2013年 02月 06日
うちのおばあちゃん |
学校の先生をしているピーゼラングさんの家には子どもが6人。家も小さいし、農場も動物もいない。でも、子どもたちには自慢に思えるものがあった。それは、おばあちゃん・・・。
ドイツで1960年代から読みつがれ、ロングセラーとして今なお子どもたちに人気の物語なんだそうです。なるほど、読んでみるとそれも納得です。ロングドレスにローラースケートを履いて買物に行くなど、ちょっと変わったところはあるけれど、エキセントリックというのではなく、ちょっと子どもっぽいところが残った、でも知恵はたっぷりの変わり者ぶりなので、安心して読んでいられる。
そしてもちろん、子どもたちがこのおばあちゃんを好きなのは、普通の大人たちのように上から目線で「あれをしろ」「これをするな」と命令しないから。最終的にはきちんと物事の是非を教えますが、それが決して押し付けるのではなく、子どもたちが自分で考え決められるようにもっていく、そのやり方が絶妙なのです。まあ、ここに出てくる村の子どもたちが基本的にすれていなくて純真だというのもありますが。
1964年に出た本なので、自然が残った田舎での暮らしぶりはまだまだ素朴で、羨ましくなるほど牧歌的です。ポツダムで生まれたという作者の憬れもあったのかな。後半ではおばあちゃんの弟を訪ねて大都会に出かけるのですが、その弟は動物園の園長で園内に家があるので、おばあちゃんも子どもたちも(そして読者も)都会の様子は最後まで知ることはありません。
子どもたちのひとりヤンが、アメリカのカウボーイやインディアンに憬れて家出をするところなど、いかにもこの当時の雰囲気が出ていて、大人にとってはそういうところも興味深いです。
うちのおばあちゃん
原題:Unsre Oma
作者:イルゼ・クレーベルガー
イラスト:ハンス・ベーレンス
訳者:斎藤尚子
出版社:徳間書店
ISBN:4198611491
ドイツで1960年代から読みつがれ、ロングセラーとして今なお子どもたちに人気の物語なんだそうです。なるほど、読んでみるとそれも納得です。ロングドレスにローラースケートを履いて買物に行くなど、ちょっと変わったところはあるけれど、エキセントリックというのではなく、ちょっと子どもっぽいところが残った、でも知恵はたっぷりの変わり者ぶりなので、安心して読んでいられる。
そしてもちろん、子どもたちがこのおばあちゃんを好きなのは、普通の大人たちのように上から目線で「あれをしろ」「これをするな」と命令しないから。最終的にはきちんと物事の是非を教えますが、それが決して押し付けるのではなく、子どもたちが自分で考え決められるようにもっていく、そのやり方が絶妙なのです。まあ、ここに出てくる村の子どもたちが基本的にすれていなくて純真だというのもありますが。
1964年に出た本なので、自然が残った田舎での暮らしぶりはまだまだ素朴で、羨ましくなるほど牧歌的です。ポツダムで生まれたという作者の憬れもあったのかな。後半ではおばあちゃんの弟を訪ねて大都会に出かけるのですが、その弟は動物園の園長で園内に家があるので、おばあちゃんも子どもたちも(そして読者も)都会の様子は最後まで知ることはありません。
子どもたちのひとりヤンが、アメリカのカウボーイやインディアンに憬れて家出をするところなど、いかにもこの当時の雰囲気が出ていて、大人にとってはそういうところも興味深いです。
うちのおばあちゃん
原題:Unsre Oma
作者:イルゼ・クレーベルガー
イラスト:ハンス・ベーレンス
訳者:斎藤尚子
出版社:徳間書店
ISBN:4198611491
by timeturner
| 2013-02-06 19:17
| 和書
|
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