2012年 10月 15日
三十三本の歯 |
ラオスでただひとりの検死官であるシリ先生のもとに自転車に相乗りした二人の死体が運ばれてきた。どう考えても関連がなさそうな二人が一緒に死んだわけをつきとめようとしているなか、今度は女性が猛獣に首を咬まれて死ぬという事件が続発した。そんななか、シリ先生は上からの急な指令で古都ルアン・パバーンに赴き、黒焦げ死体の謎を解くが、そこで出会った呪術師から自らの出自について驚くべき話を聞かされ・・・。
前作『老検死官シリ先生がゆく』に負けず劣らず面白かった。前作よりオカルト度が高くなった気がしますが、だからといってなんでもかんでも霊感で解決するというわけではなく、それなりに筋の通った謎解きが用意されています。
前作では芸能誌ばかり読んでいると思われたドゥーイ看護婦が今作では思いがけない一面が明らかになり、事件解決のためにもおおいに力となるのですが、そのせいでシリ先生が検死官としての腕前を発揮するシーンが減ってしまっているのはちょっと残念。これだと医者というより霊媒になっちゃう。このシリーズ、すでに8作目まで出ているそうですが、次作ではもう少し医学的な検証場面が出てくるといいな。でもまあ、そのへんは作者がどっちの方向に興味があるかにもかかわってくるのかもしれませんね。
今回印象的だったのは動物たち。先生の飼い犬サルーブの話も、逃げ出した黒クマの話も心に深い余韻を残しました。
それにしても3作目の翻訳が出るのはいつになるのかなあ。1作目が2008年、2作目が2012年ということはひょっとして2016年?!
三十三本の歯
原題:Thirty-Three Teeth
作者:コリン・コッタリル
訳者:雨沢泰
出版社:ヴィレッジブックス
ISBN:4863323832
前作『老検死官シリ先生がゆく』に負けず劣らず面白かった。前作よりオカルト度が高くなった気がしますが、だからといってなんでもかんでも霊感で解決するというわけではなく、それなりに筋の通った謎解きが用意されています。
前作では芸能誌ばかり読んでいると思われたドゥーイ看護婦が今作では思いがけない一面が明らかになり、事件解決のためにもおおいに力となるのですが、そのせいでシリ先生が検死官としての腕前を発揮するシーンが減ってしまっているのはちょっと残念。これだと医者というより霊媒になっちゃう。このシリーズ、すでに8作目まで出ているそうですが、次作ではもう少し医学的な検証場面が出てくるといいな。でもまあ、そのへんは作者がどっちの方向に興味があるかにもかかわってくるのかもしれませんね。
今回印象的だったのは動物たち。先生の飼い犬サルーブの話も、逃げ出した黒クマの話も心に深い余韻を残しました。
それにしても3作目の翻訳が出るのはいつになるのかなあ。1作目が2008年、2作目が2012年ということはひょっとして2016年?!
三十三本の歯
原題:Thirty-Three Teeth
作者:コリン・コッタリル
訳者:雨沢泰
出版社:ヴィレッジブックス
ISBN:4863323832
by timeturner
| 2012-10-15 18:59
| 和書
|
Comments(0)