いちばん面白いのはトラゴロウのキャラクターがそのつど違うこと。最初の話では猿やうさぎや狐と仲良く遊ぶ、絵本によく出てくる良い猛獣。ああ、そういうキャラなのかと思って2編目を読むと、にわとりや豚や羊に怖がられているので、「トラゴロウはやさしい虎なのに」と思っていると、あれあれあれ、トラゴロウ、ほんとにみんなを食べちゃった!
どの話を読んでも、少しずつキャラが違うのです。だから、毎回意外な展開になって、毎回面白い。この手のキャラクター物は、2,3作読むと先の展開が読めてしまい、惰性で続いていく感が強いのですが、そういうのがないんですよね。
これは勝手な推察なんですが、作者は親が子どもに寝る前のお話を聞かせるように話を紡ぎ出していったんじゃないかなあ。その時々の気分で思いついたこと、聞き手の反応を見てその場ででっちあげたことをどんどん盛り込んでいくとこうなるんじゃないか。そのライヴ感みたいなものが、こうして活字になっても残っていて、だから面白いんだと思う。そして、これを読んだ(聞いた)子どもたちは、きっと自分たちでもトラゴロウのお話をどんどん作るようになるんじゃないかな。そういう力がある作品だと思いました。
今江祥智さんが『子どもの国からの挨拶』で絶賛していたので読んでみたのですが、なるほど確かにロングセラーになるだけのことはあります。
目をさませトラゴロウ (新・名作の愛蔵版)
作者:小沢 正
イラスト:井上洋介
出版社:理論社
ISBN:4652005083
上記の同じ書き出しで始まるお話が8編収録されています。対象年齢はかなり低いと思う。大人が読んであげる読み聞かせの年齢から小学校低学年くらいかな。でも、不思議に面白い。
いちばん面白いのはトラゴロウのキャラクターがそのつど違うこと。最初の話では猿やうさぎや狐と仲良く遊ぶ、絵本によく出てくる良い猛獣。ああ、そういうキャラなのかと思って2編目を読むと、にわとりや豚や羊に怖がられているので、「トラゴロウはやさしい虎なのに」と思っていると、あれあれあれ、トラゴロウ、ほんとにみんなを食べちゃった!
どの話を読んでも、少しずつキャラが違うのです。だから、毎回意外な展開になって、毎回面白い。この手のキャラクター物は、2,3作読むと先の展開が読めてしまい、惰性で続いていく感が強いのですが、そういうのがないんですよね。
これは勝手な推察なんですが、作者は親が子どもに寝る前のお話を聞かせるように話を紡ぎ出していったんじゃないかなあ。その時々の気分で思いついたこと、聞き手の反応を見てその場ででっちあげたことをどんどん盛り込んでいくとこうなるんじゃないか。そのライヴ感みたいなものが、こうして活字になっても残っていて、だから面白いんだと思う。そして、これを読んだ(聞いた)子どもたちは、きっと自分たちでもトラゴロウのお話をどんどん作るようになるんじゃないかな。そういう力がある作品だと思いました。
今江祥智さんが『子どもの国からの挨拶』で絶賛していたので読んでみたのですが、なるほど確かにロングセラーになるだけのことはあります。
目をさませトラゴロウ (新・名作の愛蔵版)
作者:小沢 正
イラスト:井上洋介
出版社:理論社
ISBN:4652005083
by timeturner
| 2014-04-05 19:41
| 和書
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