2012年 06月 27日
Person or Persons Unknown |
1770年のロンドン。盲目の判事サー・ジョンの家で家の内外の仕事を手伝いながら暮らすジェレミーは15歳になり、コヴェントガーデンで見かけたイタリア人の芸人一家の娘マリアにひそかな恋心を抱いていたが、マリアは今では娼婦に身を落としていた。そんな中、ロンドンの街で娼婦をターゲットにした凄惨な連続殺人が起こり・・・。
『グッドホープ邸の殺人』『グラブ街の殺人』に続く盲目の判事ジョン・フィールディングシリーズ第四弾です。結局翻訳はもう出そうになく、原書がヤフオクに60円(!)で出ていたので買ってしまいました。第三弾『Watery Grave』が抜けてしまいましたが、話はそれぞれで完結しているのであまり問題はないと思う。五冊目以降は以下の通り。
5. Jack, Knave, and Fool (1998)
6. Death of a Colonial (1999)
7. The Color of Death (2000)
8. Smuggler's Moon (2001)
9. An Experiment in Treason (2002)
10. The Price of Murder (2003)
11. Rules of Engagement (2005)
最初の本では13歳だったジェレミーがずいぶん大人びて恋までしているのには感慨しきり。前2冊の本に出てきたアイルランド人の医師ドネリーがロンドンに戻ってきて、またボウ・ストリートの仲間として活躍したり、あまりたくさんではありませんが元海賊のビルボも顔を出したりと、シリーズの愛読者が喜びそうなサービスがいっぱいです。
そして相変わらず18世紀ロンドンの街並みや人々の暮らしがまるで見て書いているように克明に綴られていて、殺人事件の謎解きと二重に楽しめる内容です。法廷でのサー・ジョンによる裁判や、タイバーンの丘で行われる絞首刑の様子などにも興味津々。今回は当時のジャーナリズムである街角で配られるブロードシートの話も出てきて、これがとても勉強になりました。こういう知識を忘れずに脳の中にストックしておければ、翻訳をするときにすごく役に立つんですが、あっという間に「なんかそんなようなことを読んだような気がするなあ」という状態になってしまうのが悲しい。
Person or Persons Unknown
作者:Bruce Alexander
出版社:Berkley
ISBN:0425165663
『グッドホープ邸の殺人』『グラブ街の殺人』に続く盲目の判事ジョン・フィールディングシリーズ第四弾です。結局翻訳はもう出そうになく、原書がヤフオクに60円(!)で出ていたので買ってしまいました。第三弾『Watery Grave』が抜けてしまいましたが、話はそれぞれで完結しているのであまり問題はないと思う。五冊目以降は以下の通り。
5. Jack, Knave, and Fool (1998)
6. Death of a Colonial (1999)
7. The Color of Death (2000)
8. Smuggler's Moon (2001)
9. An Experiment in Treason (2002)
10. The Price of Murder (2003)
11. Rules of Engagement (2005)
最初の本では13歳だったジェレミーがずいぶん大人びて恋までしているのには感慨しきり。前2冊の本に出てきたアイルランド人の医師ドネリーがロンドンに戻ってきて、またボウ・ストリートの仲間として活躍したり、あまりたくさんではありませんが元海賊のビルボも顔を出したりと、シリーズの愛読者が喜びそうなサービスがいっぱいです。
そして相変わらず18世紀ロンドンの街並みや人々の暮らしがまるで見て書いているように克明に綴られていて、殺人事件の謎解きと二重に楽しめる内容です。法廷でのサー・ジョンによる裁判や、タイバーンの丘で行われる絞首刑の様子などにも興味津々。今回は当時のジャーナリズムである街角で配られるブロードシートの話も出てきて、これがとても勉強になりました。こういう知識を忘れずに脳の中にストックしておければ、翻訳をするときにすごく役に立つんですが、あっという間に「なんかそんなようなことを読んだような気がするなあ」という状態になってしまうのが悲しい。
Person or Persons Unknown
作者:Bruce Alexander
出版社:Berkley
ISBN:0425165663
by timeturner
| 2012-06-27 19:05
| 洋書
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