2011年 07月 29日
タイムマシン |
19世紀末のイギリス。「私」を含め友人数人が集まった席で、科学の天才TTは素晴らしいものを発明したと発表する。時代を自由に行ったり来たりできるタイムマシンを作ったというのだ。模型を見せられたものの半信半疑だった私は、数日後、またTTの家の食事に呼ばれた。食事の最中に遅れて登場したTTの服装はぼろぼろで顔や手足は傷だらけ、おまけにひどく飢えていた。やがて彼は西暦八十万二千七百一年の世界について語り始めた・・・。
いやあもう、何度読んでも面白いですね。19世紀に書かれたSF小説なんていま読んだらばかばかしく見えそうなものですが、ちっとも古びていません。もちろん科学的な説明などは詳しい人が読んだらおかしなこともあるんでしょうが、素人が小説として読む分にはまったく問題なく、それどころか最近のこの手の小説に比べてまったく遜色はないと言えます。
それはウェルズが単に科学的知識を使って荒唐無稽な話をでっちあげようとしたのではなく、その中に現代(ウェルズが生きた時代)社会に対する批判や提言、人間性に対する透徹した観察を盛り込み、一種のディストピア小説でありながら最後まで希望を捨てない楽観性といったものがこめられているからでしょう。
タイムマシン(岩波少年文庫)
原題:The Time Machine
作者:H・G・ウェルズ
訳者:金原瑞人
出版社:岩波書店
ISBN:4001145308
いやあもう、何度読んでも面白いですね。19世紀に書かれたSF小説なんていま読んだらばかばかしく見えそうなものですが、ちっとも古びていません。もちろん科学的な説明などは詳しい人が読んだらおかしなこともあるんでしょうが、素人が小説として読む分にはまったく問題なく、それどころか最近のこの手の小説に比べてまったく遜色はないと言えます。
それはウェルズが単に科学的知識を使って荒唐無稽な話をでっちあげようとしたのではなく、その中に現代(ウェルズが生きた時代)社会に対する批判や提言、人間性に対する透徹した観察を盛り込み、一種のディストピア小説でありながら最後まで希望を捨てない楽観性といったものがこめられているからでしょう。
タイムマシン(岩波少年文庫)
原題:The Time Machine
作者:H・G・ウェルズ
訳者:金原瑞人
出版社:岩波書店
ISBN:4001145308
by timeturner
| 2011-07-29 19:40
| 和書
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