2012年 04月 12日
魔法のアイロン |
宝くじで当てたアイロンが隣り近所をまきこむ大騒動のもとになったり、魔女に器量を悪くされた王女さまが料理を習って自立しようとしたり、動物の言葉が話せる少女が盗難事件を解決したり、ブレーメンの音楽隊の後日談があったり・・・。不思議な話9編。
読み始めたときはこれまで読んできた昔話と同じ雰囲気だったので、19世紀の作家だと思っていたのですが、表題作の「アイロン」が電気アイロンだったので「あれっ?」と思い、さらに読み進めていくと他の話も民主的な王子や王女が出てくるし、動物と人間との関係も理性を前提にしたしごく合理的なもので、ここで作者紹介を見たら20世紀生まれで、第二次世界大戦以降に執筆活動を始めた人でした。なるほど。
昔話のいいところをとり出し、かなりポリティカリー・コレクトな、といっても説教臭くはない、ユーモアとやさしさがあふれるファンタジーが繰り広げられます。いささか理性がかちすぎて、ファンタジー部分が弱い面もありますが、後味がよいことは間違いありません。
もともとは『ぜんぶともっと』という題の短篇集に収められていた作品の中からアーミテージ一家にまつわる話を集めた『とんでもない月曜日』と昔話風のものを集めた本書が編まれたのだそうで、好きな訳者なので『とんでもない月曜日』も読んでみようかな。
作品とはなんの関係もないことですが、この作者のジョーン・エイキンは3人きょうだいで、姉がジェーン、兄がジョン。一緒に暮らしていた頃はすごくまぎらわしかっただろうと思うのですが、両親はどういう考えで名付けたんでしょうね。
魔法のアイロン
作者:ジョーン・エイキン
訳者:猪熊葉子
出版社:岩波書店
ISBN:4001110458
読み始めたときはこれまで読んできた昔話と同じ雰囲気だったので、19世紀の作家だと思っていたのですが、表題作の「アイロン」が電気アイロンだったので「あれっ?」と思い、さらに読み進めていくと他の話も民主的な王子や王女が出てくるし、動物と人間との関係も理性を前提にしたしごく合理的なもので、ここで作者紹介を見たら20世紀生まれで、第二次世界大戦以降に執筆活動を始めた人でした。なるほど。
昔話のいいところをとり出し、かなりポリティカリー・コレクトな、といっても説教臭くはない、ユーモアとやさしさがあふれるファンタジーが繰り広げられます。いささか理性がかちすぎて、ファンタジー部分が弱い面もありますが、後味がよいことは間違いありません。
もともとは『ぜんぶともっと』という題の短篇集に収められていた作品の中からアーミテージ一家にまつわる話を集めた『とんでもない月曜日』と昔話風のものを集めた本書が編まれたのだそうで、好きな訳者なので『とんでもない月曜日』も読んでみようかな。
作品とはなんの関係もないことですが、この作者のジョーン・エイキンは3人きょうだいで、姉がジェーン、兄がジョン。一緒に暮らしていた頃はすごくまぎらわしかっただろうと思うのですが、両親はどういう考えで名付けたんでしょうね。
魔法のアイロン
作者:ジョーン・エイキン
訳者:猪熊葉子
出版社:岩波書店
ISBN:4001110458
by timeturner
| 2012-04-12 22:33
| 和書
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