2012年 09月 15日
半月館のひみつ |
アーロンは母親とふたりで海のそばに暮らしていたが、ある日、町に出かけた母親が予定の日を過ぎても帰ってこなかった。外は大雪。心配でたまらなくなったアーロンは、母親をさがしに家を出たが、森の中で道に迷ってしまう。偶然出会ったぼろ屋の馬車に乗せてもらい、ようやくたどりついたのは「半月館」という名のさびれた宿屋だった・・・。
少年アーロンが口をきけない、というのが話の要になっています。文字は読み書きできるのですが、昔の話で文字を読める人が少ないので意志の疎通ができません。そのもどかしさ、なにやら不気味だけれど何がどうなっているのかわからない半月館の事情など、先へ先へと読ませる要素がてんこもりで、うまいなあと感心しました。
半月館が凍えるように寒い理由など、ファンタジーらしい設定なのですが、それに対してアーロンと母親との暮らしは質素で堅実で実にリアル。そのバランスがとてもよくとれているので、どんなに不思議なことがあっても信じられる内容になっている。
読み終わってから検索してみたら作者のポール・フライシュマンは『ウエズレーの国』(感想はあげていませんが身近なことを書いているのにとても壮大ですてきな話です)や『おとうさんの庭』といった私の好きな絵本の著者(文)でした。ほかの作品も読んでみよう。
半月館のひみつ
原題:Half-A-Moon Inn
作者:ポール・フライシュマン
イラスト:浅野輝雄
訳者:谷口由美子
出版社:偕成社
ISBN:4036083007
少年アーロンが口をきけない、というのが話の要になっています。文字は読み書きできるのですが、昔の話で文字を読める人が少ないので意志の疎通ができません。そのもどかしさ、なにやら不気味だけれど何がどうなっているのかわからない半月館の事情など、先へ先へと読ませる要素がてんこもりで、うまいなあと感心しました。
半月館が凍えるように寒い理由など、ファンタジーらしい設定なのですが、それに対してアーロンと母親との暮らしは質素で堅実で実にリアル。そのバランスがとてもよくとれているので、どんなに不思議なことがあっても信じられる内容になっている。
読み終わってから検索してみたら作者のポール・フライシュマンは『ウエズレーの国』(感想はあげていませんが身近なことを書いているのにとても壮大ですてきな話です)や『おとうさんの庭』といった私の好きな絵本の著者(文)でした。ほかの作品も読んでみよう。
半月館のひみつ
原題:Half-A-Moon Inn
作者:ポール・フライシュマン
イラスト:浅野輝雄
訳者:谷口由美子
出版社:偕成社
ISBN:4036083007
by timeturner
| 2012-09-15 20:00
| 和書
|
Comments(0)