2005年 05月 24日
文学刑事サーズデイ・ネクスト1 ジェイン・エアを探せ! |
お友達に教えていただいて読みました。めっちゃ面白い。こんな小説読むのは初めて、という気がしました。これだけ長く生きてくるとそんなのって珍しいですよね。
AUというのか、今とは違う文明の発達の仕方をした世界を舞台にしています。時間旅行ができるのに長距離移動に使うのはジェット機ではなく飛行船。そしてこの世界の大衆の楽しみはと言うと、野球でもサッカーでもなくて文学。文学が宗教のように人々の暮らしを支配しています。だから文学がらみで起こる犯罪も増加の一途で、そこで文学刑事という職業が出てくるわけ。というようなぶっとんだ背景が頭にしみこむまでがちょっともたつきました。最初の20~30ページは「私向きじゃなかったかな」と不安になったのですが、なじんでしまえば後は一気でした。
主人公のサーズデイ・ネクストは正義感が強くて恐れ知らず、かっこいい女性なんですがちょっと面白みに欠ける。その代わりに彼女に対抗する悪役がすごく面白い。最初は怖い系かなと思ったのですが、結局はコメディ系だったような。吸血鬼や狼男担当の刑事とかサーズデイのお父さんとか、ちょっとしか出てこないのにユニークな脇役が効いています。
シリーズ物で2作目まで翻訳も出ているようですが、つづきは原文で読みたいな。この前の『犬勘定』とは逆になんだか翻訳が原作の雰囲気に合ってないような気がしました。読んでる途中で違和感が大きくてイライラすることもしばしば。特にサーズデイのセリフが「え、違うんじゃないの?」と思うのが多くて。あ、もちろん誤訳を指摘するなどという大それたことを言っているのではありません。彼女みたいな人はこんな話し方はしないよなあ、という違和感。だから本当は笑いながら読む本だったのに途中まで(というか4分の3くらいまで読むまで)それに気づきませんでした。私が鈍いのかな。
ところで2作目の『さらば大鴉』は『The Well of Lost Plots』でよいのでしょうか?
原題:The Eyre Affair
作者:ジャスパー フォード
訳者:田村 源二
出版社:ソニーマガジンズ
ISBN:978-4789721387
AUというのか、今とは違う文明の発達の仕方をした世界を舞台にしています。時間旅行ができるのに長距離移動に使うのはジェット機ではなく飛行船。そしてこの世界の大衆の楽しみはと言うと、野球でもサッカーでもなくて文学。文学が宗教のように人々の暮らしを支配しています。だから文学がらみで起こる犯罪も増加の一途で、そこで文学刑事という職業が出てくるわけ。というようなぶっとんだ背景が頭にしみこむまでがちょっともたつきました。最初の20~30ページは「私向きじゃなかったかな」と不安になったのですが、なじんでしまえば後は一気でした。
主人公のサーズデイ・ネクストは正義感が強くて恐れ知らず、かっこいい女性なんですがちょっと面白みに欠ける。その代わりに彼女に対抗する悪役がすごく面白い。最初は怖い系かなと思ったのですが、結局はコメディ系だったような。吸血鬼や狼男担当の刑事とかサーズデイのお父さんとか、ちょっとしか出てこないのにユニークな脇役が効いています。
シリーズ物で2作目まで翻訳も出ているようですが、つづきは原文で読みたいな。この前の『犬勘定』とは逆になんだか翻訳が原作の雰囲気に合ってないような気がしました。読んでる途中で違和感が大きくてイライラすることもしばしば。特にサーズデイのセリフが「え、違うんじゃないの?」と思うのが多くて。あ、もちろん誤訳を指摘するなどという大それたことを言っているのではありません。彼女みたいな人はこんな話し方はしないよなあ、という違和感。だから本当は笑いながら読む本だったのに途中まで(というか4分の3くらいまで読むまで)それに気づきませんでした。私が鈍いのかな。
ところで2作目の『さらば大鴉』は『The Well of Lost Plots』でよいのでしょうか?
原題:The Eyre Affair
作者:ジャスパー フォード
訳者:田村 源二
出版社:ソニーマガジンズ
ISBN:978-4789721387
by timeturner
| 2005-05-24 17:11
| 和書
|
Comments(4)
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さやか
at 2005-05-24 21:25
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あ、なんか呼ばれたような。
えと、2作目は " Lost in a Good Book" ですね。" The Well of Lost Plots" は3作目。原書で読むという判断はたぶん正しいです。(^^;)
ちなみにジャスパー・フォードのサイトはここ。
http://www.jasperfforde.com/
えと、2作目は " Lost in a Good Book" ですね。" The Well of Lost Plots" は3作目。原書で読むという判断はたぶん正しいです。(^^;)
ちなみにジャスパー・フォードのサイトはここ。
http://www.jasperfforde.com/
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shoh
at 2005-05-25 01:07
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お呼びたてしてすみません(^_^;)。よかった聞いて。3作目から買っちゃうところでした。
しかし素人考えなんですが女性が主人公の小説は女性翻訳家が訳すほうがいいんじゃないかと思うんですが、そんなもんではないのでしょうか? まあ、それ言ったら男性作家の小説が女性に回ってこなくなって不利か(^_^;)。
しかし素人考えなんですが女性が主人公の小説は女性翻訳家が訳すほうがいいんじゃないかと思うんですが、そんなもんではないのでしょうか? まあ、それ言ったら男性作家の小説が女性に回ってこなくなって不利か(^_^;)。
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さやか
at 2005-05-25 10:12
x
たしかに女性が主人公のものは女性が訳したほうが違和感が少ないケースが多いですよね。逆もまたしかりです。もちろん男女の差だけじゃなくて、その訳者の読書体験も大きく影響してくるでしょうねえ。
あと、こういうユーモラスな本の翻訳は、男女に関係なく、総じてむずかしいというのもあるかも。
あと、こういうユーモラスな本の翻訳は、男女に関係なく、総じてむずかしいというのもあるかも。
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timeturner at 2005-05-25 13:43
教えていただいたジャスパー・フォードのサイト見ました。ふざけてて面白い。スウィンドンの写真には笑いました。キャプションがまたおかしいのよね。新しい本のカヴァーが可愛いのでどうせ買うならこのヴァージョンがいいと思ったんですが、アマゾンにあるそれと思われる発行年月日のものには写真がついていなくてちと心配。あそこって問い合わせても「あるものを発送するだけです」って言われちゃうのよね、確か。前に友人がレゴラスがカヴァーのLOTRを注文して届いたのがサルマンだったとき、そう言われたって言ってました。返品はできたようですが。
ユーモア小説の翻訳は確かに普通の翻訳以上の技量がいるかもしれませんね。というか本人の持って生まれた資質が大切になってくるのかも。きまじめな人はいくら努力してもほのぼのおかしい文章って書けなそうな気がします。
ユーモア小説の翻訳は確かに普通の翻訳以上の技量がいるかもしれませんね。というか本人の持って生まれた資質が大切になってくるのかも。きまじめな人はいくら努力してもほのぼのおかしい文章って書けなそうな気がします。