2014年 02月 20日
さばけ医龍安江戸日記 名残の桜 |
貧しい者にもわけへだてなく手をさしのべる「さばけ医」龍安。妻を病で失い、愛猫の小春と、弟子たちとの男所帯で暮らしている医師の龍安は、原因不明の病で寝込む下級侍の妻の治療にあたっていたが、どうも原因は病気ではなく精神的なものではないかという気がして転地療養を勧める。だが、当の侍のほうは役をとかれて無収入となり、のっぴきならない状態だった・・・。
《さばけ医龍安江戸日記》というシリーズの第二弾だそうで、貧しい者にもわけへだてなく手をさしのべるので「さばけ医」と呼ばれているそうなんですが、そもそもどういう意味? 「あの人はさばけている」というふうに使う場合の《世事に通じていて、物分かりがよい》という意味の《捌ける》からきてるのかな。最初に題名を見たときは《捌き医=解剖医》かと思いましたが。
《みをつくし》シリーズを除けばふだん時代小説は読まないのですが、これは図書館のリサイクルコーナーにあって、新品同様にきれいだったので試しにもらってきました。武士道を説くようなものは苦手ですが、医者が主人公ならヒューマニティがメインで源斎先生を懐かしむこともできるし。
読みだしてみると、侍の病身の妻が転地療養する場所が木母寺の近く、大川(隅田川)に面した家で、隅田川ウォーキングで歩いたあたりを思い出したり、そのほかにも出てくる町名が《みをつくし》シリーズでなじみ深いものだったりと、知らないジャンル、シリーズなのにすぐに馴染めました。
それにしても、日本を舞台に日本人が書いた小説はやっぱりわかりやすいなあ。たとえ今とは世情が大きく違う江戸時代の話とはいっても、日本人としての感性には共通するものがあるので――それに書いているのは現代の日本人ですしね――何も考えずにするすると読めます。あー、らくだ。翻訳小説好きの私でもそう思うんだから、世間の人たちが翻訳小説離れするのも仕方がないのかな。
全体としてはミステリー仕立てですが、最終的な解決法がはちゃめちゃというか、いいのか、これで?!というようなものだったのでびっくり。医者物のはずだったのにチャンバラ物になってる。時代劇ってこういうのが多いのかな。あ、でも、イギリスでもヴィクトリア朝を舞台にしたミステリーだと、意外に法の裁きよりも人の裁きが物を言うようなところがありますね。
さばけ医龍安江戸日記 名残の桜 (徳間文庫)
作者:稲葉 稔
出版社:徳間書店
ISBN:4198934274
《さばけ医龍安江戸日記》というシリーズの第二弾だそうで、貧しい者にもわけへだてなく手をさしのべるので「さばけ医」と呼ばれているそうなんですが、そもそもどういう意味? 「あの人はさばけている」というふうに使う場合の《世事に通じていて、物分かりがよい》という意味の《捌ける》からきてるのかな。最初に題名を見たときは《捌き医=解剖医》かと思いましたが。
《みをつくし》シリーズを除けばふだん時代小説は読まないのですが、これは図書館のリサイクルコーナーにあって、新品同様にきれいだったので試しにもらってきました。武士道を説くようなものは苦手ですが、医者が主人公ならヒューマニティがメインで源斎先生を懐かしむこともできるし。
読みだしてみると、侍の病身の妻が転地療養する場所が木母寺の近く、大川(隅田川)に面した家で、隅田川ウォーキングで歩いたあたりを思い出したり、そのほかにも出てくる町名が《みをつくし》シリーズでなじみ深いものだったりと、知らないジャンル、シリーズなのにすぐに馴染めました。
それにしても、日本を舞台に日本人が書いた小説はやっぱりわかりやすいなあ。たとえ今とは世情が大きく違う江戸時代の話とはいっても、日本人としての感性には共通するものがあるので――それに書いているのは現代の日本人ですしね――何も考えずにするすると読めます。あー、らくだ。翻訳小説好きの私でもそう思うんだから、世間の人たちが翻訳小説離れするのも仕方がないのかな。
全体としてはミステリー仕立てですが、最終的な解決法がはちゃめちゃというか、いいのか、これで?!というようなものだったのでびっくり。医者物のはずだったのにチャンバラ物になってる。時代劇ってこういうのが多いのかな。あ、でも、イギリスでもヴィクトリア朝を舞台にしたミステリーだと、意外に法の裁きよりも人の裁きが物を言うようなところがありますね。
さばけ医龍安江戸日記 名残の桜 (徳間文庫)
作者:稲葉 稔
出版社:徳間書店
ISBN:4198934274
by timeturner
| 2014-02-20 17:29
| 和書
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