2014年 02月 07日
貴婦人Aの蘇生 |
大学生の「私」は、北極グマの剥製に顔をつっこんで絶命した伯父の未亡人ユーリ伯母さんと、剥製と毛皮だらけの館で暮らすことになった。ボーイフレンドのニコも加わってのんびり過ごす午後はやすらかで、そういう暮らしがずっと続くように思われたが、剥製マニアの男オハラが訪ねてきたのをきっかけに、事態は思いがけない方向へ進んでいった・・・。
初めて読んだ小川洋子。意外にふつうだったので驚いた。ところどころ翻訳小説のような文体になるのが面白い。まあ、たいていの作家は本をたくさん読んでいるものだし、翻訳小説だって読んでいるわけだから影響されるのも当然なんだろうけど。
皇女アナスタシアかもしれないロシア人の伯母が朽ちかけた洋館で剥製に刺繍していたり、ボーイフレンドに強迫性障害があって奇妙な儀式を経なければ扉の中へ入れなかったり、奇想小説のようでありながら妙に現実的な部分もあって、このバランスが魅力なのかなとも思う。インパラの使い方にはおそれいった。
ただ、読み終えたときに、これほどしみじみと長々と書くほどの内容だったかな、という気もした。眺めの短編くらいにまとめたほうがきりっとして、余韻の残る作品になったんじゃないだろうか。まあ、単なる好みですけど。
貴婦人Aの蘇生 (朝日文庫)
作者:小川洋子
出版社:朝日新聞社
ISBN:4022643552
初めて読んだ小川洋子。意外にふつうだったので驚いた。ところどころ翻訳小説のような文体になるのが面白い。まあ、たいていの作家は本をたくさん読んでいるものだし、翻訳小説だって読んでいるわけだから影響されるのも当然なんだろうけど。
皇女アナスタシアかもしれないロシア人の伯母が朽ちかけた洋館で剥製に刺繍していたり、ボーイフレンドに強迫性障害があって奇妙な儀式を経なければ扉の中へ入れなかったり、奇想小説のようでありながら妙に現実的な部分もあって、このバランスが魅力なのかなとも思う。インパラの使い方にはおそれいった。
ただ、読み終えたときに、これほどしみじみと長々と書くほどの内容だったかな、という気もした。眺めの短編くらいにまとめたほうがきりっとして、余韻の残る作品になったんじゃないだろうか。まあ、単なる好みですけど。
貴婦人Aの蘇生 (朝日文庫)
作者:小川洋子
出版社:朝日新聞社
ISBN:4022643552
by timeturner
| 2014-02-07 21:48
| 和書
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