2013年 09月 17日
ポータブル・ゴースト |
ディッタは学校の図書館のすみにいるふしぎな少年が気になって仕方がない。大きな本に覆いかぶさるようにして読んでいるのだが、どうやらディッタ以外の人の目には見えないようなのだ。ある日思いきって声をかけ、その少年ヒリーが幽霊だとつきとめた。一方、友だちのマックスのようすが最近おかしいのも幽霊に関係あるとわかって・・・。
いやあ、コンピューターがこんなに怖い存在になるとは思いませんでした。ちょっと『リング』の貞子みたいと思ってしまった。マーガレット・マーヒーは『足音がやってくる』でもスリリングに畳み掛けるような話を書いていましたが、この本は最初から最後まで幽霊づくし。ゴースト・ストーリー好きにはたまりません。
しかも古めかしい幽霊とコンピュータ技術が結びついて、今の子どもが二重に興味をもちそうな構成になっているのも◎。それにしてもマーヒーさん、70歳でこれを書いたなんてびっくりです。自分でもPCを使いこなしていないとこうは書けませんよね。
唯一心配なのはコンピュータの話が出てくるだけに、すぐに古びて見えるんじゃないかということ。人間は誰もが自分なりの物語を持っており、それを人に聞いてもらうことで救われるというテーマそのものはいつまでも古びることはないけど、コンピュータに関する部分だけがね。だって、いま例えばフロッピーディスクを使ってる物語を読んだら「ふっるーい!」と思うでしょう。まあ、2006年に刊行された作品が2013年の今読んでも充分新しくて面白いんだから、よけいなお世話かもしれません。
ポータブル・ゴースト
原題:Portable Ghosts
作者:マーガレット・マーヒー
イラスト:山本重史
訳者:幾島幸子
出版社:岩波書店
ISBN:4001155818
いやあ、コンピューターがこんなに怖い存在になるとは思いませんでした。ちょっと『リング』の貞子みたいと思ってしまった。マーガレット・マーヒーは『足音がやってくる』でもスリリングに畳み掛けるような話を書いていましたが、この本は最初から最後まで幽霊づくし。ゴースト・ストーリー好きにはたまりません。
しかも古めかしい幽霊とコンピュータ技術が結びついて、今の子どもが二重に興味をもちそうな構成になっているのも◎。それにしてもマーヒーさん、70歳でこれを書いたなんてびっくりです。自分でもPCを使いこなしていないとこうは書けませんよね。
唯一心配なのはコンピュータの話が出てくるだけに、すぐに古びて見えるんじゃないかということ。人間は誰もが自分なりの物語を持っており、それを人に聞いてもらうことで救われるというテーマそのものはいつまでも古びることはないけど、コンピュータに関する部分だけがね。だって、いま例えばフロッピーディスクを使ってる物語を読んだら「ふっるーい!」と思うでしょう。まあ、2006年に刊行された作品が2013年の今読んでも充分新しくて面白いんだから、よけいなお世話かもしれません。
ポータブル・ゴースト
原題:Portable Ghosts
作者:マーガレット・マーヒー
イラスト:山本重史
訳者:幾島幸子
出版社:岩波書店
ISBN:4001155818
by timeturner
| 2013-09-17 19:33
| 和書
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