2011年 11月 26日
旅する漱石先生 |
漱石の後輩にあたる朝日新聞の記者が、作品、交遊録、紀行などに登場する土地を訪ね、当時のエピソードを交えながら漱石の足跡をたどる。
漱石関連の本を読んでいれば都内各所に松山、熊本、ロンドンあたりは想像がつきますが、それ以外になかなかひねった角度からピックアップした土地もたくさんあって面白かったです。ヨーロッパもロンドンはさらっとすませ、漱石が最初に足を踏み入れたヨーロッパの都市であるナポリを持ってきたあたりも通ですね。スコットランドのピトロクリが現地ではペットロッホリーと発音するなんて、実際に訪れた人ならではの豆知識も愉快です。
そういえば2年前の夏に行った大山崎山荘に漱石も行っていたとわかってちょっと感激。私たちがマイクロバスで行った坂道を漱石は駕籠で登ったのだそうです。それと、松山に行ったときに訪れた愚陀仏庵が昨年7月の集中豪雨で城山が土砂崩れし全壊してしまったという話にはびっくりしました。
徴兵逃れのために北海道に本籍を移していた話とか、東北大学に漱石文庫ができたいきさつ、谷中銀座に向かう「よみせ通り」はかつては『三四郎』で美彌子がたたずむ枇杷橋のある藍染川で、大正末期に川が埋め立てられて暗渠になったなんて話も興味深かったです。マニアには先刻承知のことばかりかもしれませんが、そういう小ネタをあちこちの本から引っ張ってきて、ちょこちょこっと紹介してくれるのが初心者にはいい感じ。
そうそう、漱石が最後に住んだ早稲田の家を漱石山房として復元する計画が、漱石生誕150年の2017年をめどに進められているそうです。これは楽しみだな。
旅する漱石先生
作者:牧村健一郎
出版社:小学館
ISBN:4093882045
漱石関連の本を読んでいれば都内各所に松山、熊本、ロンドンあたりは想像がつきますが、それ以外になかなかひねった角度からピックアップした土地もたくさんあって面白かったです。ヨーロッパもロンドンはさらっとすませ、漱石が最初に足を踏み入れたヨーロッパの都市であるナポリを持ってきたあたりも通ですね。スコットランドのピトロクリが現地ではペットロッホリーと発音するなんて、実際に訪れた人ならではの豆知識も愉快です。
そういえば2年前の夏に行った大山崎山荘に漱石も行っていたとわかってちょっと感激。私たちがマイクロバスで行った坂道を漱石は駕籠で登ったのだそうです。それと、松山に行ったときに訪れた愚陀仏庵が昨年7月の集中豪雨で城山が土砂崩れし全壊してしまったという話にはびっくりしました。
徴兵逃れのために北海道に本籍を移していた話とか、東北大学に漱石文庫ができたいきさつ、谷中銀座に向かう「よみせ通り」はかつては『三四郎』で美彌子がたたずむ枇杷橋のある藍染川で、大正末期に川が埋め立てられて暗渠になったなんて話も興味深かったです。マニアには先刻承知のことばかりかもしれませんが、そういう小ネタをあちこちの本から引っ張ってきて、ちょこちょこっと紹介してくれるのが初心者にはいい感じ。
そうそう、漱石が最後に住んだ早稲田の家を漱石山房として復元する計画が、漱石生誕150年の2017年をめどに進められているそうです。これは楽しみだな。
旅する漱石先生
作者:牧村健一郎
出版社:小学館
ISBN:4093882045
by timeturner
| 2011-11-26 17:25
| 和書
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