2011年 12月 27日
ジャンブリーズ |
ヴィクトリア女王に絵を教えたこともあるという19世紀イギリスの画家・詩人の書いたリメリック詩(aabbaと韻をふむ5行脚韻詩)にゴーリーが挿絵をつけたもの。頭が緑で手が青いジャンブリーズと呼ばれる種族が篩(ふるい)の船に乗って船出して帰ってくるまでの冒険を描く。
ゴーリーが他人の作品に絵をつけたものは今まで読んだ限りではイマイチな感が大きかったので、これはもういいやと思っていたのですが、きょう図書館で手にとってみたらとてもよかった。
他人のものとはいっても、リアの詩はゴーリー自身の作品とほとんど変わりません。というより、ゴーリーのほうがリアに影響されたんですね。リアはルイス・キャロルにも影響を与えたのだそうで、なるほど納得です。
ジャンブリーズとは何者なのかとか、篩の船なんて水が入ってきてすぐ沈むだろうとか、合理的な頭で読んでも楽しめません。なんだかわからないけど楽しそうだなあ、と思いつつゴーリーが描くジャンブリーズたち(10人います)の個性あふれる服装・髪型をじっくり眺めて楽しみ、原文の韻をチェックし、それをどう訳してあるかを感心しながら読む、そんな態度でよろしいのではないかと。
あとがきによるとマザーグースにもお椀に乗って船出する三人の阿呆の歌があるそうですし、小人伝説も昔からあるわけですし、ジャンブリーズなる小さな人たちが篩に乗って船出したってイギリス人は「ああ、そうか」と思うだけなのでしょう。
ジャンブリーズ
原題:The Jumblies
文:エドワード・リア
絵:エドワード・ゴーリー
訳者:柴田元幸
出版社:河出書房新社
ISBN:4309269753
ゴーリーが他人の作品に絵をつけたものは今まで読んだ限りではイマイチな感が大きかったので、これはもういいやと思っていたのですが、きょう図書館で手にとってみたらとてもよかった。
他人のものとはいっても、リアの詩はゴーリー自身の作品とほとんど変わりません。というより、ゴーリーのほうがリアに影響されたんですね。リアはルイス・キャロルにも影響を与えたのだそうで、なるほど納得です。
ジャンブリーズとは何者なのかとか、篩の船なんて水が入ってきてすぐ沈むだろうとか、合理的な頭で読んでも楽しめません。なんだかわからないけど楽しそうだなあ、と思いつつゴーリーが描くジャンブリーズたち(10人います)の個性あふれる服装・髪型をじっくり眺めて楽しみ、原文の韻をチェックし、それをどう訳してあるかを感心しながら読む、そんな態度でよろしいのではないかと。
あとがきによるとマザーグースにもお椀に乗って船出する三人の阿呆の歌があるそうですし、小人伝説も昔からあるわけですし、ジャンブリーズなる小さな人たちが篩に乗って船出したってイギリス人は「ああ、そうか」と思うだけなのでしょう。
ジャンブリーズ
原題:The Jumblies
文:エドワード・リア
絵:エドワード・ゴーリー
訳者:柴田元幸
出版社:河出書房新社
ISBN:4309269753
by timeturner
| 2011-12-27 15:01
| 和書
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