2013年 07月 22日
神は死んだ |
紛争の最中のスーダンに人間の娘の姿をとって現れた神は、難民キャンプでパウエル国務長官に過去の罪を贖わせようとするのだが・・・。神が死んだところから始まって、9つの短編が少しずつ重なってひとつの世界とその歴史を次第に見せていくという、連作短編集です。
最初から最後まで「えーっ?!」「うわーっ!」と心の中で叫び続けながら読みました。突拍子もないアイディアをなんの説明もなくいきなりポンと投げて、どうでもいいような細部はきっちり肉付けするという、普通とは逆転しているような書き分けが変てこなリアリティを引き出しています。陰惨なのにあっけらかんとしていて、センチメンタルなようでいて索漠としていて、なんとも名付けようのない読後感。でも、とにかく面白い!
読者の感情移入なんてはなから相手にせず、ふふふんと鼻歌まじりに暴走してあっちにぶつかり、こっちで邪魔なものをばんばん撥ね散らかし、行き着く先はどこなのか?
「神は死んだ」と聞くとニーチェを思い出しますが、作者はドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の一節、「神がなければすべてが許される」からインスパイアされたのだとか。
神は死んだ (エクス・リブリス)
原題:God is Dead
作者:ロン・カリー・ジュニア
訳者:藤井 光
出版社:白水社
ISBN:4560090270
最初から最後まで「えーっ?!」「うわーっ!」と心の中で叫び続けながら読みました。突拍子もないアイディアをなんの説明もなくいきなりポンと投げて、どうでもいいような細部はきっちり肉付けするという、普通とは逆転しているような書き分けが変てこなリアリティを引き出しています。陰惨なのにあっけらかんとしていて、センチメンタルなようでいて索漠としていて、なんとも名付けようのない読後感。でも、とにかく面白い!
神は死んだなんだか無理やり麻薬をやらされたような気分になりました。初めてのときは吐き気がするけど、だんだんハイになって、読み終えたときには完全なジャンキーになっているような。
橋
小春日和
偽りの偶像
恩寵
神を食べた犬へのインタビュー
救済のヘルメットと精霊の剣
僕の兄、殺人犯
退却
読者の感情移入なんてはなから相手にせず、ふふふんと鼻歌まじりに暴走してあっちにぶつかり、こっちで邪魔なものをばんばん撥ね散らかし、行き着く先はどこなのか?
「神は死んだ」と聞くとニーチェを思い出しますが、作者はドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の一節、「神がなければすべてが許される」からインスパイアされたのだとか。
神は死んだ (エクス・リブリス)
原題:God is Dead
作者:ロン・カリー・ジュニア
訳者:藤井 光
出版社:白水社
ISBN:4560090270
by timeturner
| 2013-07-22 17:02
| 和書
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