2011年 08月 29日
田舎暮らしの猫 トビー・ジャグと過ごした英国の四季 |
ノーサンバーランドの大学で教鞭をとり、素晴らしい庭のある18世紀の石造りのコテイジで気楽な独り暮らしを楽しんでいた「私」は、激しい雪が降るある冬の夜、罠にかかった母猫と仔猫2匹をみつけて獣医に運びこむ。母猫と仔猫の1匹は手のほどこしようもなかったが、かろうじて息をしているような1匹を「私」は獣医の反対にもかかわらず家に連れ帰り、必至に介抱をした。こうしてトビー・ジャグと「私」の愛と冒険の田舎暮らしが始まった・・・。
この猫は可愛い、確かに可愛い! メインクーン種の猫というのはアライグマに似たルックスと習性を持っているのだそうで、普通の猫とはかなり違っています。ネットで写真検索してみたら、表紙のイラスト通りの黒白まじったのが出てきて、毛もふさふさしていてもうたまらなく可愛い! こんな猫になつかれたら、どんな人でもくにゃっとなってしまいそうです。
おまけに目も開かない頃に作者が赤ん坊のように面倒を見たせいか、人間への甘えっぷりも堂に入ったもので、飼い主の肩にとまるのが得意芸。作者はこれをかなり珍しいことだと書いていますが、確か群ようこさんが書いていたビーも同じようなことしてましたよね。猫も自分を甘やかしてくれる相手を見分けるのかもしれません。
でもこの本は英語で読んだほうがよかったかなあ。地方の小出版社から刊行されたものが、口コミで評判が広がり、やがて大手出版社からペーパーバックで再刊行されてベストセラーとなったのだそうですが、こうした文章を書き慣れていないと思われる作者の筆はともすると紋切り型の表現に流れ、感情が高まってくると人情物のドラマのように感傷的な言葉があふれます。英語のまま読めばインパクトが弱まるし、翻訳ではいかされていない英国らしく抑え目の、でもほのぼのとしたユーモアがきちんと感じられたと思うのです。
原題:Paw Tracks in the Moonlight
作者:デニス・オコナー
訳者:マクマーン智子
出版社:ランダムハウスジャパン
ISBN:4270006617
この猫は可愛い、確かに可愛い! メインクーン種の猫というのはアライグマに似たルックスと習性を持っているのだそうで、普通の猫とはかなり違っています。ネットで写真検索してみたら、表紙のイラスト通りの黒白まじったのが出てきて、毛もふさふさしていてもうたまらなく可愛い! こんな猫になつかれたら、どんな人でもくにゃっとなってしまいそうです。
おまけに目も開かない頃に作者が赤ん坊のように面倒を見たせいか、人間への甘えっぷりも堂に入ったもので、飼い主の肩にとまるのが得意芸。作者はこれをかなり珍しいことだと書いていますが、確か群ようこさんが書いていたビーも同じようなことしてましたよね。猫も自分を甘やかしてくれる相手を見分けるのかもしれません。
でもこの本は英語で読んだほうがよかったかなあ。地方の小出版社から刊行されたものが、口コミで評判が広がり、やがて大手出版社からペーパーバックで再刊行されてベストセラーとなったのだそうですが、こうした文章を書き慣れていないと思われる作者の筆はともすると紋切り型の表現に流れ、感情が高まってくると人情物のドラマのように感傷的な言葉があふれます。英語のまま読めばインパクトが弱まるし、翻訳ではいかされていない英国らしく抑え目の、でもほのぼのとしたユーモアがきちんと感じられたと思うのです。
原題:Paw Tracks in the Moonlight
作者:デニス・オコナー
訳者:マクマーン智子
出版社:ランダムハウスジャパン
ISBN:4270006617
by timeturner
| 2011-08-29 20:16
| 和書
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