2013年 07月 05日
「貴婦人と一角獣」展@国立新美術館 |
やっと行けました、「貴婦人と一角獣」展。朝起きたらなにやら不穏な天気だったので、こんな日なら空いているかもしれないと思い、朝ごはんもそこそこに出かけました。9時からだと思っていたのですが、郵便局や図書館に寄ってから行ったのでちょうど開けたてだったらしく、思惑通り空いていました。途中から少しずつ増えてはきましたが、全般的にそれほどの混雑ではなかったです。絵画と違って興味をもつ人が少ないというのもあったのかな。圧倒的に女性が多かったです。
入るともうすぐに広い部屋に6枚のタピスリーが円周状にかけてあります。遠くからも近くからも眺められるようになっているので、ただでさえ少ない人がばらけて、とてもみやすい。私は最近ほんとうに目が悪くなってしまい、遠くからではぼーっとしか見えないので、もっぱら近視眼的に近くで見て、最後に部屋の真ん中に立ってぐるっと全体を眺めました。
それにしてもやはりこれは実物を見るに限ります。タピスリーは布ですから絵画よりも立体的で、だから写真に撮られると失われるものがたくさんあるんですよね。特に驚いたのは貴婦人たちが着ている衣装の豪華さと質感。金糸を使ったところは修復されたおかげもあるのか、まるで織りたてのようにきらきらしています。また、ゴブラン織りの布地やビロード、絹などの質感もちゃんと出ているし、服のやわらかい襞やベールの透明さも絵や写真のようにわかります。織物でどうしてここまでできるんだろうと溜息が出ました。
これに行く前にと思い『貴婦人と一角獣』を翻訳で再読していたのですが、おかげで一枚一枚のタピスリーにまつわる小説の中のエピソードが実際に起きたことのように感じられて、わくわく感はあったのですが、一方でちょっとそれはまずいんじゃないかという気もして複雑でした。藍の色を見るとあの野獣のような男を思い出しちゃったりしてね。
行ったり来たりして一枚ずつ見比べていくと、それぞれ織った人の特徴が出ているような気がしました。女性の顔が得意な人、動物の毛並みを巧みに表現する人、ミルフルール(千花文様)が好きな人などいろいろです。だから一枚一枚異なる魅力がある。機械での大量生産でない手作りならではです。
その他に一角獣の図像学、当時の貴婦人の衣服と装身具、紋章、それにタピスリー数点など、クリュニー中世美術館のコレクションから40点ほどが展示されていました。アクセサリーのところにものすごく豪華な宝石と金属で作られたベルトがあったんですが、あれ、身につけていたら腰痛になったんじゃないかしら。タピスリーに描かれているような細腰の貴婦人だったらよけいに。
それにしても、他のタピスリーと比較すると「貴婦人と一角獣」の素晴らしさが引き立ちますね。構図、色のバランス、そしてなによりもミルフルールが魅力です。他のタピスリーにもミルフルールは使われているのですが、赤地のミルフルールがこれだけ広い範囲に使われているのはなく、そこが魅力なんだと思いました。
映写室が二つあり、会場の途中にあるほうでは約204億画素のデジタルデータで肉眼では見えない細部まで見せ、出口付近では「貴婦人と一角獣」に関する情報をまとめたフィルムを流しています。
すっかり満足して会場を出ると・・・恐怖のグッズ売場が。ふつうの絵画展ではせいぜいポストカードを2、3枚買うだけの私ですが、ミルフルールってグッズ向きなんですよねえ。もう、欲しいものだらけで悩みまくりました。結局、クリアファイル、ハンカチ、ボールペンとポストカードのセット、それにチョコレート(缶が目当て)を買いました。大散財、でも、うれしい。
入るともうすぐに広い部屋に6枚のタピスリーが円周状にかけてあります。遠くからも近くからも眺められるようになっているので、ただでさえ少ない人がばらけて、とてもみやすい。私は最近ほんとうに目が悪くなってしまい、遠くからではぼーっとしか見えないので、もっぱら近視眼的に近くで見て、最後に部屋の真ん中に立ってぐるっと全体を眺めました。
それにしてもやはりこれは実物を見るに限ります。タピスリーは布ですから絵画よりも立体的で、だから写真に撮られると失われるものがたくさんあるんですよね。特に驚いたのは貴婦人たちが着ている衣装の豪華さと質感。金糸を使ったところは修復されたおかげもあるのか、まるで織りたてのようにきらきらしています。また、ゴブラン織りの布地やビロード、絹などの質感もちゃんと出ているし、服のやわらかい襞やベールの透明さも絵や写真のようにわかります。織物でどうしてここまでできるんだろうと溜息が出ました。
これに行く前にと思い『貴婦人と一角獣』を翻訳で再読していたのですが、おかげで一枚一枚のタピスリーにまつわる小説の中のエピソードが実際に起きたことのように感じられて、わくわく感はあったのですが、一方でちょっとそれはまずいんじゃないかという気もして複雑でした。藍の色を見るとあの野獣のような男を思い出しちゃったりしてね。
行ったり来たりして一枚ずつ見比べていくと、それぞれ織った人の特徴が出ているような気がしました。女性の顔が得意な人、動物の毛並みを巧みに表現する人、ミルフルール(千花文様)が好きな人などいろいろです。だから一枚一枚異なる魅力がある。機械での大量生産でない手作りならではです。
その他に一角獣の図像学、当時の貴婦人の衣服と装身具、紋章、それにタピスリー数点など、クリュニー中世美術館のコレクションから40点ほどが展示されていました。アクセサリーのところにものすごく豪華な宝石と金属で作られたベルトがあったんですが、あれ、身につけていたら腰痛になったんじゃないかしら。タピスリーに描かれているような細腰の貴婦人だったらよけいに。
それにしても、他のタピスリーと比較すると「貴婦人と一角獣」の素晴らしさが引き立ちますね。構図、色のバランス、そしてなによりもミルフルールが魅力です。他のタピスリーにもミルフルールは使われているのですが、赤地のミルフルールがこれだけ広い範囲に使われているのはなく、そこが魅力なんだと思いました。
映写室が二つあり、会場の途中にあるほうでは約204億画素のデジタルデータで肉眼では見えない細部まで見せ、出口付近では「貴婦人と一角獣」に関する情報をまとめたフィルムを流しています。
すっかり満足して会場を出ると・・・恐怖のグッズ売場が。ふつうの絵画展ではせいぜいポストカードを2、3枚買うだけの私ですが、ミルフルールってグッズ向きなんですよねえ。もう、欲しいものだらけで悩みまくりました。結局、クリアファイル、ハンカチ、ボールペンとポストカードのセット、それにチョコレート(缶が目当て)を買いました。大散財、でも、うれしい。
by timeturner
| 2013-07-05 17:42
| 美術
|
Comments(5)
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八朔
at 2013-07-05 21:06
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おー、行かれたのですね。やはり本物、良さそう^^
小説、知りませんでした。ふむふむ、子供には読ませられなそうです。
なまミルフルール是非見てみたいけど、もうすぐ終わってしまいますね。来週、なんとか行けるかな。グッズもきれいです、欲しい~。
小説、知りませんでした。ふむふむ、子供には読ませられなそうです。
なまミルフルール是非見てみたいけど、もうすぐ終わってしまいますね。来週、なんとか行けるかな。グッズもきれいです、欲しい~。
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timeturner at 2013-07-05 21:14
この機会を逃したらあとはフランスに行くしかありません。確か美術館を改築するので初めて外部に貸し出したはずなので。ぜひぜひ行ってください!
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八朔
at 2013-07-05 22:53
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え?フランス?それは大変!!
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timeturner at 2013-07-05 23:28
あっと! 東京のあと大阪に回るんでした。7月27日(土)-10月20日は国立国際美術館で見られます(^^;)。
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八朔
at 2013-07-06 07:34
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新幹線に乗って観に行けるほどセレブではないので(本当のセレブだったらフランスまでですね)、なんとしても六本木で捕まえなくては
!(^^)!
!(^^)!