2011年 08月 03日
バラの構図 |
パブリックスクールで猛勉強して11のOレベルをとったものの体調を崩してしまった16歳のティムは、休学して引っ越したばかりの田舎の家で療養していた。苦労して成功した両親はひとり息子のティムがオックスブリッジを出て父親の会社を継ぐことを期待しているが、ティムには自分が本当にしたいことがまだわからない。そんなある日、部屋の煙突の中から古いビスケット缶をみつけた。その中には何枚かの絵が収められていて、T・R・Iというサインがされていた。そして墓地で偶然みつけた墓石にもT・R・Iと記されていた。それはティムと同じイニシャルで、妙な胸騒ぎにかられたティムは、牧師館の娘レベッカの助けを借りてT・R・Iが何者なのか調べ始める・・・。
さすがにヤング・アダルト物だけあって、ここのところずっと読んできた児童書に比べるとずっと身近に感じます。中学生が身近というのもちょっと情けないかな(^^;)? でも、この年齢ってもうほとんど大人と同じに世の中のことがわかっているんですよね。だからティムが両親を見て思うこと、レベッカとつきあっていて感じることは深く複雑で私たち大人と違いはありません。
ただ思春期の子どもたちは「わかっていても許せない」潔癖な部分が残っていて、だから大人よりもよほど苦しみ悩みます。完全に大人になってしまうと「あんなことで悩んでばかみたい」と思うようなこともあるのだけれど、そこで悩んだり苦しんだりしたかどうかで結果は変わってくるんじゃないかなあ。
そんな青臭いことをこの本を読んでいていろいろ思い出しました。変に理解のある大人が出てこないのもいいなと思った。現実の世の中ってそういうものだもの。大人の助けなんか借りずに自分で道をみつけていかなくてはならないのですから。
現代に生きるティムとレベッカ、封建的な時代に生きるトムとネティ、メイ嬢の描き分けも素晴らしいです。
バラの構図 (岩波少年文庫)
原題:A Pattern of Roses
作者:K・M・ペイトン
訳者:掛川恭子
出版社:岩波書店
ISBN:4001131307
さすがにヤング・アダルト物だけあって、ここのところずっと読んできた児童書に比べるとずっと身近に感じます。中学生が身近というのもちょっと情けないかな(^^;)? でも、この年齢ってもうほとんど大人と同じに世の中のことがわかっているんですよね。だからティムが両親を見て思うこと、レベッカとつきあっていて感じることは深く複雑で私たち大人と違いはありません。
ただ思春期の子どもたちは「わかっていても許せない」潔癖な部分が残っていて、だから大人よりもよほど苦しみ悩みます。完全に大人になってしまうと「あんなことで悩んでばかみたい」と思うようなこともあるのだけれど、そこで悩んだり苦しんだりしたかどうかで結果は変わってくるんじゃないかなあ。
そんな青臭いことをこの本を読んでいていろいろ思い出しました。変に理解のある大人が出てこないのもいいなと思った。現実の世の中ってそういうものだもの。大人の助けなんか借りずに自分で道をみつけていかなくてはならないのですから。
現代に生きるティムとレベッカ、封建的な時代に生きるトムとネティ、メイ嬢の描き分けも素晴らしいです。
バラの構図 (岩波少年文庫)
原題:A Pattern of Roses
作者:K・M・ペイトン
訳者:掛川恭子
出版社:岩波書店
ISBN:4001131307
by timeturner
| 2011-08-03 23:07
| 和書
|
Comments(2)
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by
滝夜叉
at 2011-08-04 09:59
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お天気ずっと悪いですよね・・・
この作品、面白そうですね。親の期待と思春期の子供の葛藤って普遍的なテーマでしょうか。
「車輪の下」「いまを生きる」等々ありますよね。
「バラの構図」というタイトルにも惹かれます。
この作品、面白そうですね。親の期待と思春期の子供の葛藤って普遍的なテーマでしょうか。
「車輪の下」「いまを生きる」等々ありますよね。
「バラの構図」というタイトルにも惹かれます。
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by
timeturner at 2011-08-04 19:32
滝夜叉さん
涼しいのは助かりますが、本当に読めないお天気ですよね。隣家の主婦は天気予報の名人で、たとえどんなに晴れている日でもその方が洗濯物を干さない時は必ず途中から雨が降ります。今日は朝から隣家の物干し場に洗濯物が出ていたのですが、その方がまだ午前中だというのにあわてて取り込んでいるので何事かと思ったら、1分後にざーっと降ってきました。驚きました。
『バラの構図』(A Pattern of Roses)というタイトルは、実を言うと最後まで読んでも意味が(あるのかないのか)よくわかりませんでした。お読みになってわかったら教えてください。
涼しいのは助かりますが、本当に読めないお天気ですよね。隣家の主婦は天気予報の名人で、たとえどんなに晴れている日でもその方が洗濯物を干さない時は必ず途中から雨が降ります。今日は朝から隣家の物干し場に洗濯物が出ていたのですが、その方がまだ午前中だというのにあわてて取り込んでいるので何事かと思ったら、1分後にざーっと降ってきました。驚きました。
『バラの構図』(A Pattern of Roses)というタイトルは、実を言うと最後まで読んでも意味が(あるのかないのか)よくわかりませんでした。お読みになってわかったら教えてください。