2013年 04月 29日
カルテット!人生のオペラハウス |

老人音楽映画とでも言うのでしょうか。主な出演者が全員老人。というよりベテラン俳優。老いてもなお人生の楽しみをあきらめたくはないとあがいたり、過去の恨みをひきずりつつも今直残る愛情に揺れる心、まだらボケになった友人をさりげなく気遣う仲間たち・・・老いにまつわるさまざまなエピソードが淡々と描かれます。
無理にくすぐるような笑いや、あざとい泣かせがない品の良さは好感が持てるのですが、正直言って、もう少しメリハリがあってもよかったと思う。音楽映画のわりに、音楽で盛り上がる部分がなかったのも残念。もっとも、クライマックスシーンで四人の老優たちに口パクをさせなかったのは正しい判断だと思いました。
これ、見終わってから気づいたのですが、ダスティン・ホフマンの初監督作品なんですね。彼がこれまで監督をしたことがないというのは驚きです。
マイケル・ガンボンがハリー・ポッターシリーズのダンブルドア先生のような衣装で出ていたのは、わざとなんでしょうか。
エンド・クレジットのときに、老人の出演者たちの現在の写真と過去の写真(と経歴)が出てくるのですが、本物の、しかも一流の音楽家たちが出演していたことに驚きました。最後に出てくる主演四人組(カルテット)の若い頃の美男・美女ぶりにもびっくりです。
見始めたときにどこかで同じような映画を見たことがあると思ったのですが、ダニエル・シュミットの「トスカの接吻」でした。あれはドキュメンタリーで、ミラノに実在する本物の(引退した音楽家のための)老人ホームが舞台でした。ひょっとして脚本はあの映画にインスパイアされたのかもしれない。あのホームも確かヴェルディを記念したものだったし・・・・・・と思いながら公式サイトを見たら、やっぱりあれが原案でした。
公式サイトはこちら。
原題:Quartet(2012)
上映時間:99 分
製作国:イギリス
監督:ダスティン・ホフマン
出演:マギー・スミス、トム・コートネイ、ビリー・コノリー、ポーリーン・コリンズ、マイケル・ガンボンほか。
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by timeturner
| 2013-04-29 17:30
| 映画
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