2012年 05月 29日
灯台守の話 |
孤児となった少女シルバーは、盲目の老灯台守ピューにひきとられ、毎晩ピューが語る不思議な物語を聞いて育った。なかでも100年前に村の牧師をしていたバベル・ダークの数奇な人生の物語はシルバーの心をとらえた。やがて灯台が自動化されることになってピューは去り、シルバーも真実の愛を求めてひとり旅立つ・・・。
うーん。なにか違う。
崖の上に斜めに建った家の中でシルバーと母親が命綱でお互いをつなぎながら生活するという冒頭の部分は、豊かなイマジネーションにあふれた『さくらんぼの性は』を彷彿とさせて、期待に胸が躍ったんですが、そのあとが続きませんでした。
特に話の主軸となるダーク牧師の話があまりにもありがちで退屈で、どうしちゃったのかと思った。あとがきを読むと、作者は『さくらんぼの性を』のあとで文学界で孤立し、精神的にかなり不安定な状態になって書けない年月が長く続いたそうで、この作品が復帰第一作の長編らしい。ということは作者にとってはセラピーのような役割をもった作品だったのかもしれません。それならそれで「よかったね」と言うしかないのですが、だからといって読者にとって面白いかどうかは別物で、レビューを見るとほめてる人が多いのですが、私には魅力を感じられなかった。岸本さんの訳はあいかわらず素晴らしくて、その点ではなんの文句もないんですが。
灯台守の話
原題:Lighthousekeeping
作者:ジャネット・ウィンターソン
訳者:岸本佐知子
出版社:白水社
ISBN:4560092001
うーん。なにか違う。
崖の上に斜めに建った家の中でシルバーと母親が命綱でお互いをつなぎながら生活するという冒頭の部分は、豊かなイマジネーションにあふれた『さくらんぼの性は』を彷彿とさせて、期待に胸が躍ったんですが、そのあとが続きませんでした。
特に話の主軸となるダーク牧師の話があまりにもありがちで退屈で、どうしちゃったのかと思った。あとがきを読むと、作者は『さくらんぼの性を』のあとで文学界で孤立し、精神的にかなり不安定な状態になって書けない年月が長く続いたそうで、この作品が復帰第一作の長編らしい。ということは作者にとってはセラピーのような役割をもった作品だったのかもしれません。それならそれで「よかったね」と言うしかないのですが、だからといって読者にとって面白いかどうかは別物で、レビューを見るとほめてる人が多いのですが、私には魅力を感じられなかった。岸本さんの訳はあいかわらず素晴らしくて、その点ではなんの文句もないんですが。
灯台守の話
原題:Lighthousekeeping
作者:ジャネット・ウィンターソン
訳者:岸本佐知子
出版社:白水社
ISBN:4560092001
by timeturner
| 2012-05-29 20:31
| 和書
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